当たり判定ゼロ

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モゲマス経済二年史、あるいはスタドリ思い出話

2周年とか言われても、人生のうちこんな生活に密着したポチポチを2年も続けてたのかと意識させられるのでかなり恐怖感高いです。シザーマンよりずっとこわーい。ネトゲは何でもそうですが、自分なりのポリシーをもって遊んでみるとわりと思い出に残って良い感じです。モゲマスでは、トレスレで更新ボタンを連打し、フリトレで忍者と戦い続けるなんとも無駄な時間を2年間みっちり過ごしてまいりましたので、思い出話がてら相場の歴史をザッと振り返ってみましょう。こまめに日記書いてたわけでもなく、記憶だよりのところが多いので、誤りがあればコッソリ教えてください。間違えても「歴史修正主義」とかブクマタグをつけて、右とか左とかの怖い人達の争いに巻き込んではいけません。「偽史倭人伝」とかもダメです。 そういえば昔モゲマスがインフレするなどという意味不明の供述をした記憶がありますが、ここで改めて歴史を追いかけることで、自然と「モゲマス経済はインフレしているのか」という問いの答えとなるのではないでしょうか。ソシャゲはその性質上、アイドルの性能は上昇し続けますので、古いアイドルの価値は相対的に下落し続けます。スタドリの流通量自体が落ちているわけではないので、それはデフレしているのではなく、そのアイドルの価値が下がっているのです。では、何を持ってインフレを観測すれば良いかというと「相対的にもっとも強いアイドルの価値」に対して、その時代その時代でいくらのスタドリが払われるか。これをもってインフレの度合いを測ることができます。モゲマスはこれを測るのに格好の仕組みがありまして。何かというと、月末ガチャ。Pのみなさんにたくさん回してもらうためにも、伝統的にガチャから最強のSRが排出される構造は2年間変わっておりませんので、時代を代表する最強SRが登場する月末ガチャの最強アイドルの相場を見れば、概ねの目星がつこうというものです。 まぁそんな観点で整理してみましたので、順をおって歴史を追いかけてみましょう。なお、以下では月末ガチャの最強SRを「トップアイドル」と表記します。 黎明期 2011年11月~2012年6月 ただならぬ地雷臭に誰がやるんだこんなのと思われた中、最初はガラケー専用サービスとしてスタート。12月にスマートフォン向けサービスが追加。当初仕様においては、トレードを誰にでも持ちかけることができたため、外部の掲示板で条件を提示し、合致した相手にゲーム内でトレードを申請する形。フリトレのようにチケットがあったわけではなかったので、無限にトレードを繰り返すことが可能で、トレードのみでのスタドリ長者にのし上がった人もいた。また、どんな条件でも提示できてしまうので、似たアイドルで申請して詐欺ろうとしたり、誤クリック期待の鮫トレもよく見られた。トレードスレには鮫トレーダーのIDが晒され、有名人による詐欺祭りが発生することもあった。 月末ガチャのトップアイドルは、後に社会問題となるコンプガチャSRだった。[だらだら妖精]双葉杏や[天使な堕天使]神崎蘭子がそれにあたる。当初相場は、概ねスタドリ300~400で安定。2011年12月末の最初のコンプガチャSRである[銀色の王女]四条貴音から2012年4月末最後のコンプガチャSRである[眠れる姫君]星井美希まで、この価格帯の中に収まっている。ユーザーの増加とともにスタドリの排出も増加していることが予想されるが、当時はマラソンが存命だったこともあり、システムとしてスタドリの吸収が機能していたことがスタドリ流通増に歯止めをかけたと考えられる。 島村バブル 2012年6月 アイドル如月千早が、はじめて大衆の前にその姿を現したのは夕方のニュースにおける容疑者としてだった。射幸心を煽るコンプガチャが規制された後にやってきたのはいつ当たるともしれぬ底なし沼の地獄。人生は終わりがあるから楽しいとは誰が言っただろうか。対義語として、終わりのないガチャは辛い。永遠とも言えるモバコインカードの購入を乗り越えた先に見えたのは、ブルマを履いた島村さんが創りだしたバブルであった。月末ガチャの慣習どおりスタドリ350~400の相場で始まった島村相場だったが、すぐに誰もが気がついた。「出品が少ない」。確率が絞られたのか底なし沼を探検する勇者は少なかったのか、原因は今をもって不明だが、とにかく少ない出品量に相場はすばやく反応。スタドリ1000でも即決という前人未到の相場に初めてたどり着いたのは、普通のアイドル島村卯月。一夜明けて相場は800前後で落ち着いたが、コンプガチャはなんと良心的な制度だったのかと悲嘆にくれたPは少なくない。 高度経済成長期 2012年7月~2012年12月 島村バブルの次に投入されたのは終わりのあるスカウトガチャだった。「終わりのある」スカウトガチャ、「終わりのない」島村ガチャ。連続して投入された両極端な2つのガチャだが、生き残ったシステムを見ると、おそらく人々は終わりのある方を選択した。 この頃からアイプロを始めとした課金アイテムでイベントを有利にする流れが本格化。イベントへ投入するインセンティブを失ったスタドリがトレード市場に流入すると一気に相場を加熱させた。7月末に投入された[渚の天使]神崎蘭子が当たり前のように1000を超え、新時代への扉を開くと、[キューティーメイド]諸星きらりは700前後と低迷したものの、[ハロウィンぷちデビル]双葉杏、[湯けむり女神]高垣楓と連続してスタドリ1000のトップアイドルが登場。結果として月末スタドリ1000の目安はこの頃から形成された。 2012年8月にはプロダクション外とのプレイヤー間取引が禁止され、フリートレード制度がスタート。事実上の終わりを告げたトレスレは9ヶ月で1200スレを消化。初期の頃はベテラントレーナーがエナドリ1で飛ぶように売れるなど、相場感のないプレイヤーの増加を感じさせた。フリトレの導入とトップアイドルの相場上昇は同時に始まっており、市場参加プレイヤー数の増加し、流動性が高まったことが価格上昇に寄与した可能性もある。 福袋ショック 2013年1月 年をあけて人々がまず耳にしたのは除夜の鐘ではなく、相場が崩壊する音と、人々の嘆きの声だった。年末の10連無料ガチャで恒常が下落した相場に、過去の期間限定SR大放出というダブルパンチ。[王道アイドル]天海春香は年末の250からわずか1時間で120まで下落。ガチャ更新後、15分程度は値段がつかないという始末であった。なんとか夜明け頃には160程度まで戻す動きを見せたものの、以前の水準まで回復することはなかった。[眠れる姫君]星井美希も350から開始し、一時は200を切る水準まで下落。「東証はサーキットブレーカーが働くから優しいな」という狂気じみた下落率に新年早々汗が止まらなかったPも多い。 モゲマスにおいて、年末は歴史のリセットという機能を持つ。過去の高性能レアの大放出は、既存のプレイヤーと新規プレイヤーの差を縮めるための措置であり、相場の暴落はその余波にすぎない。歴史は繰り返す。落ちるナイフは除夜の鐘を鳴らしてやってくる。 安定期 2013年1月~2013年5月 福袋ショックとともにやってきた[新春の華姫]島村卯月だったが、トップアイドルの値段までは大きく崩れることはなく、[渚の天使]神崎蘭子が切り開いたスタドリ1000の地平は、4月末に投入された[覚醒魔王]神崎蘭子までは維持されることとなった。しかし、2012年の上昇相場を期待すれば肩透かしを食らうことになる。結果として見ると、ここで相場はピークアウトした。 デフレ期 2013年6月~2013年12月 ガチャが変わったわけでも、構造が変わったわけでもない。イベントではますます課金アイテムが幅を利かせ、アイプロではスタドリ走法は使いづらくなり、ますますスタドリの行き場はなくなった。投入直後のアイドルにはイベントパワーが付与され、相対的に価値は高められた。 それでもトップアイドルの相場が再び1000を超えて安定することはなかった。投入直後はスタドリ900前後、2日目以降は800台が現在の目安となる相場である。スタドリは流通量を落とし、モゲマスはじわじわとデフレ傾向に転じた。お得なショップでスタドリが2倍の安さで買えるようになったり、3000円のお得なガチャでスタドリが30本付いてくるようになったのなら別だったけれど、ついにお得なショップや月末ガチャ付属のスタドリの本数は、それ単体で相場を揺るがすほど変わることはなかった。スタドリの排出単価は変わらず、消費の構造も変わっていない。モデルとしては固定的な要素が多く、比較的キレイな状態にあるけれど、デフレをもたらした変数は存在する。 今年も色々ありましたが、最大のトピックスは池袋博士がガチャSR化したことであることは明白ですね。「2013年買って良かったもの」とかいうエントリをたくさん見たんですが、誰も池袋博士を挙げていなかったことは不本意です。頭おかしいのでしょうか。 歴史から学ぶことがあるとすれば、あと3日もすればサーキットブレーカーの働かない狂気の相場が始まっているはずということくらい。落ちるナイフを素手でつかむ準備は万全ですか?それでは良いお年を。