神奈川県警、オブラディン号の謎を解く
秒速で話が変わるけど、Steamのセールはセールしてるときに山ほど買うよりも、やりたいゲームをストックしておいてセールに背中を押してもらってそのまま遊ぶのが正しい使い方ですよ。山ほど買ったら絶対遊ばなくなりますよ。電子書籍でもバカ買いするたびにそう思います。はい。
で、オブラディンですよ。
これ何のゲームかというとジャンル的にはアドベンチャーになるんでしょうけど、保険調査官であるプレイヤーは5年間消息不明となっていたオブラディン号に乗り込み、60人の乗員あるいは乗客についてどうやって死んだのか(あるいは生きているのか)をすべての人物の真実を突き止めて報告するのがゲームの目的です。
保険調査官と言われてもそんな職業に馴染みがないんでピンとこないですね。要は乗員がちゃんと船員としての義務を果たしていたのなら保険金を払ってあげる必要があるだろうし、そうでないなら保険金なんて払う必要はないだろうし、まずはその真実を確かめる必要があるという話ですね。
「ならどうやって死んだか判別するのなんて簡単やんけ!」ってとこなんですが、これが案外そうじゃない。死因を当てるだけではなく、その人の氏名まで当てなきゃならんからですね。
一応、国籍や職業なんかのヒントがあってどこかのピースから判断がつくようにはできているらしい(最後には消去法になってしまう人もいるらしい)のですが、さっぱりわからん。マジでわからん。ヨドバシ行ったときに現在来店している全員の顔と氏名を一致させないと帰れま10とかやられたら泣いちゃう。
思うにゲームってのは一種のトンデモシミュレーターみたいなところがあって、「~だったらどうする?」という虚構の想定で作られた世界を自分が体験できるところに良さがあるわけですね。
そういう意味ではオブラディンの構築した世界とルールというのは、オブラディンでしか体験できない唯一無二のものであるので、こういうのは一度きりの人生で遊んでおいて損はないものだと思いますね。
白黒なのもあるけど、オブラディン号の乗員ほとんどオッサンなので全く区別がつかねぇ。
いや、オバちゃんも乗ってるんだけどオバちゃんも全員が子供5人生みましたガハハみたいな肝っ玉母さん顔してて全く区別がつかねぇ。それにオバちゃんは、誰かを殺したりして目立たないので静止シーンの端っこにいるケースが多くて尚更わからねぇ。画面の端っこに立ってるオバちゃん見て何を判断しろと言うんだ。
警部、これは迷宮入りの可能性ありですよ……。
真実に基づく保険金支払に定評のある当保険協会において「わからない」なんてことはあってはならんわけです。
かくなる上はあの方法しか……。
極東の国日本の神奈川とかいう地域には古くから伝わる捜査の方法があるという。
私は日頃からネットニュースやゴシップを見て勉強するように務めているので詳しいんだ。
下町のハードボイルド・エッグと呼ばれた私に解けない謎など、あまりない……!
いや、なんかバットみたいなので殴ってるっぽいのはわかるんだけど、殴ってる人と殴られてる人、ほぼ同じ顔してないです?というか誰??
なんか言い争いしてたようなボイスは聞こえてくるんだけど、誰が喋ってんだかよくわからないし、オッサンの顔見ただけで名前当てるとかメンタリストでも無理でしょ……。わかるのは死因は撲殺というくらい……?もはやイタコでも呼んで被害者の霊を降ろすくらいしか思いつかないんだけど、オブラディンのルール上それは無理だし…。かくなる上はあの方法しか…。
う~ん、これは自殺!
被害者は日頃からインターネットで政治に関する論争に明け暮れていたが、ある時ふと我にかえると鏡で見た自分の顔は皮膚が垂れ下がっており、これといった職歴もなく親も年老いて10年もすれば介護も必要となりそうで、思えば自分はこれまで何をしてきていたのだろうもしかしたら死んだらもう一度人生をやり直せるのではないかそうだこれはなにかの間違いだそうだそうだ次こそはうまくやるきっとうまくやるんだこのロープでピョンとするだけで全部なかったことになるんだ、ということがあり自殺。
後ろの人がバットのようなものを持っていますが、これは大きなカッターであり、ロープを切って助けようとしたシーンだったと思われます。うむ解決。
テンポよく事件を解決していくぞ!なにせ被害者はあと59人もいるんだ。
さて、次のシーンですが、なんですこの状況??
なんか上からモノが落ちてきて当たって死んだ感じ?で、いいの?というかそれだけで人って死ぬ?豆腐かこのオッサンは。
オッサン!またオッサンですよ。オッサンばかり出てきても全く区別つかないし、一体コイツ誰ですか。
そう、こういうときにはあの方法がある。
被害者は子供の頃から生真面目でクラスで陽キャがはっちゃけるようなテンションにも馴染めず、かと言って勉強ができないかというとそうでもなくほどほどのポジションでダラダラと生きてきた中年男性。しかしある時思うのだ。一体自分は何のために生まれてきたのだろうこの先何をすればいいのだろう何に向かっていけばいいのだろうしかしそれで何かを成し遂げたとしてそれが何の意味があるというのだろう結局のところ人は死ぬのだし事実上何かに価値を見いだせる可能性はないのではないかならば早めに終わらせたほうがいいのではないかそうだそうしようと考え自殺。
たぶんこの画像は誰かが自殺を隠蔽するために上から木材を投げつけたんでしょうね。
被害者の自殺が発覚すると都合の悪いやつがこの中にいたというのか…!しかし私の目は誤魔化すことはできないぞ。天網恢恢疎にして漏らさずだ。
そして依頼人に報告書を提出してお仕事完了…っと。
いやー、今回もいい仕事した。ビールが美味い!!どうでもいいですけど、仕事が終わったあとの一杯目のビールの美味さって単純に疲れて喉かわいてるところに量を飲みやすくて冷たいものを流し込んだから美味く感じるだけですよね。どうでもいいですけど。
ところで、しばらくして依頼人を名乗る人物からお手紙が届きました。
依頼人はあまりに品質の低い報告書を受け取ったのでショックで死にました、と。
いや、お前が死ぬのかよ!!
お察しのとおり、本当のオブラディンはここから始まるんですよね。
これまで通ってきたシーンを丹念に見返し、「あれっ、ひょっとしてこの人○○なんじゃないか」という発見を積み重ねて、60人全てのピースを埋めることこそがオブラディンの本編。そして全ての真相を解き明かすのがあなたの仕事なのだ!!
しかし、神奈川県警に匹敵する頭脳を持ち、ハードボイルド・エッグと呼ばれた名探偵である私が案内できるのはここまでとなることを許してほしい。
オブラディン号の真相とは何なのか。ここから先は自分の目で確かめてみよう!!(昔のファミ通みたいな投げやりな紹介文)