当たり判定ゼロ

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八月のシンデレラナイン、実はあまり野球をやっていない

年間90敗くらいしてた頃の横浜ベイスターズは、楽天から移籍してきた渡辺直人に「グラウンドは野球をやるところ。みんなの練習が終わってからやるならまだいいけど、周りが野球をやっているときにサッカーをやるのはおかしいと思う」と練習中にサッカーやってることを暴露されていましたが、プロ野球選手ですらサッカーをするのだから、もちろんハチナイでもサッカーのシーンは実装されています。
 

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椎名ちゃん、野球やってないときは本当に楽しそうだよね…。
ハチナイは野球ゲームであるとともに美少女ゲーでもあるので、キャラクターの魅力にスポットを当てたイラストを提供していく必要があります。そのため
 

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ビーチバレーやってたり
 

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果ては麻雀までやりだす有様。麻雀が出てくる野球ゲームなんてパワプロのマイライフでくらいしか見たことないぞ。
 
ともあれ、その結果、数字で見たことこそなくとも、ハチナイを長年やっている人は「ひょっとして野球やってるシーン少なくないか?」ということに薄々気がついているのではないですかね。いや、しかしそんなはずは…。これは野球ゲームだぞ…。
 
というわけで、本当にハチナイのキャラクターは野球をやっているのか調べてみました。
すべてを対象にするとキリがないので、調査対象はこれまで排出されたすべてのSSRとしています。ただし、ライバル校とキズナアイとのコラボの8キャラ分は除いており、合計162キャラ分。ライバル校の人たちは、基本的に対戦中の1枚しか出てこないから絶対野球やってるので、対象にする意味がないんですよね。なので除外。
なお、パリーグコラボに代表されるような野球場で応援しているシーンや、私服でのトレーニングのシーンは「野球をやっている」にカウントしています。野球と関係性のある何かをやっていればそれは野球だ。
 
それを踏まえて、「野球をやっている/野球をやっていない」のキャラクターごとの割合は以下のとおりとなります。
(75%以上が青、25%以下が赤)
 

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合計で見ると野球をやっている確率は40.12%。なんと6割が野球をやっていないという調査結果に。ガチャの更新情報見ても「今回も野球やってないな」という印象を受けることのほうが多かったことも納得。ハチナイは野球ゲームであるだけでなく美少女ゲーでもあり、キャラクターの魅力の掘り下げには野球以外の部分を描く必要もあるからね、仕方ないね。
 
キャラクター別に、まずは高いところから見ていくと、しのくもこと東雲龍の野球やってる率が87.5%と極めて高い。
唯一野球をやっていなかったのは、お正月ガチャで羽子板を遊んでいたシーンのみ。ガチャの登場回数自体も全体4位の8回と高頻度であり、普通は登場回数が多ければ、野球面以外の掘り下げのために野球以外の部分が描かれるだろうという常識を足蹴にして野球&野球。キャラクターとしても他人を叱りつけまくる野球の鬼みたいなところあるけど、見事にその性格を表しているような偏りっぷりでした。野球辞めたら脱魂してそう。
 
後は直江たゆたゆも75%と高いけど、これはトレーニングの描写を野球カウントしたことによる影響。ショートは有原が絶対的なレギュラーなので、控え選手の試合のシーン自体が描かれることが少ないんよね。
 
一方で、野球やってない勢を見ていくと花山栄美、本庄千景、塚原雫の3人は野球やってる率0%。
花山は「冬の登校シーン」と「文化祭のライブ」というオシャレ勢らしい描写。
本庄千景は「お風呂入ってるシーン」「買い物に行っているところ」「お正月の参拝」「クリスマスパーティー」「文化祭のお茶会」「春大会のメンバー発表後、塚原雫と抱き合うシーン」の6枚全外し。
塚原雫は「笛を吹いているシーン」「書道をしているシーン」「打ち水をしているシーン」の和風な3枚。
 
その他、近藤咲・新田美奈子を含めた「おいしいものクラブ」の面子をはじめ、全体的に倉敷舞子を除いて控えメンバーの野球やってる率が低くなっています。シナリオ上も試合に出てこないからどうしてもSSRの描写も日常シーンになってしまう感じですかね。唯一の例外の倉敷先輩は、ほとんどのシナリオで先発ピッチャーやっててチームのエース格のはずだけど、途中で声優さんが変わった特殊事情が影響しているのかもしれず、SSRの枚数自体が控えめとなっています。
 
んで、赤色(野球やってない勢)が控えメンバー中心ということはわかりましたが、更にこれジッと見てると傾向があって、赤色のメンバーはそれぞれ仲が良い組み合わせが多いということに気が付きます。
 

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実際の野球あるあるなんですけど、チームの人間関係って、レギュラー勢はレギュラー勢で仲良くって、控え勢は控え勢で仲が良くなる傾向があるんですよね。
ハチナイは何でか知りませんけど、このあたりの表現に無駄にリアルで、例えば近藤咲・永井加奈子・新田美奈子の『おいしいものクラブ』は全員控えで、3人中2人が本表では赤色。上級生コンビで野球やってるシーンが二人足して9-0と9タコの本庄千景と塚原雫も仲良し。それなりにSSRが出ている勢だと、泉田京香と直江太結も仲が良い描写が多いけど、かたやベンチ外でかたや有原の控え。
一方でレギュラー勢を見ると和気あいあいという雰囲気ではなく、それなりに緊張感を維持しつつ絡みが多いという関係になっていて、有原翼・東雲龍・柊琴葉・竹富亜矢は競争相手として高め合っている側面があるし、椎名ゆかり坂上芽衣は贔屓の球団をダシに煽り合う関係。投手の倉敷舞子はいつもピリピリしている。
 
このあたりの「レギュラー勢はしまった雰囲気を出してて、控え勢はゆるい雰囲気を出している。誰も口には出さないけれど、そこには明確な違いと壁が存在する」という空気、野球のチームを描いた本質でしょう。
 
ハチナイは野球ゲーム部分はともかく、こうした空気の描写が非常に上手いゲームです。
 
野球ゲーム部分?
SSRの野球やってる確率40%が暗示するように、ちょうどシナリオ描写力の40%くらいの投球といったところでしょうか。しかしこれは手抜きをしているんじゃない。完投するための力配分をしているんだ。