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モゲマス経済、島村バブルの要因とは:識者はこう見る

[東京 19日 □イター] 5月31日から6月13日にかけて運動会ガチャによりSレア市場に投入されたSR島村卯月の価格高騰は投資家予想を大きく上回って推移した。新SRは投入後、価格は漸次下落するのが一般的であるが、同アイドルは投入直後こそスタドリ350~400での取引が見られたものの、それを最安値としてその後は一方的に価格が上昇していく珍しいケースとなった。一時は1000でも即決という水準まで高騰したが、現在は900程度での取引が行われており小康状態となっている。
 
市場関係者のコメントは以下の通り。
 
●島村バブルは政府による投資家心理のコントロール失敗が招いたもの
<課金総合研究所 主任エコノミスト 岡田いさく氏>
21世紀最大のIPOと呼ばれたFacebookの株価がIPO後芳しく無かったのと対照的に、SR島村卯月は右肩上がりの価格推移を見せて市場にサプライズを与えた。市場予測より供給量が過小であったことを要因とする見方が支配的だ。SR島村卯月は当初予定されていたコンプガチャが形を変えて登場したものであるが、当初「コンプガチャは終わりが見えるが、島村は終わりが見えない地獄である」と表現される出現率の低さが話題となった。
今般のSR島村卯月の高騰は、政府による投資家心理の統制の失敗による産物と考えている。80対20のいわゆるパレートの法則というものがあるが、モゲマス経済においても一部の重課金勢が全体の課金の多数を占めているものと考えられる。これら重課金税に「終わりの見えない」恐怖が伝播して総投資額自体が落ちたことが、SR島村卯月の流通量の少なさを招いたとは考えられないだろうか。人は終わりの目処が示されないものに対して一般的に恐怖感が働く習性がある。たとえ、SR1枚を得るための平均投資額自体が引き上げられていなくとも、総投資額自体が減少すればSRの流通量自体が減少するのは必然である。
6月19日に復刻ガチャ「新・人は人、私は私」が投入されたが、これには集めれば必ず目的のアイドルが得られる「スカウトチケット」が付いてくる仕組みとなっている。つまり、コンプガチャと同じく積み重ねによる「終わり」が明示されたわけで、これこそ政府サイドによる運動会ガチャでの恐怖コントロールが失敗したことを踏まえたものと言えるだろう。
「終わるのある」スカウトガチャ、「終わりのない」運動会ガチャ、それぞれ性質が大きく違う2つのガチャが連続して投資家に提示された。政府としてはこれらの結果を受けて次のガチャ展開を考えていくものと思われるが、それを見ればどちらが投資家から受け入れられたシステムであったかは、自ずと明らかになるだろう。
 
●島村バブルを尻目に、一般銘柄のファンダメンタルズは変わらず
<CBBバリパ証券 アイドルアナリスト ジョージ・ボットマン氏>
SR島村卯月の取引価格が青天井に上昇していくのを裏目に、既存のアイドル価格は漸次下落というファンダメンタルズを崩すことはなかった。SR島村卯月の流通量が著しく低く、全体の流通に大きな影響を与えなかったことが要因としてあげられる。
復刻ガチャ「新・人は人、私は私」は、[フリルド☆プリンセス]古賀小春を除き、性能インフレを持つ性質のものは一つもないため単純な流通量の増加、すなわちデフレの加速要因となる。よってスタドリによる調達を検討する投資家も多いのではないか。
近時の出品として、LvMAXのアイドルが提示されるケースが増加している。Lvを上げることで付加価値を増して出品するという動機も認められる一方、手持ちのアイドルの強化による不用アイドルの出品と見ることもできる。サービスを開始してから半年以上経過しており全体的に多くのプロダクションの陣容が整いつつあり、次のフェスに向けてはアイドルの調達よりエナドリの調達が主となるのではないか。
 
●イベント期待がエナ/スタレートを維持
<シカタ・インベストメンツ 調査部為替担当シニアストラテジスト シンゴー・ジチョウ氏>
市場では依然としてスタドリによる取引が一般的だが、エナ/スタ為替は0.8前後で推移しており、エナ高が継続している。一時はエナ/スタ比1.0程度での安定を見せることもあったが、エナ高を安定させたのはイベント需要の期待が投資家に継続して存在するためだ。フェスが定期的に開催されることによるエナドリ需要予測がエナ/スタ価格を押し上げてきたが、サバイバルはおろかマラソンにおいても攻コストを使用させる用途が出てきたことで、エナドリ価格の下支え要素は更に厚みを増している。エナドリ需要が高まれば、アイドルの取引通貨となっているスタドリに変換するのも容易である。すなわちエナドリの需要増は、その兌換性を向上させ、安心してエナドリを調達できる要因となってさらに相場を高値維持させる好循環となっている。
為替相場はイベント構造の影響が大きいため、フェス、マラソン、サバイバルのベルトコンベア労働体制が崩れたとき、真っ先に影響を受ける相場であるため政府の動向に注視を続けていく必要があろう。