当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

一口馬主はいいぞ日記

これまでのあらすじ
2019年8月:出資(のちに「ベルンハルト」と命名される)
2020年5月:デビュー前に左脚を故障。患部を縫合。
2020年6月:右脚も故障
2020年7月:ノド鳴りが判明。2度の手術へ。
2021年1月:デビュー戦。後方からのマクリで2着。団野騎手うまく乗った。
2021年2月:レース中盤ペースが上がったところについていけず7着。
2021年3月:再び脚を悪くし、当面外厩で様子見へ…
 
作家の菊池寛が「樂しみを覺える割合ひに較べれば、心配や憂鬱を味はふ時の方が多い。馬を持つてゐることの樂しみが二、三割だとすれば、心配や憂鬱の率は、まづ七、八割にも及ぶであらう。それも、大部分は馬の故障から来るのだ」と書いたの、わかりみがある。
無事是名馬』とはよく言ったもので、出資して初めてわかる馬の健康の重要性。馬主ってきっと勝つことも嬉しいんだろうけど(勝ったことない)、自分の馬がレースに出ることが何より嬉しいんですね。
同期のシルクの馬にも故障で全然出走できていない馬もいる中、まがりなりにもベルンハルトはデビューできて、しかも入着してくれたのはありがたい。
 
しかしそのベルンハルト、脚の調子が思わしくないことから運動負荷を下げて慎重に調整が進められ、5月にはなんと馬体重545kgを計上。えっ?最後に出走した2月の馬体重492kgですよ。+53kgじゃん。そんなブクブク太っていいのは引退してタンポポ食って過ごしてるグラスワンダーくらいであって、現役の競走馬がこれはとても心配。
なにせ、3歳の未勝利戦は9月には終わってしまう。あと4か月しかないんですよ。
 
それでも何とか7月11日の函館の未勝利戦で復帰。パドックで解説の人に「う~ん、まだ絞り切れてないのか、太く見えますね」とか言われ、素人目に見てもちょっとダルンダルンの体に見えるが大丈夫か……?
 

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大丈夫じゃなかった。14着。
スタートの時点で出遅れて、流れについていけずズルズルと下げて後方から2番手を追走。外に出しても交わせるわけでもないので、水口騎手は最内の経済コースをとってスタミナを節約するも、直線でも全く伸びず14着でフィニッシュ。
 
弱い馬を注視するようになって、わかったことがあるんですよ。
競馬の脚質って逃げ・先行の勝率が6割で、差し・追い込みが4割なんですけど、そもそもレースのスピードについていけないと逃げ・先行は「採ることのできない」戦法なんですね。
逃げ・先行はすべての馬がレースに参加しているが、差し・追い込みはレースに参加している馬と参加できていない馬がいる。これが脚質別で勝率に差がつく理由なんだなぁと、レースについていけてない愛馬を見て思うのでした。
 
ちなみにJRAは公式HPの「レース結果」から未勝利戦も含めた全レースの映像をネットで公開してくれているので、今でも見ることができるのめっちゃ良い。
未勝利戦のアーカイブ一口馬主やるようになってから価値がわかった。
 
そして次走は8月1日の引き続き函館開催なんですが、レースのスピードについていけない展開が続いたので、スピードの出ないダートへの転向となりました。
それにしてもダートは層が薄いとはいえ、あとタイムリミットまであと2か月での転向って大丈夫なのか?
 

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大丈夫じゃなかった。11着。
相変わらず先行勢にとりつくことができず、後方集団で何とか追走するという見慣れた展開。前が残りやすいダートでこれは厳しい。位置取り的には差し~追い込みなんですけど、「脚を溜めている」ではなく、「集団の流れに何とかついていっている」という表現が正しい。
 

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一口馬主をコンテンツとして捉えたとき、レース後に送られてくる調教師のコメントって楽しみのかなりの比率を占めてる気がするんですよね。
愛馬の走りに対して、プロはどう思ってるのか、何が問題だったのか、改善のためにどうするのかそういった現場の生声が聞けるのはマジで一口馬主固有の特典。勝てなくても儲からなくても、これを読むためだけに一口馬主を続ける価値はある。これがあるとないとでリアルダビスタ感は全く違うと思いますよ。どこか遠くで馬が走っているだけではなく、言葉があるだけでそこにはリアリティがあるんですよ。
 
ベルンハルトに関して言えば、かねがね池江調教師も位置取りが後ろになってしまうのも問題ととらえていたようで、西谷騎手には先行策を指示をしていたようですが、馬の行き脚がつかなければどうしようもない。とにかく「ズブい」。かつて宝塚記念を勝ったヒシミラクルも道中から騎手が押しまくらないと動かないズブい馬でしたが、タイプ的にはヒシミラクル系のズブさがあるようで、もしかしたら和田さんに乗ってもらうことができれば違う道が見えたのかもしれないな、と思ったのが次のレース。
 
8月28日の札幌第4レースダート1700M。これがもっともベルンハルト「らしさ」を見せたレースとなりました。
 

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またしてもスタート直後は出遅れて後方集団で追走する展開に。「またか…」見ててため息をつきそうになるも、泉谷騎手が中盤からグイグイ押してポジションを上げていくと、直線でも鋭く伸び、4着入選。
思えば父親のラブリーデイもキレる脚を持っていたわけでもなく、長く脚を使えるタイプ。新馬戦の2着も、レース中盤から早めにマクっていった団野騎手の作戦が功を奏したもの。「ちょっと手を動かしすぎなんじゃないか」と思うくらい無理して上がっていく競馬のほうがベルンハルトには向いていたのかもしれません。
 
そして9月5日の札幌第3レースダート1700M。
前のレースに入着できたことで出走権を得た、3歳未勝利最終戦がベルンハルトの最終出走レースとなりました。
 

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前レースからの連闘となったこともあり疲れもあったのか珍しく馬体重が大幅減だったのですが、もはや力は使い果たしていたのか、いつものとおり後方からの追走となると、特に見せ場もなくそのままレースを終えました。最後のレースに出れたのは完全にオマケみたいなもんですね。
 

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JRAの未勝利戦開催は3歳9月までなのでこれでフィニッシュ。
ベルンハルト、生涯戦績6戦0勝。新馬戦での2着スタートから未勝利戦を勝ちあがれなかったのは残念でした。

 
問題はここから。
未勝利のまま競走成績を終えてしまった競走馬はどうなるのか。成績を残せなかった多くの競走馬は人々の知らぬところで殺処分され、馬肉となっているという話もあります。ベルンハルトも同じ運命をたどるのか。馬は、毎日調教で鍛えられ、望みもしないレースに出走させられ、稼げなくなると殺される。つらい。馬といえど、生きていくのはつらい。
しかし思えば、我々も毎日毎日行きたくもない会社で酷使され、望みもしない労働に従事させられ、稼げなくなれば死ぬしかない。つらい。人間もつらい。生活に対する意思の関与の多寡はあれど、大枠の構造自体は馬も人も変わらない。
サラブレッド産業の問題もわかるが、また人間の労働市場の問題もわかる。生きるというのはあらゆる生き物にとって試練であり、生きていくのがつらくない動物なんてどこにも存在しないのだ…。
 

ともあれ、行く末が心配だったベルンハルトですが、結果から言うとサラブレッドオークションに出されることになりました。

サラオク、それは現役競走馬をセリに出し、所有者を変えて地方競馬等新たな道を歩ませるための仕組みです。なんでもサラリーマンでもサラオクで競走馬を買って地方競馬でオーナーをやっている人もいるのだとか。なるほど。大富豪ではなかったとしても、一口馬主ではなく、サラオクで競走馬を丸ごと買ってしまいガチ馬主となるという方法もあるのか。
 

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ベルンハルト、なんと175万円で売れる。どうでもいいですけど、サラブレッドオークションにシルクホースクラブが「ノークレームノーリターンでお願いします」と書いてるのヤフオクっぽくてシュールさがあった。
 
この先どうなるんでしょうね。地方競馬に転籍じゃないかと思いますが。ケガや病気でトレーニングがあまりできずポテンシャルを十分発揮できなかったこと、晩成型のラブリーデイの血を考慮すると伸びしろはありそうだし、ダートでもやれそうなスタミナも見せたことも考えると地方競馬で十分やれそうな気もします。ともあれ競走馬続けられそうで良かった。頑張ってほしい。
 

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ちなみに回収率は結局これくらいでした。月額1000円程度の維持費も勘案すると、回収率一桁っすね。
 

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ところでこれ一口馬主DBというサイトから引用しているんですけど、一口馬主DBに登録するとこんな通算記録とかも出してくれるのでマジでリアルダビスタ
My達成記録とかいう実績システムみたいなのもあるし、これはクセになる。
 

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ちなみに3歳のベルンハルトが登録抹消となった今、2歳の出資馬はこんな感じなんですけど、この中でコンジャンクションくんかなりいいですよ。デビュー戦は前の馬に進路を塞がれて8着でしたけど、調教のタイムや関係者のコメントを見るに高い能力を感じさせるところがあります。
 
競馬見る人ならコンジャンクションくん覚えててください。来年のクラシック戦線で名前が出てきてもおかしくないはず。
いや、クラシックどころじゃない。ダービーだ! コンジャンクションくんでダービー取れなきゃこの先ほかの馬でダービーなんてとれるチャンスは訪れねぇ!
前途洋々。自分の人生よりよっぽど期待できる。そう、自分の人生がダメでも馬には期待できる。どうだ、これが一口馬主だ。
 

ウマ娘がタウラス杯で今度は欧州競馬を教えに来ているという話

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みんな~!タウラス杯やってるか~!
タウラス杯の何が良いって馬柱と競馬新聞ですよね。ウマ娘を単なるレースゲームにしないで、ちゃんと「競馬」にするスタンス本当に愛があって好き。
 
ところでタウラス杯はこれまでのウマ娘のレースと全く違うところがあります。
それは「少人数である」ということ、それから「3人出しで1着を狙うゲームである」ということ。
 
これはウマ娘が従来モデルとしてきた日本競馬の特徴とは全く異なります。日本競馬ではビッグレースは高い確率でフルゲート(18頭)になるのが当たり前であり、9頭で行われることはほぼありません。また、JRAの競馬施行規約には「第41条 競走に勝利を得る意志がないのに馬を出走させてはならない」とあり、自陣営の他の馬を有利にするために出走することは認められていません。
 
ところがこの両方が当たり前なのが、欧州競馬なんですよね。
 

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それぞれ見ていきましょう。まず「少頭数」であるということ。出走するウマ娘はたった9人。なんだかゲートも寂しい。
タウルス杯これ本当にビッグレースか?みたいなところあるんですが、少頭数によるビッグレースが当たり前なのが欧州競馬です。少ないときだとGⅠでも平気で3頭立てのレースとかやっちゃう(日本だとレース不成立)。
 
理由としては、強力な馬が出走してきて勝ち目がないと見たら登録を自重する風土があります。
日本からディープインパクト凱旋門賞に挑戦したときも、前年の覇者ハリケーンランBCターフ勝ち馬シロッコ、そしてディープインパクトの3強と見られていたことから、出走に意欲を見せる陣営が少なく、わずか8頭立てでのレースとなっています。
 
 
動画は競馬史上世界最強馬と呼ばれるフランケルが、世界最高峰のマイルレースの一つであるサセックスSに出走したときのものです。
フランケルは、サセックスSに2度出走していますが、2回ともわずか4頭立てのレースとなりました。
1度目は、当時マイルGⅠを5連勝していた年上の最強マイラーキャンフォードクリフスとの一騎打ち状態となり、出走登録してくる馬がいなくなったため。結果は上記動画のとおりで、キャンフォードクリフスを5馬身突き放してフランケルの圧勝。そして2回目は11戦11勝で迎えた状態で、もはやフランケルにマイルで挑戦する馬がいなくなったため。マルゼンスキー状態が世界最高峰で発生したような感じですね。欧州競馬でレジェンド級の馬が出走するレースは出走頭数が少なくなりがちです。
 
凱旋門賞を2連覇した牝馬エネイブルも2020年のキングジョージに出走した際は3頭立てのレースになっており、G1=フルゲートの日本競馬に慣れていると少頭数の欧州競馬は異質。
どちらかというとタウラス杯は日本競馬というよりは欧州競馬寄りなんですよね。欧州競馬でのレース展開までオタクに教えようというのかサイゲームス
 
というのが1つ目なんですが、本題はここから。
 

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タウラス杯のルールの特徴として「3人出しで1着を狙うゲームである」ということが挙げられます。裏返せば、「誰かに1着を取らせるためにはどうすればよいか」を考えるのが戦略となります。ここでは、3人がそれぞれ1着を狙うよりも、あえて自らは勝負を度外視し、味方を有利にするサポートに徹する枠を作る作戦が考えられます。どうあがいても1着を取れるのは1人だけであり、3人とも勝ちに行く必要は全く無いです。
 
これをマジでやっているのが欧州競馬。同一オーナーのエースをサポートするために「ラビット」と呼ばれるペースメーカーが出走してきます。
ラビットは、自らの順位のことを全く考えず、先行馬に有力馬がいれば競りかけてペースを乱したり、エースが馬群に包まれないよう配慮した位置取りをとったり、全面的にエースを勝たせるためにサポートに徹します。
 
日本競馬では、競馬施行規約に「第41条 競走に勝利を得る意志がないのに馬を出走させてはならない」と定められており、例え同一のオーナーの馬であっても他馬をサポートするためだけに出走してくるのは禁止されていますが、欧州競馬ではむしろ当たり前。先ほど例に挙げたフランケルでも、本馬の実兄であるブレットトレインが殆どのレースでフランケルのためにラビットとして出走しています。
  

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さて、タウラス杯に話を戻します。
タウラス杯で求められることは、「誰かが1着を取ること」。3着が2着になっても賞金が上がることもなく、2~4着を独占してもなにもない。ただ目指すのは「チームとして1着を取ること」それだけです。必要なのは全員80点を取ることではなく、例え他の2人が60点しか取れなくても、誰かが100点を取ることなのです。
 
なので、戦略としてはデバフを撒き散らすために走るウマ娘を1人加えるのが正解です。
そのウマ娘は、0点かもしれませんが、ただひたすらエースに100点を取らせるために走ります。自らの勝利を顧みることなく。可能性を追い求めることなく。エースをサポートすることだけを役割として走ります。
 

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ラビットだこれ…。
マキバオーの世界編で出てきたアポーという馬は、欧州のラビットシステムをモデルに描かれた馬なんですが、まさかJRAベースで作られたはずのウマ娘でラビットを見ることになるとは思わんでしょ。
 
ラビットという仕組みは誰かを犠牲にすることを前提としているので、一見畜生のような振る舞いに思えてしまいます。
それを結論づける前に、フランケルのラビットを務めたブレットトレインの話をもう一度させてください。
 
ブレットトレインは、元々フランケルのラビットを務めるまでは自身も競走馬で、重賞の勝利経験すらあるエリートです。しかし、フランケルのラビットに転向した後は、ずっと勝負を度外視して走り続けてきました。しんがり負けしようが、僚馬であり、弟であるフランケルを勝たせる、そのために、それだけのために走ってきました。
 
でも、最後の最後、「史上最強馬」フランケルが引退する際に、ブレットトレインにも光が当てられます。
フランケルが引退した2012年は、2年連続の欧州年度代表馬の名誉がフランケルに与えられるとともに、特別賞が準備されました。
特別賞は「チーム・フランケル」に対して与えられたもので、調教師であるセシル師、ジョッキーのクウィーリー騎手のほか、そこにはフランケルのラビットを務めた馬、ブレットトレインの名前も記載されていました。
 
馬であるブレットトレインを表彰者の名簿に加えたこの判断は本当に素晴らしいものであり、自己犠牲のためにレースを走り続けてくれた脇役の価値を広く世間に知らしめるためのファインプレイだったと思います。
なので、デバフ撒き散らしウマ娘のことを悲しく思うかもしれないけど、そんなことないんだぞ。欧州競馬には確かにそういう役割で走る馬がおり、それは卑下されるような話では決してないのだ。

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まぁ順位はこうなっちゃうんですけどね。ありがとうデバフタキオン
でもフランケルとブレットトレインの話を知っていれば、この9着は誇らしい9着であることがきっと理解できるはずだ。

タウラス杯、「少頭数」「ラビット」と、まさかのウマ娘・欧州競馬編だったの驚きだったよな。

それでも博麗霊夢と飛んだ記憶はオタクのDNAに刻み込まれている

知識や能力は使わないと確かに錆びつくのかもしれないが、一度獲得したそれらは表出せずとも、引き出しのどこかで再び使われるときを待ち続けている。

自分の部屋の本棚を振り返ったとき、それぞれの本の内容をしっかり覚えている人はどれだけいるんですかね。私は自分の本棚見てもボケてるのかと思うレベルで全然覚えてません。だけど、それぞれの本が教えてくれた知識や考え方は、あなたの無意識のどこかに確かにしまい込まれてるのです。

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いや何でこんな話をしたかというと、東方虹龍洞、Lunaticクリアしたんですよ!えへへ。

久々の東方にしては頑張った!と言いたいところなんですが、発売初日(5月4日)時点だと、半日くらいNormalすらクリアできなかったんですよね。
かつて見えていたはずの弾幕が見えなくなってるの、何というか情報処理が追いついてない感じ。

STGわからん。何も覚えてない」
かつて出来たことができなくなってるというのは、人にとってストレス。しかし、そこからLunaticクリアまで1日で戻せたのは、かつてやり込んだ紅魔郷からの歴史のおかげなんだと思うんですね。初めてSTGを触った人が1日でLunaticをクリアすることはできません。ゲームの腕は忘れてるようで忘れてないものであり、かつて遊んだゲームの内容は意識的に覚えていなくとも、無意識はその挙動を覚えている。

考えてみれば、前に東方妖々夢を久々に遊んだときにプリズムリバー三姉妹のコンチェルトグロッソで、なぜか自機が自然と左下に移動して「コンチェルトグロッソは左下で避ける」というのが肌に染み付いてて怖ッ!ってなったことありました。
博麗霊夢とともに飛んだ記憶は、普段は出てこないかも知れないが、確かに我々のDNAのどこかに刻み込まれているわけです。

というわけで、今日は東方の昔話でもしましょうねーという回です。自分はWindows時代から入ったので、Windows版から。

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いやー、懐かしい。当時たまたま入った同人ショップ(店の名前も忘れた)がやたら推してたので買ったんですよね。
紅魔郷の白眉はチルノの『パーフェクトフリーズ』じゃないですかね。弾を凍らせるという発想の弾幕に、覚えやすくもどこか物悲しさもあるおてんば恋娘のBGMのインパクトとも相まってガンとやられて惚れた記憶があります。パーフェクトフリーズにはショックを受けた人多いんじゃなかろうか。

初心者シューターらしく当時Normalの3面もクリアできませんでしたが、あまりに面白かったので「どんな人が作ってるんだろう」とネットを検索して見つけた上海アリスのHPは「作品」「掲示板」のリンクが並んでる昔ながらのHPで、掲示板では神主が常連さんと普通にケイブSTGの話題してました。プロギアの2周がどうこう話をしてて、初心者の自分は「はえ~、面白いゲーム作る人はゲームも上手いんやね~」と圧倒されつつ、読んで勉強をしていました。

2chの同人板(だったかな?)にもスレが立っており、当時はまだ人が少なかったものの、概ね高評価の論調でした。
ただ、STG界隈において少女キャラが当たり前に出てくるゲームが少なかったこともあり、キャラに対しては評価の低いコメントをする人が多かったように思います。「式神の城」等の一部を除けば、STGの自機は機械が当たり前であって、いわゆる「硬派」が主流だった時代ですね。
STGとしては面白いのに、小さい女の子しか出てこない」という点がむしろマイナスとして捉えられており「これで作者がロリコンでさえなければな…」みたいな書き込みがされていたのを今でも覚えてます。しかし、まさかそのキャクター面が受けて後の大ヒットにつながるとは、これ書いた人は夢にも思わなかったのでは。 

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そして妖々夢
自機の中心部に当たり判定が表示されるようになったのと、ボスの位置が画面下に表示されるようになったのは本作から。また美しい背景に凝るようになったのも妖々夢からであり、今に至るまでの東方のシステムの基本形は妖々夢でほぼ完成したと言っていいと思います。
本作の稼ぎの目玉はグレイズでしたね。過去イチでグレイズに稼ぎメリットがあったので、ついついボス戦では高速移動に切り替えて稼いじゃう。カリカリカリカリという音が今でも脳内再生できる人は多いのでは。

妖々夢からは人が増えたので、スコアアタックも盛り上がりました(紅魔郷の頃からスコアボードはありましたが、妖々夢になってからは比ではないくらい盛り上がった)。そして人が増えると中には化け物も紛れ込むもの…。あるとき「とんでもないスコアを出したやつがいる」と話題になり、スコアボードトップにはダントツのスコアとともにリプレイが投稿されていました。

投稿者は「天帝」とあだ名されていたGIL氏。
リプレイを見ると、桜点を稼いで高速移動でグレイズし、素点を高めていくプレイに見える。とにかくしつこくグレイズ、グレイズ。この時点でミスなく稼ぐさまは「はえ~、うっめ~」となるのですが、それが爆発するのが幽々子戦での『リポジトリ・オブ・ヒロカワ』。自機あてに放たれる密集したの弾をすべてグレイズして大量点を稼いでおり、「そうか、全国1位はそうやって稼ぐのか」と勉強させられました(めっちゃ真似した)。

しかし、これでさえ最後に見せつけられる驚きの布石にしか過ぎないとは…。

いわゆる天帝避け。当時妖々夢やり込んでいたオタクでこのリプレイを見たことのない人はいないんじゃないでしょうか。
Lunatic幽々子戦ラストの『反魂蝶-八分咲-』はただでさえ密度濃くて下で避けてるだけで必死なんですけどね。普通は。
反魂蝶前に自機がスッと右上に行くの見て頭の中に「??」がよぎり、その後の回避で「は?」と声が出て、終いには乾いた笑いに変わる。ゲームってのは、作品そのものだけではなく、遊ぶことでさえこんな感情を揺さぶる表現ができるというのはすごい点だと思いますね。

その他にも初めてLunaticをクリアしたときに思わず出た握りこぶし。
Phantasmで10億点超えて、スコア欄の桁表示を初めてズラせたときの喜び。
東方妖々夢を語る種は世に尽きまじ…。

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この勢いで全部やってしまいそうになったのでちょっと飛ばしてWin中期から東方神霊廟
背景のオシャレさ随一の風神録や、1面から音楽の雰囲気のいい星蓮船もいいんですけど、神霊廟好きなんですよね。ただ、トランスシステムさえなければ…。

神霊廟は、敵を撃破したりボスに接近射撃することで出現する霊を集めて、3つ集めたらトランスモードに入れるシステムでした。
トランスモード中は、ショットが強力になったり獲得アイテムが強力になって(残機の欠片が2倍になる等)、さらには自機が10秒間無敵になるんですよね。

無敵っ……。ならんでいいっ!ならんでっ!
弾幕を避けるのは東方の面白さの一つなんですが、トランスするとボス敵に張り付いてショットするだけという何とも淡白なゲームになってしまうんですよね。封印して遊ぼうにも被弾したら勝手に発動してしまうし…。攻撃力UPと獲得アイテムがお得になるというリターンと、被弾のリスクが並立していたらそれはそれは最高のゲームだったのではないかと今でも思います。棒立ち密着打ち込みはちょっと…。

それでもなぜ神霊廟が好きなのかと言うと、特に3~4面の構成なんですよね。

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3面ボス宮古芳香のギミック覚えてます?
神霊廟は敵を倒して落とす霊を回収して稼ぐゲームですが、芳香は霊を吸収して体力回復するんですよね。これ最初わかんなくて何度も何度も時間切れになってたんですが、よく見てみると3面中ボスの小傘がヒントくれてたんです。これに気がついたときの「あっ」という感じ。村人がボス戦の攻略ヒントくれるとか、STGで経験すると思わなかった。BGM『リジッドパラダイス』も芳香戦の雰囲気にあっていて、時々聞こえるコーンと柄杓で石を叩いたような音が好き。

そして4面は道中に神霊廟屈指の名曲『デザイアドライブ』からのボス青娥戦の『古きユアンシェン』に繋がる流れ、無限に聴いてられる。ここで霊夢が「ルール違反」という芳香再登場で、キョンシーを盾に殴ってくる弾幕戦も戦略性があって良い。遠回りに見えてもこまめに芳香を撃破した方が、青娥が蘇生アクションという動作を取るので結果的に安全だったりしますね。
神霊廟宮古芳香絡みの3~4面は東方Projectでも屈指の出来だと思いますよ。

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最近の作品の話もしておくと、前作の東方鬼形獣に触れておきたい。
正直言うと鬼形獣自体はあまり好きな方の作品ではなくて、なぜかというとベントラーシステムが復活したので…。星蓮船であれほど不評だったベントラーを復活させた理由はよくわからないですが、相変わらずアイテムを追いかけるのが面倒くさい。なのでシステム的にはちょっとやり込むのはなーというところなんですが、鬼形獣の何が良いってラスボス埴安神袿姫戦の演出ですよ。

STGというものは基本的に前に進んでいくものなので、ここまで背景が前方から後方にスクロールし続けて進んできたところから、「ま、まずい!時間をかけすぎた、人間!」「一旦退却だ!逃げろ!!」から『偶像に世界を委ねて』のイントロが流れて、背景がこれまでと逆に後方から前方にスクロールしてラスボス戦開始という導入で盛り上がりがマッハ。そこから2スペル凌ぐと摩天楼の見えるレトロフューチャーな背景で戦い、更に凌ぐと「人間よ、よく耐えた!まもなく応援が来るぞ!」からの大量の動物霊アイテムの応援。そこから自機は常にハイパー化状態を維持し、猛烈な火力で袿姫に反撃を行うという流れ。美しい!最高!ベネ!

いや、ベントラーの悪口言ってすまんかった。まさか「動物霊たちの応援」という表現をこれを使って行うとは…。
仲間たちの応援で最後の戦いに挑むって盛り上がりの鉄板ですが、それをゲームシステムを利用して描くのだから見事というほかない。しかも「一旦退却だ!逃げろ!!」と一旦落としてからの逆転をたった7スペルで演出し切るのだから。
このストーリー感を持った戦闘演出は妖々夢幽々子戦以来の出来なんじゃなかろうか。

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そして東方虹龍洞ですよ。
妖々夢をWin東方の原型とするならば、虹龍洞はカード装備システムをトッピングしたもの。カードのツモに展開が左右されるのは、まるでSlaytheSpireのようなランダム性があって毎回違ったプレイが楽しめるのですが、虹龍洞の本質は別のところにあります。
虹龍洞は久々に出た「原型に近い東方」なんですよね。ここで言う原型ってのは東方妖々夢を指してますけど、直近の作品から遡ってみてもベントラーシステムの鬼形獣、季節システムの天空璋、完全無欠モードの紺珠伝と比べてもより複雑性の度合いが低い。STGとして変化球の要素が少なく単純に遊べるのが虹龍洞の良いところだと思いますね。

オタクたちはただひたすら東方Projectを愛し、続けてきた。これから先もそうでしょう。東方の新作が供給されるたびに、己のDNAに刻み込まれた何かを思い出すことになるでしょう。

神主へ。
いつまでも元気で東方を作り続けてくださいね(小学校の社会見学並の感想)

一口馬主のすゝめ

りくぜんです。馬主やってます。
いや、馬主って言っても一口馬主なんですけどね。だいたいJRAの個人馬主資格ってこれですよこれ!
 
・今後も継続的に得られる見込みのある所得金額が、過去2か年いずれも1,700万円以上あること
・継続的に保有する資産の額が7,500万円以上あること
 
こんな条件満たしてる時点で人生クリアじゃないですか。
一方、馬主と言えば企業のオーナーやってるような大金持ちだけしかいないイメージが持たれがちですが、一般人が寄せ集まって出資するクラブ馬主というのもあります。大富豪にならなくとも、クラブに一口出資するだけで自分の愛馬にターフを走らせられるわけですが、実際に一口馬主やってみたところ敷居は案外高くないなと思ったので簡単に解説書いておきます。
 
今の競馬界はクラブ馬主が席巻している状況になっています。
2016年以降、馬主リーディングのTOP4は、クラブ馬主である社台サラブレッドクラブ、サンデーサラブレッドクラブ、シルクホースクラブ、キャロットレーシングの4強が固定で独占し続けており、足元の2021年でもその状況に変動はありません。なお、この4社はいずれも日本最大の競走馬生産牧場の社台グループに属します。
 
日本競馬史上最多GⅠ勝利馬アーモンドアイ(所属:シルク)も、三冠馬オルフェーヴル(所属:サンデーTC)も、先般大阪杯を勝利したレイパパレ(所属:キャロット)もみんなみんなクラブ法人の所有馬。競走馬のオーナーは金持ちしかなれないものが、いつの間にか一般人が楽しむものになりました。
ウマ娘に最近の有名馬が出てこないのは、クラブ馬主がターフを席巻し続けている日本近代競馬の現状の裏返しとも言えます。クラブ馬主、権利関係ややこしいらしいんですよね。一方で権利関係のわかりやすい個人オーナーの有名馬は少なくなりつつあり、競馬という文化の移ろいを感じさせます。
要は、社台グループが作った馬に多くの人が投資して走らせるような形ができあがっているということですね(社台は売った時点で利益が確定するので収得賞金で業績が左右されないようリスクヘッジされる)。
 
で、そのクラブ馬主ってどんなものがあるのよってところなんですが、まとめるとこんな感じ。
 

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あら、競走馬のわりに案外お安い。
募集口は40~500口程度となっており、要は500口のクラブであれば3千万円の馬であっても6万円払えば出資できます。
出資価格はそのとき限りのイニシャルコストであり、あとはクラブ法人の月額会費と馬の月額維持費(500口の馬であれば千円/月程度)が必要となる費用です。
例えば500口のクラブ馬主で、3千万円の馬に1頭だけ出資しようと思えば、出資時に6万円払って月額で会費と維持費を5千円/月程度払うイメージ。
 
出資金は馬によって大きく異なります。ディープインパクト産駒の超良血であれば1億円程度はしますので、500口で割っても20万円。
一方で、実績の少ない種牡馬産駒であれば2千万円以下の馬もザラにありますので、仮に2千万円とするならば500口で割って4万円。
 
そんな感じで、ちょっと働いているような人であれば、値段的には普通に手が届く水準なんですよね。PS5買うより馬に出資する方が安いなんてこともある。特に一口馬主の特徴として「時間がかからない」というところがあるので、「カネはあるけど時間がない」となりがちな人にはドンピシャの趣味だと思います。
 
趣味には「お金と時間」の二律背反問題が付き纏うと思うんですけど、一般的に学生時代は「お金:かからない 時間:必要」な趣味に向いていて社会人になると持てる資源の関係から「お金:必要 時間:かからない」の趣味にシフトせざるを得ません。これは仕方ない。人生はそれがどのようなものであれ配られたカードで勝負するしか方法がないのだ。わりとそれを解決するのが一口馬主
 
「報酬へのアプローチ」問題ってありまして、報酬へは本来ならば自分の足で歩いていって手にするのが正しい姿。しかし、それが叶わないならば、金を払ってでも報酬の方から歩いてきてもらうしかないのだ!言ってみれば人生のスケジュール表にレースのイベントマスを埋め込むようなもので、自動的にイベントが発生するので、イベントを発生させる工数を使う必要がないんですよね。時間がないと本当にこれがありがたい。
 
自分が出資した馬がJRAのレース走ってるのをテレビで見るの、実際にやってみてわかりましたけど、応援してる馬がGⅠ走ってるのと変わらんかそれ以上の楽しみを新馬戦や未勝利戦ですら味わうことができるんですよね。仔馬の頃に出資して、成長を見守ってきた「きみの愛馬が」マジで競馬場で走っとるんですよ…。
 
仔馬と書きましたが、出資の募集があるのは一般的に1歳の6月~9月頃なので、出資してから出走するまでに1年以上あるんですよね。なので、かなり息の長い趣味になります。その間、定期的に会報やメールで愛馬の成長やトレーニングの様子、怪我・病気にかかったときの状態などが送られてくるので、一喜一憂しながら1年を待つことになります。ちなみに私の場合、後述のとおり色々あって出資してから初出走まで1年半くらいかかりましたが…。
 

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で、一口馬主は「出資」ですので、愛馬がレースに出て賞金を稼いでくれれば、馬主の懐に入ってきます(消費税取られるんだ…という驚き)。

馬主は賞金額の80%を得ることができますが、クラブ馬主の場合は運営手数料も多少取られますので、一口馬主への分配対象は賞金額の70%弱ですね。
例えば500口の馬が生涯収得賞金が1億円だったとすると、7千万円を500口で割って、1口出資の場合は総額14万円回収と、そういうイメージです。実際には1億円獲得する馬に巡り会える確率は低いので、基本的には儲からないと思ったほうがいいです。
 
ただ、一口馬主の場合、愛馬がレースに出ること自体が楽しいので、出資金も月額維持費も掛け捨てくらいのイメージで持っているので、レースに2着で入って数千円稼いできてくれるだけでマジでメチャメチャ嬉しくなるからヤバいですよ。「よく頑張った!」って感情が心の底から出てくる。人はおそらく淡々と人生を生きていくことは不可能であり、生活の中で多少こういった彩りを得るために、そういった投資を行っていくことも必要なのだと思いますね。
 

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一方で、実際に儲かる話もあるにはあるわけで、参考までに夢のある話をしますと、サンデーTCのジェンティルドンナは、牝馬三冠や2012年と2013年のジャパンカップを連覇した名馬ですが、総獲得賞金が17億2602万円となっていて、5077%もの投資回収率を計上しています(出典:一口馬主DB)。
ジェンティルドンナは募集口数が40口だったので、1口あたり4315万円の配当となっています。まかり間違ってジェンティルドンナに出資してたら、それだけで家が1軒建ってしまうんですよね。ファストタテヤマの馬券を買って家をタテヤマ!とか言ってる場合じゃなかったでほんま。
 
 
ここから自分の出資体験記なんですが、初めて一口馬主で出資したのは2019年の夏で、選んだのはシルクホースクラブでした。
理由としては、500口ということで1口価格は割安ながら、勝ち上がり率が高く安定した馬主成績を残してたからです。
 

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6頭応募して当選したのが1頭。ちなみに、特にシルクやキャロットあたりの一口馬主は人気が高く、出資もかなり競争が激しくて、抽選に勝ち抜かねば金を出す権利すら与えられません。
 
ラブリーデイの初年度産駒ということで実績未知数なんですが、馬券買った後と同じで、何もかもがよく見えて仕方がない。偶然選んだ(当選した)この馬は、歴史に残る名馬なのではないか。1分の1で大当たりを引いたのではないか。2年後の2021年の日本ダービーはこの馬が取るのではないかホンマ申し訳ないでぇなど勝利の確信が頭をよぎる…! 
 

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2019年9月のメール。鞍!鞍がついた!一口馬主、こういったメールを定期的に送ってくれるのがいいんですよね。1年後のデビューに向けて大きく育ってほしい。そして2年後の日本ダービーをとってほしい。

2020年1月。公募の結果、名前は「ベルンハルト」と名付けられました。そういや応募するの忘れてた。一口馬主のいいところとして、馬名が公募ってのがあって、アーモンドアイとかオルフェーヴルとか、命名した人は気分良かったんだろうなと思います。その後も順調にトレーニングを続けていって、年が明けて坂路調教も入ってきた。ハロン15秒とタイムもそこそこで順調順調。
 
3月。世間は新型コロナウイルスで大騒ぎとなっており、株価は暴落。そんな中でも順調に調教が進められています。これはデビュー早そうな気がする。日本ダービーの前に朝日杯獲ってしまうか??
 

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暗雲漂うのは5月から。左脚をぶつけたらしいけど、「患部を縫合」とあり、もしかして結構重い…?
早く直してトレーニング再開できるといいけどな、程度の感覚でこのときは思っていました。
 
6月には右脚を故障。同期はパラパラとデビューが始まっており、シルクの会報でも初勝利!なんて馬が出てきた。
この時期にトレーニングできないのは後々の成長を考えてもつらい。というか怪我だらけなんだけど無事デビューできるんですかね?
 

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7月にはノドの病気まで発覚。呪われ過ぎやないですか。

その後、ノドは2回手術し、何とかトレーニングできる状態まで戻るも、ダービーどころか走る走らないレベルの問題になってきた…。
競走馬って結構ノドに病気を持ちやすい傾向があって、呼吸器の問題だけあってノドは競争能力に強く影響し、ノド関係の病気を発症した馬で大成する馬はほとんどいないんですよね…。
 
それから術後のトレーニングを何とかこなし、半年後の2021年1月24日。
ようやく小倉競馬場での新馬戦に出走することになりました。出資してから、かれこれ1年半経っていました。2回のノド手術から半年、ここまで辿り着いただけで感無量ですよ。多くは望まない。無事に一周回って戻ってきてほしい。そして贅沢は言わないから1着の賞金咥えて帰ってきてほしい。
 

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結果2着!
スタートは悪かったですが、道中で後方からまくるような形で上がっていき、直線で外から伸びるも僅かに届かずというレースぶりで、騎乗した団野騎手はよく乗ってくれたと思います。正直、調教のタイムがクソみたいに悪い馬なのでボロ負けも覚悟してたんですよね。
ところで前売の時点ではベルンハルトは1番人気だったんですけど、こうやって馬主サイドからの情報を持ってると「これで1番人気は飛ぶでしょ」ってわかるのは勉強になりました。
 
ちなみに次に出走した未勝利戦では4着だったんですが、その後また脚を悪くしちゃって4月現在放牧中です。
3歳未勝利は8月で打ち切りなので、勝ち上がってJRAに残るにはあと4ヶ月しかないというヤバい状態なのですが、近況メール見てると体重がブクブク増加してお過ごしになられているようなのがめっちゃ心配。お前あと4ヶ月しかないんやぞ…。
 
次の未勝利戦がまさに勝負の一線になると思うのですが、こんな感じなのを知り合いに話したら「貧しい時代のダビスタみたいだな」と言われ、まさにそのとおりだなと思いました。
信長の野望ダビスタも貧しい時代が一番面白いんですけど、一口馬主はまさに貧乏時代のダビスタがリアルで遊べる感じです。
 
日本で年間に生産される競走馬は年間7000頭以上と言われます。
一方、年間に開催されるGⅠの数はたった24。GⅠをすべて違う馬が勝つという前提で考えても、GⅠを勝てる確率は単純計算で0.3%しかない狭き門。そもそも未勝利戦で1勝を挙げられる確率ですら約3割強という厳しい世界なんですよね。
 
一口馬主をやるとGⅠに出走できるレベルの馬ですら超スーパースターに見えてきますし、ましてやクラシックを勝つような馬とか天上馬。だいたい18頭とか出てくるレースを連戦して殆ど負けないって、考えてみれば異常ですよ。
競馬界というのは本当に裾野が広いんだなという、天を見上げたモブの気持ちを肌感覚で味わわせてくれます。
 
 
ところで、最初の方で権利関係のややこしいクラブ馬はウマ娘に出てない的な話をしたの覚えてます?
実は例外として一頭だけ、一口出資ができた馬でウマ娘に出てる馬がいるんですよね。このウマです。
   

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タイキシャトル。生涯戦績13戦11勝。
一口馬主の話をしてきたレベルからするともはや神々の領域みたいな戦績ですね。
さっき掲載したクラブ馬主まとめの大樹レーシングクラブに所属します。 
 

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タイキシャトルは、負けた2戦も3着以内には入っており、いずれも1400M以下の短いレースで、マイル戦(1600M)に関して言えば、海外GⅠ含めて7戦7勝と生涯一度も負けることはありませんでした。今現在でも「日本競馬史上最強マイラー」と言えばタイキシャトルを挙げる人は多いです(netkeiba.com主催の「競馬ファンが選ぶ平成最強マイラーランキング」1位)。
 
デビューこそ3歳4月(年齢表記は現在基準)と遅かったものの、1つの2着を挟んで、3歳冬にはマイルCSスプリンターズSを勝つなど、一瞬で日本短距離界のトップに躍り出ました。あまりに規格外の能力に陣営は海外挑戦を判断。翌年の安田記念でも香港馬オリエンタルエクスプレスをぶっちぎって1着を取った際には、三宅アナに「もう日本に敵はなし!」と叫ばれ、日本競馬初の欧州GⅠ勝利を期待されていました。
 
そして迎えたフランス遠征。フランスのマイルGⅠの最高峰ジャックルマロワ賞に挑戦することとなりますが、その前週に同じくフランスのGⅠモーリスドギース賞に挑戦して日本馬初の欧州GⅠ勝利を手にしたシーキングザパールの森調教師が「来週のタイキシャトルはもっと強いですよ」と発言したことで、「日本からヤベー馬が来るらしい」と評判になり、なんとタイキシャトル単勝は1.3倍。海外レース初出走の馬の評価ではないレベルになってしまいます。
 
しかしやはりタイキシャトルは強かった。ジャックルマロワ賞は直線だけのレースなのですが、道中前目につけると後半先頭に立ちそのまま押し切ってゴール。フランスでも前評判どおりの強さを見せ帰国したタイキシャトルは、続くマイルCSでも2着馬を5馬身ぶっちぎっての1着。
引退レースとなったスプリンターズSでは体重増が影響し3着に敗れて生涯唯一連対を外すも、海外GⅠ制覇含めた圧巻の成績で短距離馬としては国内初の年度代表馬に選ばれます。
 
今でもそうですが、競馬界では2400mを中心としたクラシックディスタンスを勝てる馬が最も評価が高く、短距離馬が年度代表馬に選ばれるというのはほぼないんですよね。言ってみれば、前例を覆すほどタイキシャトルが抜きん出た成績を残したという裏返しでもあります。
ちなみに同年のフランスの代表馬顕彰での最優秀古馬にもタイキシャトルは選ばれています。海外で顕彰馬ってえらいことですよ。
 
なお、一口馬主に話を戻すとタイキシャトルの募集価格は5千万円でした。獲得賞金が6億1549万円なので、回収率は1231%ということになります。これまた馬主孝行な馬ですね。
それでも馬主としては、出資したお金が10倍にもなって返ってきたことよりも、ジャックルマロワ賞という権威ある海外GⅠを勝利し、日本の短距離馬として史上初の年度代表馬になった馬に関与し、レースの結果に一喜一憂できた思い出のほうが遥かに価値を感じたのではないですかね。
 
思い入れの数が多いほど、人生は楽しくなる。
「きみの愛馬が」JRAのターフを走る一口馬主、思ったより面白かったのでお伝えしておきます。まだ1勝もしてないんですが…。
 

「競馬ゲー」としてのウマ娘の良さについて語りたい

ウ、ウマ娘やりすぎて人とウマの区別がつかなくなってきた…
こんにちは。育成がB+で頭打ちになってきたので、今日は「競馬ゲー」として見たウマ娘の話をしたいと思います。
 
育成のことばかり言われますけど、ウマ娘は競馬ゲーという切り口で見ても良くできています。プロスピなんかの野球ゲームがリアルに近いことをウリにするように、競馬ゲーも長らくリアルに近づけることを追求してきましたが、ウマ娘は美少女から走るから関係ない? いやいや、そんなことない。
 
レース演出を見ても競馬ゲーとしてリアルを十分に追求した中で、ゲームとしての演出との兼ね合いがちょうどいい塩梅でできており、競馬ゲーオタクとしても大満足です。野球ゲーを例に言うなら、ウイポプロスピならば、ウマ娘パワプロと表現すると近いかも。育成がパワプロのサクセスに似ているということでなく、「ガワはポップに差し替えているけど、見た目に騙されるなかれ。中身はちゃんとしてるよ」という点でソックリ。
 

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ウマ娘のレース画面で間違いなく意識されているのは、テレビ中継の競馬画面。
府中競馬場の大欅の見せ方とか、中山をはじめとした右回りのコースの第4コーナーで外側をまくって上がっていく馬の見せ方とか、競馬を見てきた人間が数限りなく見てきたであろう、これぞ「競馬中継」というカット。
 
サイレンススズカの脚が止まった大欅の向こう側、ディープインパクト有馬記念で上がってきた第4コーナー、ウマ娘の画面からでも全部重ねて見ることができるようになっている。美少女を見せに来ているだけではなく、プレイヤーに「競馬」を見せに来ているのが伝わってきます。京都競馬場のコーナーの坂もいいぞ。
あと地味に言及しておきたいのが季節。春の阪神競馬場とかキッチリ桜が咲いてて綺麗。天気や季節は基本かもしれないけど大事。
 
それにスピード感。ダビスタウイポなんかの競馬ゲームと遜色ないスピードで、むしろ人が走っているだけにそれらより速くすら見える。人の競争ではなく、ウマの競争を描きたいのだというのがひしひしと伝わってくる。
スピード感からすると、「まず競馬ゲーを作った後に、美少女のガワをかぶせた」ような感覚があります。
 
これに加えて、府中の直線をゴールから見て坂を感じさせたり、カットインを入れたりとゲームならではの演出ができるのが強い。特にカットインは、リアル路線の別ゲームではなし得ない(むしろ不自然になる)表現なので、パワプロ路線のウマ娘だからこそ取れる固有の強みですね。
 

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「中団で溜める競馬を覚えさせようとした」とか「覚醒前は不振に陥っていた」とかの史実サイレンススズカのエピソードをシナリオに織り込んでいたり、「宝塚の主役はメジロライアンです!」とかの史実実況を織り込んでくるウマ娘
 
ローディング中の豆知識も小ネタだらけで、例えば「エアシャカールは右クリックのときだけ体が右に傾くクセがある」も、エアシャカールは右への斜行癖があって日本ダービーでもアグネスフライトの方にヨレて武豊が河内に謝罪したエピソードがあったりと、どれだけ競馬見てるんだってレベルで史実ネタが無限に出てくる。
 
それで、この間メジロマックイーン引いて初めて知ったんですけど「メジロでもマックイーンの方だ!」という実況がレース後じゃなくてレース中に流れてくるんですね。これ他にもあるんですかね。
将来的にでもいいので、宝塚記念スペシャルウィークグラスワンダーが抜け出したら「もう言葉はいらないのか!」と言われるとか、トップガンで追い込みしたら「おぉ!外から何か一頭突っ込んでくる!トップガン来たー!」と言われるとかレース中の演出で実装してくれたら熱すぎて泣いちゃう。
 
それで、元ネタ繋がりでいうとウマの走法まで再現されてる事に気が付きました。
 

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レース画面をよく見ると、ゴールドシップの歩幅は他のウマ娘と比べると大きくなっています。これは史実に基づくものです。
 
馬も生き物ですから走り方や歩幅には個性があって、歩幅の広い走り方のことを「ストライド走法」、歩幅の狭い走り方のことを「ピッチ走法」といいます。
 
ゴールドシップは典型的なストライド走法の馬で、歩幅が広いがゆえにゲート直後の加速が悪いという欠点がありました。一方で、ストライド走法のメリットとして歩数が少ないので長く脚が使えるという点があり、ゴールドシップのレース中盤からの大まくりはこのストライド走法のメリットを活かしたものと、祖父メジロマックイーン譲りのスタミナによるものと言われています。
 
演出としての走りは同じでステータスで差をつけるだけで終わることもできたんだろうけど、こんな走法レベルの違いまでちゃんとゲームに織り込んでくるのはすごい。ゴールドシップの走り方みたとき「んっ?」とは思ったけど、よく見たらやっぱりストライド走法だった。
他のストライド走法の馬としてはマンハッタンカフェもそうなんですが、ウマ娘でもマンハッタンカフェの歩幅は大きくなっているので、ストライド走法設定になってるんじゃないかと思います。
 
反対に、脚の回転数が速く歩幅が狭いピッチ走法の代表的な馬としてはグラスワンダーが挙げられます。ピッチ走法は速いので少し分かりづらいですが、ウマ娘グラスワンダーも脚の回転が速くてピッチ走法が再現されているように見えます。
ピッチ走法は回転数が速いことから、加速の速さとコーナリングの良さが強み。グラスワンダースペシャルウィーク宝塚記念有馬記念の二度対戦していますが、両方とも直線が短く、カーブへの対応が重要なコースなのでピッチ走法のグラスワンダーに有利に働いたとも言われています。
 
美少女が走るゲームなんだからここまで作らなくとも誰も文句言わないだろうに、ウマ娘作った人たちほんと競馬好き過ぎる…!
 
 

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あとコースの表現についても話しておきたいです。
競馬場のコースは多くの場合スタート直後に直線があり、ある程度位置取りができる作りになってるのですが、東京2000Mはスタート直後からカーブが始まり、外枠の馬が超絶不利な構造になっている鬼畜コース。2003年に行われた府中競馬場改修工事前の時代はもっとひどく、外枠の13番を引いたメジロマックイーンが無理に内側に切り込み、内側の馬の進路を邪魔したことでブッチギリの1着入選だったはずが審議で18着への降格を食らったエピソードはこのコース構造によるものです(若かりし頃の武豊がやらかした)。
  

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東京2000Mの天皇賞・秋はそんな特殊なコースなんですが、ウマ娘はその外枠不利を後ろからカメラに写すことでちゃんと表現してる。すごい。一般的な競馬ゲームだと横からの映像なので、有利不利があるのかどうかもよくわからんし、東京2000Mのコースの特殊性も伝わってこないんですよね。
このカメラからは、プレイヤーに対してそういう競馬場の性質を伝えたいという意図がある。これを競馬愛と言わずして何と言いますか!
 
一方で、競馬は内枠だから必ずしも有利かというとそうでもなく、差し・追い込み馬は外枠の方が良いこともあったりします。多頭数のレースともなると、道中、内側で包まれてしまい、直線でバラけるまで動きが取れないなんてことになりかねません。なので、力の抜けた有力馬であれば、仕掛けどころで外からまくっていけるような位置にいれるほうが案外良かったりするものです(それでも東京2000Mはいきなり大回りで距離損させられるので外枠は問答無用で辛い)
 
枠というものはまさに運の賜物なんですが、「運もまた競馬」というところをゲーム性に織り込んできてるの"わかってる"感あるぞ……! そうなんだ、そこも含めて競馬なんだ…!
 

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それぞれのウマ娘は出走実績等に応じて「称号」を得ることができますが、ここの条件置きにもこだわりがありますよね。
 
サイレンススズカのように「重賞6連勝かつその中に宝塚記念を含み、宝塚記念ではスタート200M以降からゴールまで1度も先頭を譲らない」みたいな史実準拠(厳密に言うと史実のスズカは重賞含む6連勝であって、重賞6連勝ではないが)なものもあれば、キングヘイローのように「スペシャルウィークセイウンスカイグラスワンダーエルコンドルパサーにそれぞれ3回以上勝利」という史上最強と言われた「98世代」を意識したものもあったりする。
 
史実を前提とした称号を獲得するシステムは、競馬ゲームでは自分が知ってる限りウイポで導入されたものだと思いますが、それに留まることなく、キングヘイローのように史実とシナリオをいい感じにミックスさせた解釈の称号はエモさある。
エグい同世代に恵まれてしまったキングヘイローが手にしたかも知れないもう一つの未来。中長距離路線突っ走って叶えてあげましょうよ。
 

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ゲームシステムと関係ない部分でウイニングライブあるじゃないですか。あれ自分最初は要らない派だったんですよね。
「こっちは競馬ゲーやっとるのになんでボーっとライブ映像みなあかんねん」と思ってたときが私にもありました。
 
メチャメチャいいなこれ!
3Dビジュアルのレベル高すぎて人類の表現能力もここまで来たかって感嘆もあるんですけど、それとは別に歌うウマ娘の声が変わったりするじゃないですか。
驚いたこだわりとして「史実でそのレースを勝ったウマ娘だけボイスが変わる」ってのがあるんですよね。
 
例えば「Winning the soul」は牡馬クラシックを勝ったときのウイニングライブですが、皐月賞を勝ったアグネスタキオンとか、ダービー勝ったトウカイテイオーで再生すると、ちゃんとそのキャラが歌ったライブに変わる。さすがに牡馬クラシック勝ったウマ娘全員にボイス変更があるってわけじゃなくて、ウオッカとかは変わらないんですけど、少なくとも有資格者制度にはなってる。菊花賞しか勝ってないマチカネフクキタルはしっかり「Winning the soul」のボイス変更対象者になっており、ここしかないというところにちゃんと入れている。この辺のセレクトに手を抜かないの良すぎますよ。
ちなみにナイスネイチャが「本能スピード」のボイスチェンジ対象になっているのは、ナイスネイチャ自身はGⅠ勝ったことないけど、当時GⅡだった高松宮杯(2000M)を勝っており、それが現在高松宮記念(1200M)としてGⅠに衣替えされたことに由来するのだと思います。
 
あとURAファイナルクリア後のうまぴょい伝説は絶対に再生してる。「終わった~」という感があり、メチャメチャ良い。
あの曲エンディング感というか大団円感ありますよね。
 

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「競争が終わったらなぜかライブを始める」という若干意味不明な点についても、史実でも同じことをしていてちゃんと元ネタもあり安心。
 
 

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いいことばかり書いてますが、敢えて悪いことも書くならば(賢さを上げれば改善するにしても)ちょっと直線が詰まりすぎる。
 
直線で他馬の後ろに張り付いたまま馬群に沈むいわゆる「ケツアタック」は競馬ゲーの宿命みたいなもの。ウイポでもダビスタでも歴史上この問題は常にあって、先般久々に発売したダビスタSwitchでも、発売直後はあまりに直線が詰まるので差し・追い込み脚質がほぼ死んでて、差し脚質のアーモンドアイがいつもケツアタックして馬群に沈んでいる駄馬になるという悲しい事件もありました。
 
ちなみにダビスタSwitchはケツアタック問題をどう解消したかというと、アップデートにより、直線に入ったとき広く外にコース取りするようになったので、後ろの馬がちゃんと間を割れるようになり、全てではありませんが緩和されました。
ウマ娘でも本来後ろからの馬が届きやすい長い府中の直線で、馬がバラけなくて後ろの馬がケツアタックして沈むみたいな光景はよく見ます。賢さ上げれば改善しますが、それでも詰まるときは詰まる。もう少し直線で馬群が横に広がれば「差し追い込みは詰まるから脚質はとりあえず逃げ」みたいなのはなくなるような気もします。その辺もまだリリースされたばかりなので、ウマ娘スタッフの競馬愛を鑑みれば、今後絶対良くなりそうな期待があります
 
ウマ娘、育成ゲーとして面白いのは、適度にランダム性を折り込みつつプレイヤーに「失敗」させてくれる点と、マスクデータが多いので試行錯誤が機能する点だと思うのですが、それだけではなく「競馬ゲー」として見ても競馬に対する愛に溢れている。コーエージーワンジョッキーの新作を出してくれないし、競馬ゲーのリリース自体が少なくなる中、これだけ競馬愛に満ちたゲームを出してくれたのは感謝しかない。
 
 
ついでなので今後の話をすると、シナリオの実装を期待したいウマ娘タマモクロスですね。ウマ娘の何がいいってこれから実装できるキャラが山ほど残ってる点ですよ。まだ脚を残している。
 
タマモクロスは「白い稲妻」と呼ばれた芦毛馬で、エピソードが波乱万丈すぎるのでぜひ紹介させてほしいです。
  

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タマモクロス1984年に誕生。父親は種付け料わずか10万円のシービークロス

生産した錦野牧場は経営難の貧乏牧場で、生産者である錦野氏は幼駒のときからタマモクロスの才能を見込むも、資金難のため泣く泣く売却。しかし、牝馬のように体が小さく華奢であったタマモクロスにはわずか500万円の値段しかつかなかった。白い仔馬タマモクロスの才能を信じていたのは錦野氏ただ一人だった。
それでも、売却したとはいえ勝ってさえくれれば生産者賞の賞金が入ってくる。そう信じて錦野氏はタマモクロスの母であるグリーンシャトーも売却。自分と牧場の命運をタマモクロスに賭けた。
 
タマモクロスは、体質が虚弱で1987年3月にデビューするも、新馬戦は1着から11馬身離された7着の大差負け。その後「ダートのほうがいいかもしれない」という判断からダートを中心に使われるも、デビュー後8戦で未勝利戦を1勝したのみの、「底辺に近い条件馬」の一頭でしかなかった。途中で落馬事故に巻き込まれて競走中止になる不運にも見舞われている。
 
錦野牧場はタマモクロスを手放した後も経営状態は改善せず、頼みのタマモクロスも活躍しなかったことで、万策尽きて倒産。タマモクロスを産んだ母のグリーンシャトーも、転売を繰り返される中で、牧場の倒産と同じ1987年に死亡した。
 
しかし、牧場の倒産と母の死を馬が知るはずはないだろうが、ここからタマモクロスはまるで別の馬のように変貌する。
運命が変わったのは9戦目の「400万以下」の条件戦。ダートで結果が出なかったため、半ば諦め気味に再び登録された芝のレースだったが、突如ここで2着を7馬身千切る快勝。その次走では更に差を広げて8馬身差の圧勝。
 
そこから1987年12月の鳴尾記念を皮切りに重賞に挑戦して3連勝。更に1988年は「天皇賞・春」で初のGⅠ勝利。続く「宝塚記念」で当時最強の中距離馬ニッポーテイオーを下してGⅠ2連勝。
 
そしてタマモクロスのハイライトたる天皇賞・秋がやってくる。
1つ年下の世代に怪物と言われる馬が現れたのだ。その名はオグリキャップ笠松から中央に移籍して以降6戦6勝と無敗街道を歩んでおり、観客はタマモクロスではなく未だ底知れないオグリキャップの方を一番人気に選んだ。
芦毛対決」と呼ばれたこのレースでは、タマモクロスがいつもの後方待機ではなく、先行策を選択。オグリキャップが中団からタマモクロスを見ながら進める形となった。そして府中の長い直線に入るが、タマモクロスは追い出さない。追い出さずに手なりで先頭に立ち、オグリを待っている。そしてオグリキャップが爆発的な末脚で迫ってきたところでタマモクロスの騎手南井はスパートを開始。1馬身の差はゴールまで永遠に詰まらず、オグリキャップは中央に来て初めて戦績に土がつくことになった。これでタマモクロスの連勝は8まで伸びた。
 
続くジャパンカップでは覚醒後初めて敗れるも、米国のペイザバトラーの2着。オグリキャップはこのレースでも3着に終わり、タマモクロスに連敗している。
 
だが、タマモクロスの引退は早く、次走の1988年有馬記念が最後のレースとなった。小柄で体質の弱いタマモクロスの体は、わずか2年の競争生活でボロボロになっていた。関係者の努力で何とか出走にこぎつけたが、3度目の芦毛対決となったオグリキャップとの叩きあいに敗れ、2着に終わった。
オグリキャップです!3度目の対決にして、初めてタマモクロスを下しました!」
今度は、天皇賞・秋とは逆にタマモクロスの方が後ろから並びかけたが、並んでからオグリキャップは粘りを見せ、どこまで走ってもその差は詰まりそうになかった。
 
1年前にはそのへんの条件馬に過ぎなかった一頭の馬が、時代のトップどころかシンボリルドルフですら成し遂げられなかった天皇賞・春秋連覇を達成。一気に歴史的名馬への仲間入りを果たしたその姿は、今現在でも日本競馬史上屈指のサクセスストーリーとして語り継がれている。
 
なお、前述のとおりタマモクロスを生産した錦野牧場はタマモクロスの活躍を見ることなく倒産したため、タマモクロスが勝利したときの表彰台の「生産者」の台は常に誰も立っていなかった。しかし、錦野氏本人は錦野牧場倒産後もタマモクロスを見るために競馬場に足を運び、タマモクロスが勝つ姿を大観衆に混ざってスタンドから見守っていたという。いかな心境だったであろうか。
 
ターフの主役を張ったのはわずか1年であったが、「白い稲妻」タマモクロスには熱狂的なファンが多く、競馬好きの漫画家つの丸が描いた『みどりのマキバオー』の主役マキバオータマモクロスがモデルとなっていることが知られている。
  

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タマモクロス、待ってるで!!