当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

ゲームの感想 2020

f:id:rikzen:20200430202620j:plain

今年もゲームの話をする時間だ!
長文感想書いたやつは、ゲームタイトルにリンク貼ってます。
 
極端な話、魏呉蜀が平等になるようなゲームバランスならば求めているシミュレーションになるのかというとそうではなくて、ファンが三國志ゲーに求めているのはそこに「三國志」の世界があること。そういう意味では本作は呂布が個性のおかげで強いのにクソ使いづらかったり、やたら固い剣閣を無視して山越えで直接成都に到達できるルート(ただし攻略に失敗すると引き返せない)があったりと、確かに三國志が感じられた。三國志14は確かに最高の戦略ゲームではないが、最高の三國志ゲームではあると思う。
 
仁王2(PS4)
びっくりするくらい仁王1そのままだったんだけど、仁王はわりとシステムが完成されたところがあるので下手にいじると崩れてしまうのかも。好みはあれど主人公が前作のウイリアムからカスタムキャラになったのは残念な点。一言も喋らないので印象に残らない。DLC平安時代もやり尽くしたことだし、仁王3は主人公を外人に原点回帰した上で未来しかない。戦国時代の未来の外人……となるとペリーか!開国を要求しながらペリーが幕末志士を殴り倒す仁王、絶対やりたいでしょ。
 
リメイクと言うより新解釈FF7。基本的には万人向けなんだが、その本質は「23年前にデジキューブで予約して当時バンバンやってたテレビCM見て発売日を楽しみに待っていたお前たち」に送るゲームだと思う。神羅ビルを登っているとき、JENOVAの音楽を聞いているとき、エアバスターと戦っているとき、当時の自分の人生を思い出さずにはいられない。ああ、あの頃は楽しかった。セフィロスが剣を振りながら放つ「懐かしくないか?」という言葉はクラウドだけじゃなく、画面の前のプレイヤーにも向けられている。
 
Cat Quest II(PS4) 
お手軽に遊べる2人用見下ろし型のアクションRPG。剣を振って敵を殴って魔法でボコってと、とてもシンプルなゲームシステムで脳に優しい点は地球防衛軍と方向性が似ているところがあるかもしれない。敵、出てくる、殴る、倒す、装備強くする、もっと強い敵出てくる、殴る、倒す。SEKIROのようなガッツリ気合を入れて遊ぶゲームも良いが、たまにはこういう定食のお漬物のようなゲームがあってもいい。昔と比べて画面の前で複数人で気楽に遊べるゲーム減ったのである意味貴重。
 
Call of Duty: WWII(PS4)
わりとマジにCoD2のリメイクだと思ってやったら全然そんなことなかったぜ。いや、第二次世界大戦ってのは合ってたんだけどね。FPS下手なのでライフ回復がアイテム使用になってたのがしんどかった。欧米の軍隊の強さの秘密はちょっと物陰で休んだらどんな怪我でも治ってしまうあの無限回復じゃなかったのか!そりゃ日本軍も勝てませんわと勝手に納得していたのに…。ラストのナチスの捕虜収容所はよく描いたなって感じ。被爆下の広島を描くゲームもいつか現れるのだろうか。
 
グノーシア(Switch)
良いゲームの条件の一つに「スタート画面で余韻が感じられる」ことがある。クリア後にスタート画面に戻る動線は、本や映画にはないゲームの特徴であり、良いゲームはそこで余韻があるんだよな。ゲームってのはプレイだけじゃなくて、最終的にはゲームをやめるところまでが含まれる。余韻とは、ゲームが素晴らしいほど発生する、それを終えるときの気圧差のことだと思う。クリアしてスタート画面戻ったところでBGM聞きながら「いいゲーム遊んだなー」と打ち震えることができた。
 
パワプロ 2020(PS4) 
前作からのマイナーアップデート感もあるけど、それだけに現行のパワプロにおいて最も完成度の高い作品。ペナント、マイライフ、サクセス、パワフェス、栄冠ナイン等、色んなモードを全体的にちょっとずつ良くするとそうなるよね、という安定感ある帰結。未だパワプロ2016から引かれた延長線を歩き続けており、進化の袋小路に入ってしまった印象も受ける。こういうシリーズ物は冒険をしない方がいいのか、あるいは驚きを与えるべきなのか、次回作に答えはあるだろうか。
 
Dungeon Warfare(Steam)
マジで時間がなさすぎる時期だったのにゲーム遊ばないと死ぬ症候群が出てきたので、細切れで遊べるタワーディフェンス買って心を消化しようとしたら想定外の時間泥棒を食らってヤバかった。「ステージクリアして新しいトラップをアンロック! 次のステージで活用してみよう!」みたいな仕組みを途中で自ら中断できる奴いたら鋼の自制心すぎる。新しい武器を手に入れたらすぐ試してぇだろうが!「ステージクリア型だからキリよくやめれて安心だね!」そんな安心はなかった。
 
The Last of Us Part II(PS4) 
エリーがギター弾いて気持ちぶつけたりとか同級生と言い争ったりとかするじゃないですか、自分がアメリカ人だったらアメリカンティーン・エイジャー的な振る舞いに何らかの感傷を覚えたりするのかもしれないけど、さっっぱりわからん。何の感傷もない。何というか文化的なコンテクストの差がある気がする。例えアメリカ人がいくらペルソナ好きでもペルソナの放課後感を心から理解するのは難しいだろうし、生まれる場所や文化によって理解できるものと理解できないものが生まれることは縛りみたいなもんだ。
 
Ghost of Tsushima(PS4)
クロサワ時代劇的な"カッコよさ"の演出に全振りしたゲーム。確かにカッコよかった。境井仁も顔だけ見りゃただのオッサンでイケメンではないんだけど、とにかく所作がカッコいい。待てよ、さっき文化的コンテクストの話したけど、これ作ったの外国人だろ? 完璧です、完璧に理解されています。これは実際の日本にはどこにも存在しないけれど、確かに「日本的」とされた美学そのものです。だとすると何だ。結局は知らない文化の理解は"共感"できるかどうか次第なのかな。
 
リングフィットアドベンチャー(Switch)
両方やってみた感想としては、脂肪を燃やすならばフィットボクシング、全身の筋肉をつける目的ならばリングフィットが上という感じ。言い換えれば表見上の体重減らすならフィットボクシングだ。リングフィットは筋肉がつくので短期的には体重が減らねぇ。本当に筋肉がついているのかもわからねぇ。基礎代謝が上がっているのかもわからねぇ。健康になっているのかもわからねぇ。何もかもがわからねぇ。ただそれでも何かを信じて運動を続けていく。そういうゲームだ。
 
お船のゲーム。死の瞬間を描いた断片的なカットを見て「その人の名前は何か。死因は何か」を推理していくという見たこともない異色の作品なんだけど、『Papers,Please』と同じ作者さんだったのね。これだけリメイクで発売されるゲームが多くなってくるとゲームのパターンは生まれ尽くしたように思えてきても、まだまだ題材や観点は存在することを教えてくれる。人はこのまま世の中の全てをゲーム化するように掘り尽くしていくならば、人類の計算資源は足りるのか。
 
ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団(PS4)
アイテムの探索要素、日本一お得意のインフレしたダメージと、考えてみれば、画面をRPGに置き換えたディスガイアではある。が、その本質は魔女シリーズの泉達也によるシナリオ。エログロをNGとしない容赦ないストーリーはルフランの路線を継続し、今作でも健在。というか個人的にはゼロ年代のエロゲっぽさがあると思った。なぜかあの一時代のエロゲで花開いた尖った雰囲気を魔女シリーズは持っている。ただ令和のスペクトラルタワーなダンジョンだけは残念だった。
 
Crimzon Clover(Switch)
同人やフリゲのSTGでガッツリやり込んだのは、東方Project、StellaVanityそれからCrimzonCloverなんだけど、まさか任天堂のゲーム機で遊ぶ日が来ると思わなかったなぁ。いい時代になったけど惜しむらくはSwitchでSTG向けのパッドを持ってなかった。PCでのSTG向けパッドといえばスピタル産業のCT-V9が珠玉の逸品で何台も使い潰したけど、パッドの名機って最近聞かんね。STGは操作性の重要度が高いので、それだけにコントローラーの進化と共に生きてきたジャンルだと思う。
 
今年は桃鉄の久々の新作が出た年であり、ダビスタの新作が久々に出た年でもある。よく比較されるウイポとの話で言えば、能力や配合の爆発力がハッキリ見えるウイポと比べてダビスタはマスクデータが多いよね。同配合でも全然産駒の能力が違ったりするギャンブル性があるのよ。今作の美点はレースシーンの映像。内側の馬場が荒れてたら全馬第四コーナーを外ぶんまわしで回ってくるこだわりは必見。逃げ先行が強い前残りのバランスが気になるけど、思えばダビスタは大体バランス悪いのが特徴であり今更だった。
 
去年は新生の終わりくらいでまだ麻雀ばかりやってて、ガッツリ進めたのは今年になってからなので入れとこ。1年かかってようやくパッチ5.0までクリアしました。最近はローソンコラボでロッテのチョコレート食べて偏食してます。シリーズでは漆黒は蒼天の次に好きだけど、特に良かったのはユールモア。ああいう退廃的な享楽街好き。ユールモアと言えば、ティスタ・バイちゃんFF14で1番の美少女よね。話し方もアクがあってギャンブラーというキャラも立ってるし、あれでチョイ役なのはビックリしちゃった。
 
 

f:id:rikzen:20200504155417j:plain

今年の1作を挙げるならば『グノーシア』
 
人狼の仕組みを利用したシナリオも良かったけど、もちろん人狼を遊べるゲームシステムも上手く作られている。NPCがわりと賢くて、万物の霊長たる人間様であるところのこの私が騙されまくって吊られまくる。たかが機械にナチュラルに騙される人間様の尊厳ヤバい。
あと、キャラクターに個性があるので、キャラクターの特徴を覚えた後半になると「コイツがこういう振る舞いをするということは、こういうことか」と読めるようになる。仲のいい友達かよ。シナリオだけじゃなくて、そんなところからもゲームの中に入り込める。色々な仕組みに整合性の取れた美しさがあるゲームだと思う。
 
 
去年すげえ忙しくて「ここ10年で最高の労働」が来たと思ったら、今年はコロナ対応もあり「過去最高と言われた昨年を上回る労働」というボジョレーヌーボーになってしまって、十分にゲームできなかったのが残念。できれば『Library Of Ruina』とか『factrio』とか遊びたかったんだけどな。来年はがんばって時間作る。
今年はコロナでひどい目にあった人多かったんじゃなかろうか。本当に忘れられない年になったな。
 
ちなみに2016~2019の記録を見ると、過去の今年の1本はこんな感じらしい。
 
 2017:BLUE REVOLVER
 
あっという間に一年終わっちゃいましたね。それでは少し早いけど良いお年を。