当たり判定ゼロ

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プロ野球反省会2015

去年は予想が当たりまくって、野球賭博でもやってようものならダルビッシュ翔さんみたいなお金持ちになれていた感じでした。調子に乗って今年の春に順位予想を公開していたので、振り返りつつの反省会。結果から言うとクソみたいに当たってなくて恥さらしすぎて死にたいのだけど定期的に野球の話しないとそれはそれで死ぬので。ちなみにデータはヌルデータAcademicBallParkをベースにしてます。いつも更新ありがとうございます。 【日本一】 ソフトバンクホークス(予想:ソフトバンクホークス パ・リーグ 1位 福岡ソフトバンクホークス(予想順位:1位) 強い!絶対に強い!という黄金バットみたいな強さだった。言うことない。打撃陣は内川がゲッツーの鬼と化したくらいで、総合的に見て西武とリーグで双璧をなす攻撃力。特に出塁お化けの柳田を中心としてチーム全体でも出塁率が.340と高く、安定した攻撃力を発揮。終盤の松中さん出して余裕見せてるところくらいしか付け入る隙がないのは良くわかったけど、「これで最後だよ」みたいな松中さんの餞別的な使われ方は見てて悲しくなるところあったし、またそれで本人が打てないのも泣けた。使えなくなった功労者の処遇ってホント難しいやね。 投手もやはりバンデンハーグは本物だったどころか、93イニング投げて120奪三振とバケモノクラスの数字叩き出してて、K/BBも5.45と高い水準でコントロールも備わってる。オープン戦の故障と、シーズン前半の「困ったら、早めのバリオス」みたいな第二種医薬部外品みたいな投手起用がなければ、沢村賞マエケンじゃなくてバンデンだったかも。ただでさえこれだけ強いのに、なお元日本代表のエース(年俸4億)を一年間二軍で温存するという余裕を見せたのだから、ヤバイ以外表現のしようがない。 2位 北海道日本ハムファイターズ(予想順位:4位) 正直個々に見るとここまでぶっちぎりで2位になるようなスタッツじゃないと思うのだけど、なぜか強かった。特に後半は要所要所でレアードのHRが試合を決めることが多かった。シーズン当初、ハズレ外人特有の超低打率で「激レア」とか言われてネタにされてたのに、シーズン後半だと当たり前みたいに打ってて、ソシャゲでレアの価値がどんどん落ちてくるところまで再現しなくても…と思った。 安定した成績を残した田中賢介はさすが。2桁勝った吉川の復活と賢介の復帰が、結果的に去年からの大きな伸びしろに。あと、ドラ3で淺間くんは反則だろと思ったけど、1年目から140打席も立って、しかも結果残すあたりスターの素質みたいなの感じる。ヤクルトの山田とか巨人の坂本あたりの高卒すぐに1軍に出てくる選手って、やっぱプロの目から見ても違うんでしょうね。 3位 千葉ロッテマリーンズ(予想順位:5位) わくわくさん勤続疲労で絶対死んでると思ったんだけど、ほんとこの人タフだな! コントロール良くて試合作ってくれる石川とわくわくさんで年間約1300イニングのうち360イニングも食えたのはデカい。とはいえ、攻撃力もOPSで見てリーグ4位だし、防御率も西武と同じくらい。となるとリリーフの大谷西野が取れる試合をキッチリ取ってきたことが3位の要因なのかも。あと順位を一番大きく上げる要素となったのが清田。去年.170の選手が3割軽く打ってくれるという伸びしろは大きかった。ちなみにチームの特色として全体的にフリースインガーが多く、他の全チームのIsoDが0.7を上回る中、0.63と頭一つ抜けた低さ。出塁率の低さを長打でカバーするみたいな構造になってて、どうしてもそういうチームは打線の安定性は欠く性質があるよなぁと。 4位 埼玉西武ライオンズ(予想順位3位) 結果的なスタッツから見るともっと強いと思うのだけど、謎の順位の低さ。打線で見るとOPSはホークスと殆ど変わらないながら、盗塁成功率が60.0%とリーグ最低を記録し、ムダな盗塁でランナーを殺したことが結果的な得点力の差として出ている形。これだけ攻撃力のあるチームで、秋山にまでバントさせる戦略を取るのは、結果的に采配の方針とチームの戦力の方向性が合ってなかったんじゃないかと。 今の西武は小技捨ててビッグボールやったほうがチームの戦力に合ってて絶対強いって。あと、多少打てなくなったとしても森は捕手で使うべきだったんじゃないかと今でも思うですよ。明るい材料は高橋光成。終盤に顔見せくらいかと思ってたけど、しっかり戦力になっててさすが。あと、山川穂高は結局今年もイースタンで持て余しちゃいましたけど、この人ほんとどうするんでしょうね。極端な話、使わないんなら先発とトレードしたほうがチームとしては順位上がるんじゃないかと思うんですが。 5位 オリックスバファローズ(予想順位:2位) シーズン序盤の大ゴケは、金子千尋と糸井の計算外に尽きて、そこからすべての歯車が狂っていった。リーグトップのエースが前半投げないとか、3割超えを期待する打者が2割中盤ウロウロしてるレベルだと、去年との比較で見ると大きくマイナスになるし、それを補う伸びしろを見つけるのは大変。結果的に他の要素で補うどころか故障者多発で、さすがにちょっとどうにもならないところがあったかも。とはいえ、西も通年で安定してたし、佐藤達也も持ち直してきたので、結果的に失点の少なさをホークスに次ぐリーグ2位にまとめたのはさすが。投手だけじゃなく安達の守備力も大きいと思うけど、そういう意味では去年見せた守りの力が、再現性のある本物であることは証明できたので、意外に来季に向けて展望のあるシーズンじゃないかとも思いました。あと、今年少しだけ出てましたけど、捕手の伏見をもっと見たいですね。何がいかんのやろか…。 6位 東北楽天ゴールデンイーグルス(予想順位:6位) オールスターまでに内紛でデーブのクビ飛ぶトトカルチョは外したけれど、オールスターが終わったらデーブじゃなくて田代コーチが辞めさせられるわ、嶋はホームランのハイタッチ拒否するわ、結果的にデーブのクビは飛ぶわでファンが忘れたいと思うくらいひどいシーズンだった。せめて辞めるなら辞めるで3年後を見越したチームの土台作りしてくれればいいのに、なぜか松井裕樹がリリーフで酷使されて目先の1勝を拾いに行くなどしてて、ほんと見てるだけで頭痛がヘッドエイク。 楽天名物大物メジャリーガーくじも見事外れ、というか楽天の順位は毎年メジャーくじ次第みたいなところありますね。去年のギリシャ神ユーキリスほどじゃないけど、地味に今年のサンチェスも高年俸クソ成績という完全な投資ミスで、かつて横浜に在籍した大物外国人コックスの再来みたいなところあった。 セ・リーグ 1位 東京ヤクルトスワローズ(予想順位:5位) 神宮本拠地でフライボーラーの成瀬補強というロックなことやってた時点でそれにしか目が行ってなかった。もう一人のFA補強である大引は結果的に弱点であるセンターラインの補強になっていたので、昨年との比較で十分チームとしては伸びしろ要素でした。とはいえ、一にも二にも三にも四にもなく、山田ですね。やーまーだ。あまりに数字が飛び抜けすぎててRCWINが8.18とかえらい数字になってるんですけど、ヤクルトの貯金が11なので、一人でヤクルトを借金持ちから優勝まで持ってきたレベル。当然RCWINには守備得点は含まれませんけど、山田は守備指標も良いので、守備も含めると一人でさらに貯金作ってる計算になると思います。この2015年のセリーグは山田のシーズン。山田のための年だった。それと、去年までと違って、山田出塁からのノーアウト一塁で川端バント、バレンティン敬遠、ユウイチゲッツーみたいな美しい流れがなくなっただけで相当攻撃力上がって脅威になった感はあります。やっぱこの手のチームでバントは必要ないですよ。 2位 読売ジャイアンツ(予想順位:4位) オガラミ以降は阿部のチームだったので、阿部が劣化した時点で打線が終わるのは大方見えてたと思いますが、マイコラスとポレダが活躍すると思ってた人いるんですかね。オープン戦で良いストレート投げてた高木勇人はそれなりの結果出すとは思ってたけど、マイコラスとポレダは夏くらいに浅草観光コースかと思ってた。特にマイコラスはアメリカの成績が微妙の上にオープン戦で5戦4敗とやらかしてただけに、開幕ローテに入れた時点で狂ってると思ってましたごめんなさい。 片岡坂本の守備は相変わらず鉄壁で、完全に守備のチーム。セにおけるオリックス的位置づけ。あと今年は久々に巨人らしく外人ガチャで見事にSSRを引いて期待に答えてくれた。キューバの至宝セペダさんは実績からして打てない道理はないと思うんだけど、打率.000という奇跡を成し遂げたし、アメリカから来たインフィールドフライの伝道師フランシスコさんはマイナーな野球のルールを日本人に教えてくれた。野球部だったけど、正直知らなかった。勉強になった。それにフランシスコさんは二軍のロッカールームに籠城して他の選手がビビって入れなくなった事件を起こしたけど、今から考えてみるとあれは前途ある若者たちに賭博をやめさせるためだったんだね! 色々とありがとうフランシスコさん! 3位 阪神タイガース(予想順位:1位) 梅野前提のシーズンかと思ってたんだけど、まさかここまで梅野が使われないとは。その他は藤浪が勝ちを増やすのも、ゴメスが成績落とすのも予定調和っちゃ予定調和で、投手成績打者成績については、「まぁこんなもんよね」みたいな成績でシーズンが終わった感じ。その中での大きな誤算は鳥谷の守備力低下で、去年終盤からものすごい怪しさみたいなのはあったのだけど、通年であのヤバさを見せられると衰えみたいなのを顕著に感じられて辛い。チーム全体のDERもリーグ最下位レベルに沈んでて、完全に守備力で落としたシーズン。やっぱりショートは守備範囲が生命線なので、若くないとできないポジションであるなぁとしみじみ。この手の衰えの後始末っていつだって難しいのだけど、考えてみればヤクルトの宮本のサードへのコンバートはタイミング完璧だった。 攻撃面で見ると、長打の少なさと、盗塁成功率の低さが足を引っ張った。盗塁成功率は通年で55.8%と、異常な水準の低さを見事に達成。いっそ1回も走らないほうがマシだったんじゃないかと思わされるレベル。「盗塁は3回に2回以上成功してはじめて黒字」という赤星式盗塁損益計算に基づいても赤字。あとシーズン当初は1番鳥谷2番上本という、優勝したヤクルトを髣髴とさせる攻撃的布陣で鼻息荒くしてたのに、いつの間にか大和が2番に帰ってきてたのは笑った。 4位 広島東洋カープ(予想順位:2位) 得失点差もプラスだし、OPSマツダスタジアムをホームにしてリーグ2位を記録と打線も堅調、何よりチーム防御率が2点台と多くの試合でゲームを作れてて、やっぱり強かったと思う。じゃあなぜ負けたのかと言われると「巡り合わせじゃないかなぁ」としか答えようがない気がする…。「逆転勝ち - 逆転負け」数のマイナス5はリーグで4番目ではあるのだけど、じゃあリリーフが弱いのかと言われても、実はリリーフの防御率も2点台。盗塁成功率が61.5%と阪神同様著しく低い、というのも阪神と違って得点自体は取れているので、(もっと取れただろという議論はあれど)それそのものが勝てなかった要因ではなさそう。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とはいうけれど、ここまで負けた理由のわからないチームも珍しいんじゃないか。大瀬良・中崎・ヒースの防御率良い3人で効率よく20敗を積み重ねた事実は、一歩間違えればそれらが勝ちに化けていた可能性も大きかったんじゃないかと思うんよねぇ…。 野球というスポーツは比較的運の要素が強く働く競技で、たった1m打球の飛んだ場所が違っただけで、三遊間を抜けてヒットになったり、ショートに取られてゲッツーになったりする。殆ど同じ場所に飛んだ2つの打球でも、三遊間を抜けるヒットのほうを接戦で引けるのか、あるいは大量点差でゲームが決まったシーンで引けるのかによって勝敗が変わってくる。打球というほとんどコントロールできない要素によって、天国と地獄が分かれるのだけど、ペナントレースとはその積み重ねであって、サイコロで悪い目を引き続けることは十分にありえる。野球に存在するそういった因果関係のない運要素みたいなものに今年の広島は絡め取られてしまったのだと思う。その手の運要素を多分に含有するからこそ、野球はまちがいが起きやすく、面白いのだけれど。 5位 中日ドラゴンズ(予想順位:6位) レギュラーの高齢化が顕著だった時期から世代交代の必要性は言われ続けてきたけど、とうとうその時が来たという感じで、当面ツケを払う時代が続きそう。強いチームはレギュラーが固定化するので、彼らが衰えたときの代役が育っていないというのは常勝チームが劣化するいつものパターン。こういうときは不確定要素の強い育成に賭けるか、確実性が高いけど賞味期限が短い補強に賭けるかという二択になるのだけど、特にFAに積極的というわけでもないし育成路線かなと思ったら高齢外人のエルナンデス使ってたりと迷走感ある感じ。 ナゴヤドームという不利はあれど、チームのIsoPはリーグ最低で、ホームランでも平田の13本がチーム最高という長打力のなさも露呈。パワーヒッターの育成は非常に難しく、時間がかかるので、今期は前半無理にでも福田を使い続けても良かったんじゃないかと思うシーンも多かった。逆に福田と心中する気がないなら、ファーストは補強ポイントと判断して長打力ある外国人取ったほうが良い気がする。聞いたところではクラークという人がヒマらしいのでぜひ。 投手では、吉見と浅尾が帰ってきて、特に吉見とかシーズン序盤防御率0点台で無双してたけど、結果通年で48イニングしか投げれなくてやっぱ壊れてるのだなと涙が。浅尾もえらいコントロールが悪くなっていて、何だかんだで年齢もベテランの域。強かった中日の象徴だった2人の姿もそうだし、背番号2の巨人のユニフォームつけた井端と荒木が背を向けあってる例の画像が「もうあの頃の中日はないんだ」と訴えてくるのです。 6位 横浜DeNAベイスターズ(予想順位:3位) OPS0.9くらい叩きつつ弱点のセンターラインを補強してくれる予定のグリエルが来ない時点で終わった感あったけど、代わりに出てくるのが元キャップとか宮崎だったりするのはやっぱり格落ち感大きかった。少なくともグリエルがちゃんと来てれば最下位はなかったはず。あと、フリースインガー多めの構成だったのが、打率3位ながらリーグ最低の出塁率に繋がってて、試合ごとの波の大きな打線になってしまったところもあるのかも。阪神なんかは逆に出塁率寄りの編成なので安定感だけはあるのだけど。 とはいいつつ、今年の問題は近年謎に改善を見せていた投手陣の崩壊。特に井納とどすこいはシーズン序盤好調が続いていたのに、中5日で使ったことが調整に影響が出たという指摘もされていて、「いい投手だから多く使おう」という考えは「いい投手だから力を発揮できるように間違いなく使おう」よりも結果的に勝ち星を減らす形になってしまったのかも。選手も疲れを知る人間なのだから、シーズン最終盤でない限り休暇にルーチン性をもたせたほうがいいんじゃないかなぁと。シーズン序盤でローテ崩してるところってだいたい上手く行っていない法則ある気がする。リリーフも三上が帰ってきて頭数も揃ってきたので、年間通じてローテの軸になるマエケンのようなスーパーエースが1人いれば全然違ってくるはず…。 未来の日本を四番を打つ予定の筒香が躍進したシーズンで、外野の才能関根乙坂も一軍で100打席以上経験できて総じて実りあるシーズンになったけど、結局捕手セカンドショートのセンターラインが課題なのは変わらず。ただ弱点が明確であるというのは、そこを補強した時の効果が大きいということの裏返しでもあるので、グリエル坂本クラスの選手が獲れればわりと一気に伸びるチームだと思うんだけどなぁ。 ホークスと楽天だけの鉄板2つしか順位予想当たらないという始末で、野球賭博で食ってなくて本当に良かったと思いました。来年こそ一流の博徒になれるよう頑張っていきたいと思います。