当たり判定ゼロ

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ドナルド・トランプは『内閣総理大臣織田信長』を読んでいた説

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内閣総理大臣織田信長』は1994年から1997年にかけてヤングアニマルに連載された漫画で、いわゆる「信長モノ」の中でも高い人気を誇る屈指の名作です。
 

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作者の志野靖史先生天才かよと思うのが、「どういう経緯でタイムリープしたか」という流れは一切書かないで、1巻の1コマ目で織田内閣を成立させ、連載が終わるまで「なぜ織田信長が現代にいるのか」の説明が一切ないところ。確かに言われてみれば、それはどうでもいい部分だったのかもしれない。このあたりの取捨選択のセンスですよ。
 
大まかなストーリーは、現代になぜか存在する織田信長が400年ぶりに政権を樹立し、信長ならではの奇抜な政策で社会問題の解決に挑むというもの。自分勝手な信長が思いついた政策に秀吉をはじめとした閣僚や社会が振り回される単話完結型のドタバタ劇を基本としつつ、時折差し込まれる社会風刺や心がほっこりするいい話もあり、「こち亀」みたいに読めるところがあります。
 
ところで、現代の政治家や経済学者等の施策のいくつかは『内閣総理大臣織田信長』を基に作られていると聞くと皆さん驚かれるでしょうか。私も今自分で書きながら驚いています。
 
例えばこんなエピソードがあります。
 

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日米首脳会談でアメリカを訪問する際、閣僚よりも一足先に飛行機でアメリカに飛ぶ信長。何をするのかと思えば、端正な自分の顔をグランドキャニオンに彫ってクリリントン大統領にプレゼントしようとする。信長は自分が好き過ぎるので良かれと思ってやったが、秀吉や森蘭丸からこんなことをすると国際問題になると言われて、正直にクリリントン大統領に謝る話。
 
これ、最近どこかで見た記憶が…。
 

www.cnn.co.jp

これだ!!
常識的に考えて2020年にもなって自分の顔を山肌に彫ろうなんて発想は出てこないはず。
となると、辿り着く結論は一つ。
 
 
内閣総理大臣織田信長』が連載されていた約25年前、トランプは50歳前後。今では忘れてしまったかもしれませんが、当時は日本語を読めたのかも。あるいは金に任せて英語への訳本を作らせたのか…。いずれにせよ、トランプが『内閣総理大臣織田信長』を参考に政策を考えていることがこれで明らかになりました。
 
 ほかにもこんなエピソードが。
 

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山手線視察をした信長は、あまりの社内混雑にキレて途中で電車を止めさせて降りる(新宿で乗り込み隣駅の新大久保まで持たなかった)。同乗していたサラリーマンが「私達は毎日こうだ!新聞くらい読めるようにさせてください!」と総理に直訴。その場で信長はわしに任せよと公約し、官邸に戻って5階建ての電車を考案する。
結局は信長の5階建てはカーブを曲がれないので廃案、秀吉の改良案も間に合わないので廃案、最後に残った家康の「新聞を小型化すればいいのでは?」という案が採用されて、なんとか公約を守れるという話。
 
これもなんか耳に覚えのある話だ。なんだっけ…。
 
これだ!!
小池百合子知事が2016年に東京都知事選に出馬して掲げた「満員電車ゼロ」。その方策として2階建ての車両が挙げられました。
信長案の5階建て車両は無理にせよ、秀吉案は1階部分を半地下にすることで3階建ての車両を作ろうというものでした。これは小池案に近い…。
となると、辿り着く結論は一つ。
 
小池百合子は『内閣総理大臣織田信長』を読んでいた!!
 
1995年、小池知事は新進党の結党直後で、政策の勉強意欲に燃えていたに違いありません。そのとき、政策の参考になるような漫画がたまたま手元にあったらどうでしょうか。そりゃ読むでしょう。読むでしょうよ。いずれにせよ、書かれて20年後の東京都知事選を左右する影響力を織田総理が持っていたことに我々は驚きを隠すことができません。
 
 さらにはこんな話も。
 

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 一千万円札を新設し自分を紙幣の肖像に使った信長であったが、一千万円札など誰も使わず、頭を悩ませていた。そこに全国知事会から地方分権の請願があり、そこで地方ごとに郷土の有名人のお札を出し、肖像に登場する人物は投票で決定してはどうかと提案する。その心は、東京では「信長に手をふる徳川家康」、大阪では「信長にお辞儀をする秀吉」を肖像に登場させ、愛知では自分を登場させることで、主要都市で流通する一万円札を自分の顔で独占しようとする目論見だが…という話。
 
地域貨幣……どこかで聞いたような……
 

kakakumag.com

これだ!!
仮想通貨が盛り上がった2年ほど前、地域通貨みたいな話があちこちから出てきたのを覚えておられるでしょうか。地域通貨も文脈的には地方創生の一環で、要は地域内で消費される通貨量を増やす(一方で地域外に流出させない)政策として語られます。「さるぼぼコイン」のような、その地方をイメージさせる名前がつけられることが一般的ですが、そのルーツは1999年の地域振興券にあるようです。
 
このアイディアの流れ、当時の地域振興券を担当していた官僚が『内閣総理大臣織田信長』を読んでいたと考えるとしっくりこないでしょうか。つまり、地域通貨の考え方の期限は織田総理に由来すると言っても過言ではないのです。
 
そして、極めつけはこれ。
 

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来年度予算を編成するに当たり、秀吉は公共事業、勝家は中小企業への助成、家康はいっそ予算をそっくり貯金してみてはと主張する中、信長は面倒くさくなり「天下一のバラマキ」を行うと宣言し、年度予算72兆円をすべて720億枚の千円札に替え、航空機から日本全国にバラまいてしまう。秀吉はその光景を見て、「でも、それも面白いかもな。だってそもそもは国民の金なのだから…」と呟いた。

信長のバラマキにより住宅着工件数、新車販売台数等の個人消費は大きく回復したが、徳川家康のように拾ったお金を貯金していた人もまた存在した…という話。

 
しかし、上空から紙幣をばら撒く……どこかで聞いたような……
 

www.nikkei.com

これだ!!
ベン・バーナンキは学者時代の2002年、ミルトン・フリードマン教授の90歳の誕生パーティーにおいて「デフレ克服のためにはヘリコプターからお札をばらまけばよい」と発言。それ以来「ヘリコプター・ベン」の異名を取り、ついにはFRBの議長まで上り詰める人物ですが、信長が72兆円をバラまいたのはそれより7年前の1995年……!
となると辿り着く結論は一つ!
 
 
まさか世界の金融に最も影響を与える人物が経済政策の参考にしていたとは…。ああ、なんと偉大な織田総理。
時系列で追って考えると、バーナンキは1995年に『内閣総理大臣織田信長』を何らかの方法で読み、7年間の熟考を経た後、2002年にヘリコプター・マネーという理論で披露することになったと考えるのが自然です。バーナンキFRBの議長時代にインフレターゲットの考え方を導入しましたが、それが時間を経て日本にも渡り、黒田日銀総裁のもとで黒田バズーカと呼ばれる異次元の金融超緩和政策に繋がったのです。25年前に考えられた織田総理の政策は今の日本にも息づいているのです。
 
 
冷静に考えてみれば、今現在の先進国を代表する政治家・経済学者の施策が、いずれも1995年頃に書かれた『内閣総理大臣織田信長』に描写されている。こんな都合のいい偶然があるのでしょうか。
 
となると、今後出てくる政策も『内閣総理大臣織田信長』に描かれている可能性が高いということです。
この法則を知ったあなたは、これで未来を予測することができる。愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ。賢者は歴史から未来を知り、他者に対してアドバンテージを得ることができるでしょう。
 
具体的には、このような政策がまだ実現されていないので今後の社会情勢を見る参考にしてください。
 

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自分の本来の年齢の上下10%の範囲を限度として自由に年齢を設定できる法案。働き方において、早く辞めたい人が早めに定年の年齢を選択でき、長く働きたい人が定年を回避できるようになります。また、就活時の年齢差別がなくなるので既卒や留年に有利になるでしょう。
 

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24時間のうち、婚姻時間と非婚姻時間を契約で振り分けられるようにできる法案。非婚姻時間用の単身住宅の需要が伸びるでしょう。また、お互いの契約時間や付帯契約の認識齟齬等による裁判が増え弁護士業務が忙しくなるでしょう。
 

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国会中継に注目してもらうために国会中継をエンターテイメント化する政策。NHKの視聴率が伸びる一方、民放は新たな敵の登場でますます収益が厳しくなるでしょう。演出関連の業種は国会関連の仕事が増えるかもしれません。
 
 
なお、冗談抜きで『内閣総理大臣織田信長』は名作なので、古本でも電子書籍でも良いので見かけたら買うといいと思います。
個人的には5巻の「永遠平和のために」というエピソードがメチャメチャ好きなので是非。
  
ちなみに、作者の志野靖史さんは後に歴史小説家に転身されていて『信長の肖像』という戦国時代の絵師狩野小次郎を主人公とした話を書いています。こちらもちょっぴり切なさのある話でいいですよ。