当たり判定ゼロ

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競馬の感想2021

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みんなー!馬券で稼いでるかー!
 
競馬で大事なのは振り返りをするということです。基本的に思い出話というのは楽しいというのもありますが、何が悪かったのか、何が良かったのかを改めて整理することで次に繋がってバシバシ馬券を当てることができるからです。
 

高松宮記念

【予想】安心と信頼のインディチャンプから。インディチャンプという馬はレース巧者で、どんな展開でも必ず上位に入る力があるんだよな。マグレではなく実力があるのは数あるレースで証明されているので、そろそろ勝ちきってもいいはず。

【結果×】インディチャンプまた3着!レース巧者だけど本当に勝ちきれないねえ…。一方で勝ったダノンスマッシュはさすが香港スプリントの勝者という姿を示した。ダノンスマッシュは勝ち負けのハッキリした馬。ホームラン打つときは本当に強い。
 

大阪杯

【予想】コントレイルは菊花賞でも苦しかったようにスピード寄りの馬で本来2000mがベスト。そういう意味ではコントレイルを買うのに最も適したレース。グランアレグリアは強いが、マイルと2000mは全然違う。歴史を振り返っても両方こなせたのはヤマニンゼファーやモーリスに限られる。コントレイルで良い。

【結果×】レイパパレー!コントレイルが道中上がっていってグランアレグリアも合わせてギアを上げたときのワクワク感は年間ベストレースまであった。第4コーナーの手前くらいまで伝説のマッチレースになるんじゃないかという予感はあったけど、そこから先のことは忘れた。
 

桜花賞

【予想】ソダシはない。白毛で大成した馬がいないのは、数が少ないのはあるけど、何より目立ちやすいのよね。G1という大舞台で白毛の一番人気はマークしてくださいと言ってるようなもの。アカイトリ、サトノレイナスでよい。

【結果×】ソダシ!いや強いわ。去年の阪神JFもそうだったけどこの馬は競馬が上手い。さっさと前につけられると囲みようもないし、逃げ馬がメチャクチャやらなければ大崩れがない、ダイワスカーレットみたいなタイプじゃないかこれ。
 

皐月賞

【予想】皐月賞は仕上がりの早い馬が何だかんだ言って有利ですよ。共同通信杯でかなりレベルの高いレースをしたエフフォーリアが気になるけど、あの馬はダービーが本命。皐月賞時点ではダノンザキッド買っとけばええですよ。

【結果×】エフフォーリアァァァァ!やっぱレベルの高い重賞でブッちぎる馬が弱いわけないわな。皐月賞でこれなら、ダービーも約束されたようなもんでしょ。ところでダノンザキッド見なかったけど本当に出走してた?二度と買わねえ。
 

天皇賞(春)

【予想】「長距離は騎手で買え」の格言に従ってベテラン勢買うレース。アリストテレスルメール、ワールドプレミアの福永、あとディバインの武豊を抑えとけば問題なし。ディープボンドは前走の阪神大賞典ができすぎ。切って良い。

【結果×】ワールドプレミアは買えてもディープボンドは買えなかった。馬連2頭当てなきゃいけないの、馬券、難しすぎる。アリストテレスの去年の菊花賞は何だったんだろうね。生涯最高のパフォーマンスを目立つ舞台でやっちゃって幻影を見せるタイプか。
 

NHKマイル

【予想】バスラットレオンくんのニュージーランドトロフィー見た?着差がつきづらいマイルの重賞で5馬身差ですよ。もうね、エンジンが違う。エフフォーリアの共同通信杯のように、前走のパフォーマンスはすごい大事。強いということを予め教えてくれてるんだから。ヒントをくれてるんだよ。

【結果×】スタート直後にバスラットレオンくん落馬競走中止で1秒で終わった。こんなーレースーはー、はーじめてー。そこから先のことはあまり覚えてないがシュネルマイスターが勝ってた。
 

ヴィクトリアマイル

【予想】グランアレグリアは現代競馬のマイルにおいて一つ頭抜けた馬。100mでウサイン・ボルトが走るのだから、下手に穴をねらうよりもウサイン・ボルトを買うのが正解。しかしあまりに倍率がつかないので、マジックキャッスル・ディアンドルあたりに流す3連単

【結果×】グランアレグリア4馬身差のぶっちぎり。マイル戦でこれはレースになってない。強すぎる。しかし2着ランブリングアレーは何なんだ。前走、前々走と調子が良い馬はやっぱ抑えておくべきよね。2走強い走りを見せてるならフロックではない。
 

オークス

【予想】さすがにソダシ。阪神JF桜花賞とイロモノ扱いして悪かった。レースがうめぇんだわ。あれだけ好位につく力が高ければ大崩れのしようがない。実力を発揮できる府中2400mなら間違いないでしょ。歴史的名牝になれ。あとはタガノパッションあたりが良い。

【結果×】ユーバーレーベンは買えない。前走もそれほど強い競馬でもなかったのに3番人気は過剰だと思って真っ先に切った。う〜ん、ここでユーバーレーベンは自分の買い方だとどうひっくり返っても買えないなぁ。
 

日本ダービー

【予想】満を持してエフフォーリア。既に府中で高いスペックを示しており、まぐれの少ない東京2400mで負けるはずがなかった。皐月賞で負けていればここで大きく拾えたのだけど仕方ない。ヒモでシャフリヤールは抑えておく。

【結果〇】抑えてて良かったシャフリヤール!今年初めて馬券取った!予想に負けても勝負に勝てるんだから、やっぱ競馬簡単だわ。エフフォーリアに自信ありすぎて馬単にしなくて本当良かった。ここから毎週当てていくぞ。
 

安田記念

【予想】メンバーは揃ったが、3週間前にやったばかりのグランアレグリアの府中1600mとか、馬もコースを覚えてるしリプレイになるでしょ。シュネルマイスターは大器の予感はあるが、さすがに若すぎる。来年でしょう。

【結果×】ダノンキングリー!考えてみれば、大阪杯で1番人気になる馬が8番人気47.6倍はおかしかったね。高いレベルで競馬やってきた馬を侮ってはならないというのがこのレースの教訓。あと、3歳夏で古馬G1の3着に入ってきたシュネルマイスター強い。
 

宝塚記念

【予想】コントレイルの回避により、面子が弱いレースとなった。クロノジェネシスが頭2つほど抜けてる。馬券は買う馬がなさすぎて、クロノジェネシス、レイパパレ、カレンブーケドールの3連複1点買い。

【結果×】クロノジェネシスはやはり圧倒的だったけど、2着ユニコーンライオンでやられた。レイパパレ、カレンは3着、4着。ユニコーンライオンも前2走で連勝しており、競走馬としてピークが来てると考えるべきだった。ちゃんと来るには理由があるなぁ。
 

スプリンターズS

【予想】ダノンスマッシューレシステンシアの馬連1点買い。このレースはこの2頭が抜けてますよ。特にダノンスマッシュはあの香港スプリントを勝った馬で、メジャーリーガーが日本で野球やってるようなもんですよ。相手が悪かった。ピクシーナイトは来年がんばろう。

【結果×】ピクシーナイト!いやピクシーナイトくん、ちょっと前の競馬雑誌で福永騎手が「自分が思ってるより成長してる」とコメントしてたから気になってたのよね。内枠だったので切ったけど、調子良い福永が上手くエスコートしましたわ。今年の3歳世代強すぎるぞ。
 

秋華賞

【予想】ソダシからの馬連流し。札幌記念のソダシ見てたらもう切れる要素ないですよ。ソダシ競馬うますぎる。前目に付く技術高すぎて崩れない。ファインルージュは母父ボストンハーバーにしては距離が長すぎる。アカイトリはオークスからの直行が不安。論理的にソダシ以外ないわけですよ。

【結果×】アカイトリ!いや、桜花賞もわずかソダシから0.2秒差だったわけだし、オークスもあと一歩だった。やっぱ最上位クラスのレースで崩れない馬ってのは実力があるよ。ソダシは第4コーナーまでの位置取りは完璧で、やっぱ競馬うめーわという感想しかでてこなかった。
 

菊花賞

【予想】ステラヴェローチェ軸の3連複。神戸新聞杯が悪コンディションだったので、神戸新聞杯組を全員切ろうと思ってたんですけど、やっぱりクラシックで3着を取り続ける馬は実力馬ですよ。こういうときに無理に裏をかこうとしてはいけない。

【結果×】タイトルホルダー逃げ切り!神戸新聞杯組全切りでやはりオッケーだった。誰だよ菊花賞で逃げきりはセイウンスカイ以外存在しないとか言ったやつ!まさか横山典弘の息子がセイウンスカイを再現するとはなぁ。今年一番のストーリー性のあるレースでしたよ。
 

天皇賞(秋)

【予想】コントレイルという馬は、調教のタイムも抜群のスピードタイプ寄りの馬で、中距離といっても2400mよりも2000mがベスト。まぐれのない府中で競走馬生活最高のパフォーマンスを見せてくれる。コントレイルに勝てる可能性があるとすればエフフォーリアで、馬連は一応抑えておく。

【結果○】エフフォーリアァァァァ!コントレイルの上がり3Fは33.0と凄まじい脚を使ってるんだけど、エフフォーリアの位置取りがそれに勝った。いわばエフフォーリアの万能性の勝利。それにしても現代競馬の華は、今や2000mだなと思わせられる展開とスピード感のバランスが取れた良レースだった。
 

エリザベス女王杯

【予想】実力的に抜けた馬のいないレース。今年の3歳は牡馬は強いけど牝馬はそうでもないというのが個人的な見立て。しかしこの中ならアカイトリノムスメじゃないか。ほぼ全てのレースで順位が安定しており、掲示板は外さないタイプだろう。

【結果×】アカはアカでもアカイイトってやつでした。同じコースで行われた宝塚記念と比べても1000mのラップタイムが1秒早く、道中1〜3番手で走った馬が順位は最下位から3つを独占し、後ろから行った馬が上位。逃げ集団のペースミスでしょう。
 

マイルチャンピオンシップ

【予想】阪神1600mとかグランアレグリアの庭でしょ。それに毎日王冠古馬を蹴散らしたシュネルマイスターも強い。上位馬の実力が抜けててオッズも面白くないので、インディチャンプあたりを加えた三連単がベターじゃなかろうか。

【結果×】3着ダノンザキッド!ハナ差4着インディチャンプ!ダノンザキッド、こんなところでいきなり頑張るなや。皐月賞のとき二度と買わねえと心に誓ったのが裏目に出た。これも競馬。これで引退となるグランアレグリアは近年最強マイラーの一頭だったね。
 

ジャパンカップ

【予想】いよいよコントレイルの最後のレースとなった。思えば2年前に2歳の登場時から超大物だと騒がれ、翌年無敗の三冠。顔や振る舞いがかわいいので威圧感はないけれど、力のある馬だった。アーモンドアイやエフフォーリアに比べると、最後のレースはなんてことのない相手だろう。

【結果○】コントレイルくん!単勝は当たったけど、あわせて買ってた三連単は外れた。状態悪い説のあったシャフリヤールを切ってたんだよなー。3歳世代マジで強いわ。コントレイルくん、スピードあるので種牡馬としてもきっと成功すると思うし、子供世代がダービー走る日を待ってるぞ。
 

チャンピオンズカップ

【予想】ソダシがダートに参戦してきて話題を呼んだチャンピオンズカップだけど、さすがに厳しいのでは。親父のクロフネの幻影を追って人気を吸うだけになりそう。実績と信頼のテーオーケインズ、チュウワウィザードから三連単でいきたい。

【結果×】テーオーケインズ、スタートをうまく切れれば冗談みたいに強いな。ダートG1で6馬身差というクロフネみたいなことをやったのはテーオーケインズの方でした。ところで馬券の方は3着にアナザートゥルースなんて想像もしてなくて死にました。
 

阪神ジュベナイルフィリーズ

用事があり競馬が見れなかったので馬券買わなかったんだけど、「買うならサークルオブライフかな」と話していたらマジで来た。買わないときくらい外して得した気分にさせてほしい。
 

朝日杯フューチュリティS

【予想】今の2歳世代でエンジン性能が高いのは、イクイノックスとジオグリフですよ。ジオグリフの札幌2歳Sのブッちぎりっぷりはエフフォーリアの共同通信杯を彷彿とさせる。新馬戦でも強豪馬アサヒに勝っており、倒した相手も強いのよ。ジオグリフ来るぞ。

【結果×】ドウドュース!いや前走の内容も平凡だし、真っ先に切ってたわ。ジオグリフは位置取りが後ろ過ぎ。マイルのほぼ最後方から直線だけでちぎれるのはデュランダルくらいでしょ。とはいえジオグリフも5着まで来てた。来年に向けて期待は持てる内容。
 

有馬記念

【予想】有馬記念はその一年競馬見てきて一番楽しませてくれた馬、好きな馬を買いなさいっておばあちゃんのぽたぽた焼きにも書いてあった。今年はエフフォーリアですね。この馬はエンジンが違うだけでなく、中山も勝つ器用さもあって万能性が高い。歴史的名馬になるよ。

【結果○】 エフフォーリアァァァァ!エフフォーリアのエンジン性能の高さもさることながら、クロノジェネシスを外から蓋するように動いた横山武史の乗り方も完璧だった。今年の締めくくりとなる見事なレースで文句なし!
 

ホープフルステークス

JRAさんへ。平日にG1をやらないでください。
 
と、今年の競馬はこんな感じでして、1年間の馬券の収支をグラフにするとこうなりました。

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いきなり直滑降から始まり不穏な感じがありますが、前向きに考えるとJRAへの投資みたいなもんですかね。
 
また、私は馬券以外にも一口馬主をやってるんですけど、馬主の方の収支をグラフにするとこんな感じです。

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これらの情報から読み取れることは、競馬は一刻も早くやめたほうが良いということですね。
ではまた来年。

ゲームの感想2021

今年もゲームの話をする時間だ!
遊んだゲームをザックリ語っていくぞ。カッコ内は遊んだプラットフォームで、リンク貼ってるやつは個別に記事書いたやつです。
 

One Step From EdenPS4

当然ながらゲームというものは人により合う合わないがあるものだけど、これほど合うゲームも珍しいというくらい刺さった。Slay the Spireのデッキ構築とロックマンエグゼを組み合わせてスピード感を足したようなゲームで、ツモ順を考えながら横シューをやっているような感覚でとにかく脳が忙しい。ところが、あまり疲れない。自分はSlay the Spireを「考えている気分にさせる考えさせないゲーム」と思っているけど、速度を上げながらもそのDNAを完全に引き継いでいるゲーム。
 

Minoria(PS4

モモドラ作ったクリエイターさんの新作で、概ねモモドラと同じ方向性で作られている。一言で言えばメトロイドヴァニアであって、モモドラの方がフィールドが広大で探索感はあって、ミノリアの方がキャラクターとの距離が近くてアクションに迫力がある感じ。美少女シスターを操作して剣振り回してるだけで幸福感を得られるオタクにとって、ある種無条件の肯定感が認められる。
 

チルドレン・オブ・モルタ〜家族の絆の物語〜(PS4

レベルを上げて物理で殴る! 見下ろし型アクションゲームで、例のとおりダンジョンに湧いてくる敵を倒してレベルを上げてスキルをゲットし、より難しいダンジョン、より強い敵を倒せるようになってガシガシ進んでいくゲーム。手ざわりはDiablo2に近くて、シンプルなシステムで爽快感がある。グラフィックはピクセルアートで描かれていて、ピクセルってのは情報量少なくて本当に疲れなくて良いね。脳にやさしい。余談として幕間ナレーションの声が異様に渋くてイカス。
 

Bloodstained: Curse of the Moon 2(PS4

悪魔城ですよ、悪魔城。これも「型」の強靭度のあるゲームよね。いつ遊んでも何回遊んでも悪魔城の面白さは変わらない。20年前に遊んだ悪魔城も悪魔城だったし、今遊んでも悪魔城だった。しかし、何周もクリアしていよいよラストだってなったときに「敵の本体は月にいる!攻め込むぞ!まずは乗り物の材料を集めよう!」と素材集めやらされて、材料集めて乗り物作ったら、次は月に行くための縦シューが突然始まって別ゲーになったのはビビった。
 

デジボク地球防衛軍PS4

地球防衛軍はヘルシー。地球防衛軍は心の健康に良い。いや、冗談じゃなく本当に良い。精神が疲れている人は地球防衛軍をやるべきだ。アリ、クモ、UFO、建造物、すべて壊してしまうべきだ。密集した昆虫の群れに爆破半径の広いロケランを撃ち込むときにのみ人は救済されるのであり、面倒な仕事や生のしがらみ、ストレスと因果関係がない精神の安住地がそこにある。そう、ゲームというのはメリットでもデメリットでもなく、それらとの無関係性が最も素晴らしい点であるのだ。
 

リトルナイトメア2(PS4

言ってみればギミックを起動しつつ左から右に進んでいくマリオの延長線上。そこからリトルナイトメアを固有の立ち位置にしているのはいわゆる「雰囲気ゲー」ということよね。では、雰囲気とは何ぞやというと「ただ画面を見ているだけで楽しい」というのは少し違って、だったらそれはゲームですらない。そうではなく、雰囲気とは「この世界を探索したい」という気持ちを呼び起こさせるもので、ゲームにおいては一種の「動機」の機能なんじゃないかと思った。
 

SaGa Frontier Remastered(PS4

心の積み残しになってるゲームってないですかね。自分の場合はサガフロがそれで、子どもの頃遊びたいなと思っててもお小遣いがなくて見送ったゲームだった。それ以来アセルスがどうのこうのT260Gのラスボス戦のBGMが良いとか聞いても、あのとき遊んでおけばという後悔だけが先立っていた。リマスター出してもらえたのは本当にありがたかった。おかげで人生の積み残しを減らすことができた。
 

東方虹龍洞(PC)

東方は自分の青春的なところがあるので、東方の新作遊ぶと、それそのものよりも昔の思い出がフラッシュバックしてくるんだよな。ともあれ虹龍洞の話をすると、ステージごとにランダムでカードを買い物して進んでいくSlay the Spire的なシステムが搭載されたものの、STGとしては久々にオーソドックスなWin初期の原型に近い東方だった。難易度が低めで、STG力が落ちた今となってもLunaticクリアできたので当面ルナシューターだぞワハハ。
 

Outer Wilds(PS4

情報を食べるゲームよね。本作を遊んだタイミングは、仕事で頭がパンクしており「これ以上俺に情報を食わせないでくれ…」以外の感情がなかったので、情報過多で胃もたれした。本を読むのが好きなタイプなので昔は想像もしてなかったけれど、文字から意味を読み取る工程は、思ったより脳に負荷が高いことが最近わかってきた。考えてトライ・アンド・エラーをすることで深みの出てくる作りだけに、脳のスポンジに情報を吸えるだけの余裕のあるときに遊ぶべきゲームだと思う。
 

ナツキクロニクル(PS4

xbox360ギンガフォースの頃から続編出す出す言ってて、かれこれ10年くらい発売予定のままだったので本当にリリースされたこと自体に感動してしまった。ファミ通の発売予定欄にSFC「ああっ!女神さま」が永遠に掲載されてたけど、あの枠。ところでギンガフォースには「Gallant Gunshot」という名曲があって、ナツキクロニクルでもアレンジ曲が使われてたのに、こっちはそんなに印象に残らなかった。ゲーム音楽は単体じゃなくてそれが使われているシーンも大事よね。
 

デモンズソウル(PS5)

驚いたことにPS3デモンズの記憶がほとんど残っておらず、結構な部分を新鮮な感じで楽しめた。人間は忘れることのできる生き物であるというのは本当に便利。とはいえ死亡回数は激減しており、操作とか底溜まりの記憶のようなものはあるのだなと。そういう覚えてない記憶のようなものが人間を形作っており、いつか遊んだけど覚えてない無数のゲームも、決して無駄になっているわけではない。
 

Reternal(PS5)

1000回遊べる3Dシューター、に似た顔をした別の何か。入るたびに生成されるダンジョン、ランダムでドロップする武器、少しずつ明かされる謎、いかにもなローグライク要素が入っており、中毒性が高そうな要素モリモリなのに、個別の要素を合計して出来上がった中毒性はそんなでもないのが不思議。恒常強化措置が少なく、プレイヤーの実力強化が重要になるのは昔のアーケードシューター的なのに、それにしてもReternalは1プレイの時間が長くて重いのよね。
 

ラチェット&クランク パラレル・トラブル(PS5)

かつて表現としてのゲームは表現は映画に追いつけ追い越せでやっていたけど、PS5ラチェクラは映画の視聴どころかディズニーランドのアトラクションの体感的感覚に近い。誰に見せてあげたいって、最新のゲームがどんなものか知らない親に見せてあげたい。それに、昔ゲームをやっていて、大人になってゲームをやめた人たちに見せてあげたい。「今のゲームってこんな凄いんだよ」と誰にでもハードル低く分かりやすく伝えられる、現代を代表する作品の一つだと思う。
 

GOD OF WARPS4

PS Plusのフリプに来てたので遊んだ。新作ゲームにすら追っついてないのでフリプを遊ぶことも減ってきたけど、たまには使わないともったいないよね。クレイトスさん操作するのも久々だったけど、宝箱一つ開けるのにも蓋を殴って壊す雑なバイオレンスおじさんいいよね。敵の化け物を両手で引っ張って文字どおりちぎったり、巨人の頭を石で叩き潰したりする豪快さがまさにGOWという感じ。
 

戦国無双5(PS4

4までとキャラデザを一新したものの、プレイアブルキャラとアクション激減させるのは三國無双5といい、5の宿命みたいなもんなの? 得意武器で多少の差別化はしてるものの、武器の使い回しはキャラ間の同質性を招くのでどうしても淡白になる。あと相変わらず味方の軍勢は居てもいなくても良いというか、一人で戦場内移動して敵を倒してミッションこなすだけだとゲームがファイナルファイトになるんだよなぁ。
 

FORZA Horizon 5(PC)

Xbox Game Passが3ヶ月100円とかいう頭おかしい値段になってたのでプレイ。今度PC Game Passという名前に変わるらしいけど、自分も最初てっきり箱用のサービスかと思ってた。オンラインマルチプレイなので、他のプレイヤーの走行が目に入ったりするのだけど、みんな道路無視して荒野とか森をガンガン走ってるよね。自分は免許を持っているのでちゃんと道路のとおり走って景色を楽しんでおり、夏に北海道行ってドライブするみたいになってる。
 

Lobotomy Corporation(PC)

今年のトピックスとして残業代がアホほど入ってきたので、PC&プリメインアンプ&スピーカーを買い替えるというのをやった。おかげでようやくロボトミーコーポレーション遊べるようになったんよ。なんか知らんけどアホみたいに必要スペック高いんだよなこれ。端的に言うと作業を間違わぬように淡々とこなしていくユニット育成型シミュレーション。育成&育成。とにかく数字を大きくするという作業は、意味もないのに不思議と人間に快楽を浴びせてくる。
 

ENDER LILIES(PS5)

美しいゲーム。音楽・ビジュアル・シナリオ・演出の調和がとれており、何か一滴異物を垂らしただけですべてがダメになってしまうような儚さすらある。メトロイドヴァニアはホロウナイトである一定の完成形を見せた気がしたけど、ゲームは総合芸術であり、作り方・見せ方で無限に進化の道筋は広がっていることを改めて感じさせられる。ゲームに完成形はないのだとすると、人はこれからも過去の人たちの創造性と戦っていくのだろうなぁ。
 

Hades(PS5)

リプレイ性が高いゲームとはよく言われるようで、とにかくアンロックの塩梅がうますぎる。基本的には4ステージしかないはずなのに、クリアしたり死んだりするとちょうど良く何かが解放されており、新しい武器が手に入ったり、ザクレウスが強化されたりして次はクリアできるんじゃないかという気にさせられる。毎回新しさがあり、一つとして同じプレイはない。「次は何か違うかもしれない」と思わせられ続ける。人間の心を研究したゲームという感じがした。
 

くにおくん三国志だよ 全員集合!(Switch)

「くにお君の時代劇だよ全員集合!」というファミコンのゲームがあって、タイトルのとおりその三国志版。信長の野望に対する三国志というか。個人的には、時代劇の方がちょっと狂ったバランスとダメージを与えるスピード感の気持ちよさが勝ってると思う。なぜか三国志はマッハきうきうが削除されてるんだよ。あと、ネットにも情報なくてメチャメチャ困ったので書いておくと、2週目以降の熱血ルートは名声200以上、ギャグルートは名声0でいけます。
 

ウマ娘 プリティーダービーAndroid

とにかく競馬ゲームとしてレースの演出が抜群に良いゲーム。東京2000mという特徴的なコースで第2コーナーを真後ろ上空から映すカメラワークを見て、一生付いていこうと決めた。Switchのダビスタも競馬ゲーム最高峰のレース演出だと思うけど、ウマ娘はカットインの表現などリアル路線のゲームが取りえない手法で、本来の競馬にワンアクセント付け加えた新しい世界を切り開いた。よくこの競馬ゲーム不毛の時代にこんなゲームを作ってくれた。
 

アークナイツ(Android

危機契約で自分が☆6使ってヒーコラ言いながら18レベルクリアする一方で、ネットの賢者たちが☆4使ってさらにハイレベルをクリアするのを見つめるゲームになってる。ネットの世界は広大であり、脳の構造が違うサイボーグたちが跳梁跋扈していることをアークナイツは可視化した。怖い。ところで今年はケルシー実装されたので、日笠陽子によるインテリ女子のクールなボソボソ喋りをいくらでも聞ける無敵コンテンツになったのが良かった。
 

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今年の一本をあげろと言われれば「ウマ娘 プリティーダービー
 
ゲームシステムの好みだと「One Step From Eden」や「ENDER LILIES」を挙げたいところで、本当にウマ娘か?というところはある。
実際、ウマ娘を同じデッキで無限に回していると「狂気とは即ち、同じことを繰り返し行い、違う結果を期待すること」というアインシュタインが言ったとか言わないとかされる言葉を思い出しちゃうくらい周回の不毛さは地獄。完全にゲーム設計がハデスと逆。人間の心を研究しつくしたハデスのアンロックの塩梅を見習ってほしさしかない。
思えば実際の競走馬の生産も年間数千頭の馬を遺伝子の上振れ狙って生産し続けるものだし、ウマ娘は競走馬の生産システムを完全再現していると言われればそうなのだけれど。
 
そうやってゲームとしての粗を言おうと思えばいくらでも言えるウマ娘でも、改めてエルコンドルパサーは最強である(諸説あり)と思わされたこと、改めて2012年のオルフェーヴル凱旋門賞の動画を見ると「もう1回再生すれば次は勝てるのでは」と思って100回くらい再生してしまったこと、何より競馬の面白さを改めて認識させてくれたこと、そうやって自分の人生に与えた影響を考えるとやはりウマ娘だよなぁと。
お前にとってのゲームの価値というのは、自分の歩んできた人生の思い出そのものであり、何より主観が優先される。それでいいんだよ。
 
2016~2020の記録を見ると、過去の今年の1本はこんな感じらしい。記録つけておくって大事ね。
 
 2020:グノーシア
 2017:BLUE REVOLVER
 
今年を振り返ると、去年が「ここ10年で最高の労働」かと思っていたら2021年は「過去最高と言われた去年を上回る最高の労働」が収穫され、ボジョレーヌーボーみたいになった1年だった。平日ほぼ毎日23時帰宅は邪悪すぎた。残業はマジで人生に何も残らないので来年こそはなんとかしたい。月に30時間残業を減らせば、遊べるゲームが月に1本は増えるんだぞ。
それでは、少し早いけどよいお年を。

遊べ、時代と寝るゲームを

イエーイ!みんな~死について考えてる~?? 死、怖いですよね。
 
死とは無であったとしても、意識が消える瞬間はどう感じるのか
意識が消えるということは、自分の死を認識することはできないのか
記憶とは夢のようなものだったとして、思い出すことができないとはどういう状態なのか
 
考えるだけで怖い。怖すぎるでしょ。
布団に入って電気を消したときって人の心に隙ができやすく、メメントモる頻度が高くなりがちで危険。じっと目を瞑って死ぬ瞬間の意識のことを考えてしまい、背中がゾワっとする事象から人は逃げられない。
とはいえ、死はすべての人間に避けられないさだめ。我々は大いなる眠りに向かって歩き続ける生の奴隷。じゃけん、死ぬときのことを考えても仕方がないので、どう生きるかを考えましょうね~とは色んなところで聞くような話ではあります。
 
しかし思うんですけど、どう生きたかをストックしていくには「記憶」って脆弱すぎるんですよね。
 
今年のGW何やってました?って聞かれても、「何って……息?」みたいな小学生みたいな答えになっちゃうし、長く生きれば生きるほど昔の記憶は曖昧になっていき、それこそ小学生の頃毎日放課後をどう過ごしてたか全然覚えてない。正直、白衣の美人ドクターに「お前には小学生の頃なんてない。お前がうろ覚えだと思っていた小学生の記憶は、我々の組織がお前に1年前に植え付けたものだ!」と言われても「そうかも…」ってなっちゃう。
そういう意味では、日常の強度が弱い今のことを、身の回りの人が全員死んで孤独に老人ホームに入っている頃になったとき思い出せるかというと自信がない。
「なんか色々あったけど、長生きしたなぁ…。そういえば、色々って……何だっけ」となりそう。今の自分が、小学生の自分についてリアリティを持って思い出せないように。
 
人生の満足に必要なのは、強度のある記憶ですよ。
 
そうは言っても、強度のある記憶なんてどうすれば手に入るのか。
一つのやり方として、尖ったガラスの破片を使って「11月3日今日は焼肉を食べた」とかの言葉を腕に刻んでいくなどの方法は考えられるんだけど、そうじゃない。
身体を痛めつけるのがダメなのではなく、記憶を外部保存装置に頼っているのがダメ。外部に出さないと覚えていられないような記憶は、死を前にした走馬灯にも出てきやしない。記憶はアナログではなく電気信号として身体の芯に保全されていてこそのリアリティ。
 
そこで参考にしたいのが彼。
「ハァハァ、俺に、俺に生きている実感をくれええええ!」と叫びながら禁断のブースト注射を打ってイッた目で主人公と対峙する敵(高い確率で若い兄ちゃん)。
彼は、主人公のように仲間に恵まれたわけでも、1000年に一度の才能を持って生まれたわけでも、劇的な運を持って生まれたわけでもないけれど、「記憶の強度」を主体的に獲得する生き方を選択した点で偉さがある。
 
彼はその戦闘において死亡フラグさえ立てなければ、その後メチャメチャいい人生を過ごすと思う。そんじょそこらの連中とは過ごした思い出の密度が違いますよ。老後とかかなり強い。老人ホームの思い出バトルにおいても敵はなく、無双。
老いた彼は、DNAに保全された記憶に触れていく作業をするだけで「いい人生送れたなぁ」となり、布団に入っても死は怖くない。不定な未来を吹き飛ばすのは重厚な過去。
 
生きている実感君から我々が学ぶことがあるとすれば「刺激は主体的に獲得しなければならない」ということ。
それを具体的に生活に落とし込むならば「自分の状態を動かし続ける」ことに尽きるんじゃないですかね。
深海の生き物のように消耗するエネルギーを抑えるために一日中動かない生活をしていては、かつて新しく知るものすべてが刺激的に思えた貴方の素晴らしい触覚も、いつかは朽ちてあらゆる反応を失ってしまうことでしょう。
 
matakimikaの人が、「オタクをやるからにはちゃんと時代と寝るべき」と10年くらい前に言ってた気がするのを未だに覚えてるんですけど、時代というのは常に動き続けるものであるので、それに着いていくことは自分の状態を動かし続けるということと同義。
オタクよ、時代と寝ろ。新しい時代のエンタメ、新時代の技術、未踏の表現を取り込み続けろ。
 
 
いや、何が言いたいかっつーと、この前、運よくPS5買えたんでラチェットアンドクランクやったんですけど、これは間違いなく「時代と寝る」ゲームですよ。
 
ゲームの要素は「ルール」と「見せ方」の2つに分解されると常々思っていて、「ルール」の方は新しい発想を必要とするゲームシステムの領域で、「見せ方」の方はすでに発明されたゲームシステムをプレイヤーにどう見せるかの世界。
ゲームハードが新しくなった際は、従来できなかった表現が可能となるため、「見せ方」の方でイノベーションが起きるんですが、PS5のラチェクラはまさにその「見せ方」の部分で今トップレベルにアツいゲームですねこれ。
 
目まぐるしく展開される地形崩壊の中、高速でレールを走るラチェットを操作するのは、言ってみればディズニーのアトラクションを一人で独占して遊んでいるような感覚に近く、これが家で遊べることを神に感謝するレベルですが、考えてみれば「障害物が迫ってきて当たるとダメージを受けるので当たるまでにジャンプで避ける」というゲームのルール自体はスーパーマリオレベルなんですよね。すっげぇシンプル。誰でも遊べる。これが2021年のゲーム……生きている実感が得られる……。この感動、バイオショックを初めて遊んだとき水の表現に感激したときのあの気持ちに近い。
 
一方で、「ルール」の斬新性であれば普遍的な強さがありますが、PS5ラチェクラのように「見せ方」に強さのあるゲームは、時代と寝ない限りその最高の刺激は味わえないんですよね。
これが5年10年後になると当時は斬新だったPS5ラチェクラの「見せ方」はコモディティ化し、生きている実感くんは生を維持するための十分な刺激を獲得できず、自殺してしまうでしょう。
生きている実感くんがPS5ラチェット&クランクを遊ぶべきなのは、今このときをおいて他にない。
 
で、どうですよ。我々はこうして過ごしている日常で十分な刺激を獲得してると言えるのか。生きている実感は得られてる? 老後に耐えられる記憶の強度は持ってる?
「ハァハァ、俺に、俺に生きている実感をくれええええ!」と叫びながら禁断のブースト注射を打ってイッた目で主人公と対峙する若い兄ちゃん、あれこそがくたびれたオタクが行き着く姿であり、もっとも共感すべきなのは必ず勝利が約束された主人公なんかなのではなく、彼なのかもしれない。
 
遊べ、時代と寝るゲームを。
地盤沈下し続ける日常から自分の人生を守るには、記憶の強度を高めるしかないのだから。

一口馬主はいいぞ日記

これまでのあらすじ
2019年8月:出資(のちに「ベルンハルト」と命名される)
2020年5月:デビュー前に左脚を故障。患部を縫合。
2020年6月:右脚も故障
2020年7月:ノド鳴りが判明。2度の手術へ。
2021年1月:デビュー戦。後方からのマクリで2着。団野騎手うまく乗った。
2021年2月:レース中盤ペースが上がったところについていけず7着。
2021年3月:再び脚を悪くし、当面外厩で様子見へ…
 
作家の菊池寛が「樂しみを覺える割合ひに較べれば、心配や憂鬱を味はふ時の方が多い。馬を持つてゐることの樂しみが二、三割だとすれば、心配や憂鬱の率は、まづ七、八割にも及ぶであらう。それも、大部分は馬の故障から来るのだ」と書いたの、わかりみがある。
無事是名馬』とはよく言ったもので、出資して初めてわかる馬の健康の重要性。馬主ってきっと勝つことも嬉しいんだろうけど(勝ったことない)、自分の馬がレースに出ることが何より嬉しいんですね。
同期のシルクの馬にも故障で全然出走できていない馬もいる中、まがりなりにもベルンハルトはデビューできて、しかも入着してくれたのはありがたい。
 
しかしそのベルンハルト、脚の調子が思わしくないことから運動負荷を下げて慎重に調整が進められ、5月にはなんと馬体重545kgを計上。えっ?最後に出走した2月の馬体重492kgですよ。+53kgじゃん。そんなブクブク太っていいのは引退してタンポポ食って過ごしてるグラスワンダーくらいであって、現役の競走馬がこれはとても心配。
なにせ、3歳の未勝利戦は9月には終わってしまう。あと4か月しかないんですよ。
 
それでも何とか7月11日の函館の未勝利戦で復帰。パドックで解説の人に「う~ん、まだ絞り切れてないのか、太く見えますね」とか言われ、素人目に見てもちょっとダルンダルンの体に見えるが大丈夫か……?
 

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大丈夫じゃなかった。14着。
スタートの時点で出遅れて、流れについていけずズルズルと下げて後方から2番手を追走。外に出しても交わせるわけでもないので、水口騎手は最内の経済コースをとってスタミナを節約するも、直線でも全く伸びず14着でフィニッシュ。
 
弱い馬を注視するようになって、わかったことがあるんですよ。
競馬の脚質って逃げ・先行の勝率が6割で、差し・追い込みが4割なんですけど、そもそもレースのスピードについていけないと逃げ・先行は「採ることのできない」戦法なんですね。
逃げ・先行はすべての馬がレースに参加しているが、差し・追い込みはレースに参加している馬と参加できていない馬がいる。これが脚質別で勝率に差がつく理由なんだなぁと、レースについていけてない愛馬を見て思うのでした。
 
ちなみにJRAは公式HPの「レース結果」から未勝利戦も含めた全レースの映像をネットで公開してくれているので、今でも見ることができるのめっちゃ良い。
未勝利戦のアーカイブ一口馬主やるようになってから価値がわかった。
 
そして次走は8月1日の引き続き函館開催なんですが、レースのスピードについていけない展開が続いたので、スピードの出ないダートへの転向となりました。
それにしてもダートは層が薄いとはいえ、あとタイムリミットまであと2か月での転向って大丈夫なのか?
 

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大丈夫じゃなかった。11着。
相変わらず先行勢にとりつくことができず、後方集団で何とか追走するという見慣れた展開。前が残りやすいダートでこれは厳しい。位置取り的には差し~追い込みなんですけど、「脚を溜めている」ではなく、「集団の流れに何とかついていっている」という表現が正しい。
 

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一口馬主をコンテンツとして捉えたとき、レース後に送られてくる調教師のコメントって楽しみのかなりの比率を占めてる気がするんですよね。
愛馬の走りに対して、プロはどう思ってるのか、何が問題だったのか、改善のためにどうするのかそういった現場の生声が聞けるのはマジで一口馬主固有の特典。勝てなくても儲からなくても、これを読むためだけに一口馬主を続ける価値はある。これがあるとないとでリアルダビスタ感は全く違うと思いますよ。どこか遠くで馬が走っているだけではなく、言葉があるだけでそこにはリアリティがあるんですよ。
 
ベルンハルトに関して言えば、かねがね池江調教師も位置取りが後ろになってしまうのも問題ととらえていたようで、西谷騎手には先行策を指示をしていたようですが、馬の行き脚がつかなければどうしようもない。とにかく「ズブい」。かつて宝塚記念を勝ったヒシミラクルも道中から騎手が押しまくらないと動かないズブい馬でしたが、タイプ的にはヒシミラクル系のズブさがあるようで、もしかしたら和田さんに乗ってもらうことができれば違う道が見えたのかもしれないな、と思ったのが次のレース。
 
8月28日の札幌第4レースダート1700M。これがもっともベルンハルト「らしさ」を見せたレースとなりました。
 

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またしてもスタート直後は出遅れて後方集団で追走する展開に。「またか…」見ててため息をつきそうになるも、泉谷騎手が中盤からグイグイ押してポジションを上げていくと、直線でも鋭く伸び、4着入選。
思えば父親のラブリーデイもキレる脚を持っていたわけでもなく、長く脚を使えるタイプ。新馬戦の2着も、レース中盤から早めにマクっていった団野騎手の作戦が功を奏したもの。「ちょっと手を動かしすぎなんじゃないか」と思うくらい無理して上がっていく競馬のほうがベルンハルトには向いていたのかもしれません。
 
そして9月5日の札幌第3レースダート1700M。
前のレースに入着できたことで出走権を得た、3歳未勝利最終戦がベルンハルトの最終出走レースとなりました。
 

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前レースからの連闘となったこともあり疲れもあったのか珍しく馬体重が大幅減だったのですが、もはや力は使い果たしていたのか、いつものとおり後方からの追走となると、特に見せ場もなくそのままレースを終えました。最後のレースに出れたのは完全にオマケみたいなもんですね。
 

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JRAの未勝利戦開催は3歳9月までなのでこれでフィニッシュ。
ベルンハルト、生涯戦績6戦0勝。新馬戦での2着スタートから未勝利戦を勝ちあがれなかったのは残念でした。

 
問題はここから。
未勝利のまま競走成績を終えてしまった競走馬はどうなるのか。成績を残せなかった多くの競走馬は人々の知らぬところで殺処分され、馬肉となっているという話もあります。ベルンハルトも同じ運命をたどるのか。馬は、毎日調教で鍛えられ、望みもしないレースに出走させられ、稼げなくなると殺される。つらい。馬といえど、生きていくのはつらい。
しかし思えば、我々も毎日毎日行きたくもない会社で酷使され、望みもしない労働に従事させられ、稼げなくなれば死ぬしかない。つらい。人間もつらい。生活に対する意思の関与の多寡はあれど、大枠の構造自体は馬も人も変わらない。
サラブレッド産業の問題もわかるが、また人間の労働市場の問題もわかる。生きるというのはあらゆる生き物にとって試練であり、生きていくのがつらくない動物なんてどこにも存在しないのだ…。
 

ともあれ、行く末が心配だったベルンハルトですが、結果から言うとサラブレッドオークションに出されることになりました。

サラオク、それは現役競走馬をセリに出し、所有者を変えて地方競馬等新たな道を歩ませるための仕組みです。なんでもサラリーマンでもサラオクで競走馬を買って地方競馬でオーナーをやっている人もいるのだとか。なるほど。大富豪ではなかったとしても、一口馬主ではなく、サラオクで競走馬を丸ごと買ってしまいガチ馬主となるという方法もあるのか。
 

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ベルンハルト、なんと175万円で売れる。どうでもいいですけど、サラブレッドオークションにシルクホースクラブが「ノークレームノーリターンでお願いします」と書いてるのヤフオクっぽくてシュールさがあった。
 
この先どうなるんでしょうね。地方競馬に転籍じゃないかと思いますが。ケガや病気でトレーニングがあまりできずポテンシャルを十分発揮できなかったこと、晩成型のラブリーデイの血を考慮すると伸びしろはありそうだし、ダートでもやれそうなスタミナも見せたことも考えると地方競馬で十分やれそうな気もします。ともあれ競走馬続けられそうで良かった。頑張ってほしい。
 

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ちなみに回収率は結局これくらいでした。月額1000円程度の維持費も勘案すると、回収率一桁っすね。
 

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ところでこれ一口馬主DBというサイトから引用しているんですけど、一口馬主DBに登録するとこんな通算記録とかも出してくれるのでマジでリアルダビスタ
My達成記録とかいう実績システムみたいなのもあるし、これはクセになる。
 

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ちなみに3歳のベルンハルトが登録抹消となった今、2歳の出資馬はこんな感じなんですけど、この中でコンジャンクションくんかなりいいですよ。デビュー戦は前の馬に進路を塞がれて8着でしたけど、調教のタイムや関係者のコメントを見るに高い能力を感じさせるところがあります。
 
競馬見る人ならコンジャンクションくん覚えててください。来年のクラシック戦線で名前が出てきてもおかしくないはず。
いや、クラシックどころじゃない。ダービーだ! コンジャンクションくんでダービー取れなきゃこの先ほかの馬でダービーなんてとれるチャンスは訪れねぇ!
前途洋々。自分の人生よりよっぽど期待できる。そう、自分の人生がダメでも馬には期待できる。どうだ、これが一口馬主だ。
 

ウマ娘がタウラス杯で今度は欧州競馬を教えに来ているという話

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みんな~!タウラス杯やってるか~!
タウラス杯の何が良いって馬柱と競馬新聞ですよね。ウマ娘を単なるレースゲームにしないで、ちゃんと「競馬」にするスタンス本当に愛があって好き。
 
ところでタウラス杯はこれまでのウマ娘のレースと全く違うところがあります。
それは「少人数である」ということ、それから「3人出しで1着を狙うゲームである」ということ。
 
これはウマ娘が従来モデルとしてきた日本競馬の特徴とは全く異なります。日本競馬ではビッグレースは高い確率でフルゲート(18頭)になるのが当たり前であり、9頭で行われることはほぼありません。また、JRAの競馬施行規約には「第41条 競走に勝利を得る意志がないのに馬を出走させてはならない」とあり、自陣営の他の馬を有利にするために出走することは認められていません。
 
ところがこの両方が当たり前なのが、欧州競馬なんですよね。
 

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それぞれ見ていきましょう。まず「少頭数」であるということ。出走するウマ娘はたった9人。なんだかゲートも寂しい。
タウルス杯これ本当にビッグレースか?みたいなところあるんですが、少頭数によるビッグレースが当たり前なのが欧州競馬です。少ないときだとGⅠでも平気で3頭立てのレースとかやっちゃう(日本だとレース不成立)。
 
理由としては、強力な馬が出走してきて勝ち目がないと見たら登録を自重する風土があります。
日本からディープインパクト凱旋門賞に挑戦したときも、前年の覇者ハリケーンランBCターフ勝ち馬シロッコ、そしてディープインパクトの3強と見られていたことから、出走に意欲を見せる陣営が少なく、わずか8頭立てでのレースとなっています。
 
 
動画は競馬史上世界最強馬と呼ばれるフランケルが、世界最高峰のマイルレースの一つであるサセックスSに出走したときのものです。
フランケルは、サセックスSに2度出走していますが、2回ともわずか4頭立てのレースとなりました。
1度目は、当時マイルGⅠを5連勝していた年上の最強マイラーキャンフォードクリフスとの一騎打ち状態となり、出走登録してくる馬がいなくなったため。結果は上記動画のとおりで、キャンフォードクリフスを5馬身突き放してフランケルの圧勝。そして2回目は11戦11勝で迎えた状態で、もはやフランケルにマイルで挑戦する馬がいなくなったため。マルゼンスキー状態が世界最高峰で発生したような感じですね。欧州競馬でレジェンド級の馬が出走するレースは出走頭数が少なくなりがちです。
 
凱旋門賞を2連覇した牝馬エネイブルも2020年のキングジョージに出走した際は3頭立てのレースになっており、G1=フルゲートの日本競馬に慣れていると少頭数の欧州競馬は異質。
どちらかというとタウラス杯は日本競馬というよりは欧州競馬寄りなんですよね。欧州競馬でのレース展開までオタクに教えようというのかサイゲームス
 
というのが1つ目なんですが、本題はここから。
 

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タウラス杯のルールの特徴として「3人出しで1着を狙うゲームである」ということが挙げられます。裏返せば、「誰かに1着を取らせるためにはどうすればよいか」を考えるのが戦略となります。ここでは、3人がそれぞれ1着を狙うよりも、あえて自らは勝負を度外視し、味方を有利にするサポートに徹する枠を作る作戦が考えられます。どうあがいても1着を取れるのは1人だけであり、3人とも勝ちに行く必要は全く無いです。
 
これをマジでやっているのが欧州競馬。同一オーナーのエースをサポートするために「ラビット」と呼ばれるペースメーカーが出走してきます。
ラビットは、自らの順位のことを全く考えず、先行馬に有力馬がいれば競りかけてペースを乱したり、エースが馬群に包まれないよう配慮した位置取りをとったり、全面的にエースを勝たせるためにサポートに徹します。
 
日本競馬では、競馬施行規約に「第41条 競走に勝利を得る意志がないのに馬を出走させてはならない」と定められており、例え同一のオーナーの馬であっても他馬をサポートするためだけに出走してくるのは禁止されていますが、欧州競馬ではむしろ当たり前。先ほど例に挙げたフランケルでも、本馬の実兄であるブレットトレインが殆どのレースでフランケルのためにラビットとして出走しています。
  

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さて、タウラス杯に話を戻します。
タウラス杯で求められることは、「誰かが1着を取ること」。3着が2着になっても賞金が上がることもなく、2~4着を独占してもなにもない。ただ目指すのは「チームとして1着を取ること」それだけです。必要なのは全員80点を取ることではなく、例え他の2人が60点しか取れなくても、誰かが100点を取ることなのです。
 
なので、戦略としてはデバフを撒き散らすために走るウマ娘を1人加えるのが正解です。
そのウマ娘は、0点かもしれませんが、ただひたすらエースに100点を取らせるために走ります。自らの勝利を顧みることなく。可能性を追い求めることなく。エースをサポートすることだけを役割として走ります。
 

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ラビットだこれ…。
マキバオーの世界編で出てきたアポーという馬は、欧州のラビットシステムをモデルに描かれた馬なんですが、まさかJRAベースで作られたはずのウマ娘でラビットを見ることになるとは思わんでしょ。
 
ラビットという仕組みは誰かを犠牲にすることを前提としているので、一見畜生のような振る舞いに思えてしまいます。
それを結論づける前に、フランケルのラビットを務めたブレットトレインの話をもう一度させてください。
 
ブレットトレインは、元々フランケルのラビットを務めるまでは自身も競走馬で、重賞の勝利経験すらあるエリートです。しかし、フランケルのラビットに転向した後は、ずっと勝負を度外視して走り続けてきました。しんがり負けしようが、僚馬であり、弟であるフランケルを勝たせる、そのために、それだけのために走ってきました。
 
でも、最後の最後、「史上最強馬」フランケルが引退する際に、ブレットトレインにも光が当てられます。
フランケルが引退した2012年は、2年連続の欧州年度代表馬の名誉がフランケルに与えられるとともに、特別賞が準備されました。
特別賞は「チーム・フランケル」に対して与えられたもので、調教師であるセシル師、ジョッキーのクウィーリー騎手のほか、そこにはフランケルのラビットを務めた馬、ブレットトレインの名前も記載されていました。
 
馬であるブレットトレインを表彰者の名簿に加えたこの判断は本当に素晴らしいものであり、自己犠牲のためにレースを走り続けてくれた脇役の価値を広く世間に知らしめるためのファインプレイだったと思います。
なので、デバフ撒き散らしウマ娘のことを悲しく思うかもしれないけど、そんなことないんだぞ。欧州競馬には確かにそういう役割で走る馬がおり、それは卑下されるような話では決してないのだ。

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まぁ順位はこうなっちゃうんですけどね。ありがとうデバフタキオン
でもフランケルとブレットトレインの話を知っていれば、この9着は誇らしい9着であることがきっと理解できるはずだ。

タウラス杯、「少頭数」「ラビット」と、まさかのウマ娘・欧州競馬編だったの驚きだったよな。