8月のシンデレラナインはセカンドマギーの答えを出すか
宇宙の法則の一つに「美味いものと美味いものをあわせて食べると絶対美味い」というのがあると吹き込まれて育ったのですが、前にとんかつパフェ食べたら全然美味しくなくて、宇宙の法則というのもアテにならないなと思いました。とんかつとパフェは別々に食べたほうが絶対に美味い。最後の方、とんかつがベチャベチャになってくるの悲しみしかない。
このように最強のタッグのはずなのに食い合わせが悪いものというのはこの世にいくつかあるもので、その一つに美少女と野球というのがあります。野球のファンの裾野、美少女好きな人たちの裾野……それぞれの数からすると好きが重複している層は相応に多そうですし、野球といえば基本一対一の構図なので美少女キャラの魅力も描きやすい。絶対いけるやんコレとなりそうなものですが、マックミラン高校女子硬式野球部も大正野球娘も大ヒットする前に終わってしまう。それなのにいつもなぜかハズレがない萌アニメの野球回。
しかしみんな待っているのです。
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そんな空気の中なぜか7月にリリースされた8月のシンデレラナインですので、全国民が夏休みを潰す勢いでプレイされているのではないかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
今のところ、1アウト満塁から内野安打でランナーが全員生還するなどのささいな問題はありますが、エリアンと梶谷が連続で悪送球して内野ゴロで走者一掃したプレイを再現しているのだと多少脳内補完していけば十分楽しめるのではないかと思っています。
単に試合をしていくだけではなく、育成モード(デレスト)とかもあったりします。しかし、デレストのインターフェイスもどことなくパワプロのサクセスだし、調子は絶好調~絶不調の5段階がアイコンで表されるやつだし、その後の野球ゲームにおけるパワプロ文脈の影響力の強さというのは感じさせられますね。
美少女ソシャゲにありがちな季節絵のカットインはありがたくお納めしましょう。
画像は水着のピッチャーが無失点に抑えているシーンですが、わたあめ作ってる人がタイムリー打ったり、亀の散歩をしている人がホームランを打つこともあります。野球を舐めているのかとかそういうものではなく、美少女がカットインしてくれればそれだけで嬉しいものです。今後、サンタクロースや振り袖なんかもタイムリーを打っていくのではないかと思われます。
しかしハチナイは、リリースして1ヶ月程度ですが、ただの美少女野球ゲーで終わらない片鱗を僅かながら見せつつあります。
リリース当初は試合の結果だけを表示させるだけで、一体誰が活躍しているのか誰がヒットを打ったのかも完全にブラックボックスというゲームでしたが、後のアップデートで待望の個人成績を実装。成績自体は試合単位で消えてしまうものなので、あくまで余興程度にしか過ぎませんが、なぜかそこで実装した成績が「RC」。
Wikipediaの言葉を借りると「RC(Runs Created)とは、野球において打者を評価する指標の一つ。メジャーリーグベースボールにおけるセイバーメトリクスの第一人者ビル・ジェームズにより考案された個人の得点能力を表す総合指標の一つ」とされており、いわゆる伝統的に新聞のスポーツ欄に掲載されてきた打率等の数字ではなく、今流行りのセイバー指標です。
打撃能力のみを表すOPSと異なり、進塁能力(走力)も評価に加えるため、打者の総合的な攻撃能力を表す指標として用いられています。
なぜよりにもよって美少女ゲーに持ってくる指標がRC…。しかもセイバーの指標ってビッグデータみたいなもので、一試合一試合消えてしまう数字だと「その試合調子良かったね」程度の意味しか持たないので、せっかくRCを表示させても今のところ何の意味もありません。
が、それのなんと素晴らしいことか! リリースして1ヶ月も経たないうちに実装する指標がRC! 内野安打で走者一掃するインパクトが強すぎて、ハチナイを完全に侮っていました。スタッフの中にイカれた野郎が紛れている可能性があります。ユーザーのニーズよりも己のやりたいことを優先するその姿勢、実に素晴らしい。これからも頑張っていただきたい。
先月、巨人が2番セカンドマギーというスタメンをしいて以来、チーム成績は急上昇しています。
オープン戦で高橋由伸監督がセカンドマギーをテストした時、ついに由伸もストレスでどうにかなってしまったのかと思った私が愚かでした。ただ、守備も含めた指標としてどうなのかと考えたとき、それはやはり試合数をこなして試行回数を相応数重ねるまで答えを待つ必要があるでしょう。
ハチナイは、セカンドマギーの答えを持つことができるのです。ゲームの良いところは多数の試行の回答を待たなくて良いところ。すなわち、攻撃型のチームが強いのか、守備型のチームが強いのか、2番最強打者説は本当に正しいのか、ノーアウト1塁からのバントは果たして本当に無駄なのか、みんなで試すことができるのです。指標が充実してデータベースが無駄に分厚いサーバー型の野球シミュレーターになるならば、そこはセイバーオタの地上の楽園。いや、サーバー上の楽園。
リリースしていきなりRCを実装しだした頭のおかしいハチナイは、アップデート次第で大化けする可能性を持った素材です。りんごあめ持った女の子が三振取ろうが、海の家で働きながらホームラン打とうが、そんなことはもはやどうでもいい。
ハチナイが気の向くままにセイバー指標を次々と実装して、己が道を突き進み、美少女野球シミュレーターとしてこの世に唯一無二の存在になったとき、後世に20年は名が残る伝説のゲームになることでしょう。イベント特効のガチャを回してスタミナ使ってイベント走るゲームとして凡百のゲームになるか、21世紀のベストプレープロ野球になるか、未来を選択する分岐点にある気がします。ならば選ぶ道は決まっているはず。ほら、SMAPも世界に一つだけの花になれとかどうとか言ってたし…。
その場合
SRだから強いですよみたいな、こんな感じのダメなステータスではなく
こんな感じの尖ったステータスがデフォになって、セカンドマギーでいくか守備型セカンドで行くか悩めるゲームになるといいですね。お互いの哲学をぶつけてシミュレーターの中に答えを出したい。
ただ21世紀のベストプレープロ野球になってしまった場合、一部のセイバーオタクしかやらなくなるというデメリットがあるのも事実です。アカツキも商売でやっているのでそれは難しいというのはわかります。そこでオススメなのがビットコイン。売上の全額を仮想通貨に換えて5年くらい寝かせておけば、その頃にはきっとFGOの売上よりも多くなっているのではないでしょうか。ビットコイン万歳! ビットコインの利益により運営される美少女野球シミュレーターとか最高すぎるし、運用は無人化しておき、人類が滅んだ後もサーバーだけ生き残って野球をシミュレーションし続けてほしい。
ちなみにハチナイの前世と言われるモバゲーのシンデレラナインも以前少しだけやってたのですが、まだ生きてるのかいなと思いアクセスしたら生存確認できました。ブラウザ型のポチポチゲーとしては、地味にかなり長寿な部類に入るのでは。さすがにいつ死んでもおかしくない危篤状態にはあると思うので、保護しておくべき人は保護しておきましょう。