当たり判定ゼロ

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ドマ式麻雀にまつわるエトセトラ

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基本的に誰かが麻雀の話を始めたときは「俺は麻雀が強い」という自慢を薄く引き伸ばしただけなので全件聞き流していいのですが、それはそうとFF14クリアしました。ゴールドソーサーにたどり着き、本編であるところの麻雀を開始して苦節3ヶ月。146戦でレート2008に到達して『MahjongMaster』の称号を獲得したんすよ。おかげで3ヶ月遊んでもまだイシュガルド入ったところだぞ。雀荘しか行ってなかったので。というわけで今日は麻雀の話をします。
 
有名な話ですが、FF14は麻雀を遊べる唯一のMMOでして、作中では「ドマ式麻雀」として東方から持ち込まれた文化としてプレイヤー同士で麻雀を遊ぶことができます。何でMMOでまで麻雀をやらねばならんのかは置いといて、多くの光の戦士がエオルゼアを放ったらかして雀荘に入り浸りとなりました。何でもプロ雀士までいるとかで、若葉マークで雀荘来る奴には気をつけろという話までありました。
 

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ただ、ドマ式麻雀を天鳳や雀魂等の麻雀アプリと比べると、正直劣るところが多いのも事実。
まず、システム面においてドラ表示牌がドラそのものという点。例えば「中」がドラ表示牌だとすると、通常の麻雀ルールだと「白」がドラなんですけど、ドマ式麻雀では「中」そのものがドラなんですよね。このとき本当のドラ表示牌は「發」なので、「發」が1枚少ないんですよ。これ忘れてしまう。「發」が1枚切れの状態で「發」を2枚重ねたら「あと1枚あるな」と思っちゃうけど実際は無いんですよね。一方で「中」はドラ表示牌で見えているにも関わらず、あと4枚あるので、計5枚見えることになる。見えてない牌を勝手に1枚消すんじゃねぇ……!としか言いようのない不条理で、普段麻雀やってる人間ほど忘れてしまう穴になってると思います。
たぶん初心者や外国人向けにそうしたんだと思いますけど、だとすると「中」がドラのとき「發」が1枚少なくなってるのプレイヤーに絶対伝わってないでしょ。ドラ表示牌はあくまでドラ表示牌であって次の牌がドラなのだと、何らかの形でわかるようにしてあげたほうが初心者雀士の今後のことを考えても親切だったはず。それが麻雀の本当のルールなのだから。
 
観戦機能と牌譜の再生機能が無い点もつらい。「上手い人のやり方を見て覚える」「過去の振る舞いを反省して改善する」は古今東西いつだって上達の最善手。麻雀も例外でなく、上達に行き詰まったら上手い人の牌譜見て打ち回しを勉強させてもらうのが一番なんすよね。データが少ないのも苦しい。上下するレートと累積ポイントの段位の2段階くらいの表示しかなく、和了率や放銃率のデータもないので「ちょっとオリすぎかな…」などと自分の打ち方の分析や反省もできないのはキツい。
全体的に自らの打ち方を自省するような仕組みが整ってなくて、上達のための努力をシステムがサポートしていない感じです。いや、何でFF14で麻雀うまくする努力が必要なんだと言われても困るのだけど…。
 
あと、牌を切るまでに与えられた制限時間が長いので、天鳳と比べると長考する人が多くてプレイ時間が長くなりがち。この制限時間の長さも初心者向けという感じありますね。長考する人がいるとわりと暇になるところもあるので、「明日の昼ごはん何食べようかな」とか考えるといいです。間違っても「私は本当に今生きてると言えるのか。死んだら意識はどうなるのか」とか考えだしたらダメ。時間ができると人間良くないことを考えがちなので気をつけて。
 
プレイヤーのレベルとしては、「ドマ式麻雀一般卓=天鳳一般卓」「ドマ式麻雀有段卓=天鳳上級~特上~鳳凰卓」という感覚が近い。2段階しかレベル分けがないので、有段卓にピンからキリまでごった煮になってる。序盤から大明槓してくるマンと雀プロが同じ卓で戦っているのはカオス。なので、快適で高いレベルの環境を求めたければ今でも天鳳鳳凰卓が鉄板というのは引き続きあると思いますね。
とはいえ、ドマ式でも強い人は強くて、何回か打つと「この人はヤベェな」という人は出てくる。その人とダンジョンでマッチングすることは全く無いけど、麻雀だと何回も会うし、対局中ずっと名前見てるんだから嫌でも名前覚えることになりまして。
そう考えると、コンテンツファインダーで一緒に冒険する人の名前はさっぱり覚えないけど、一緒に麻雀打つ人の名前だけはやたら覚える仕組みになってるんですよね。麻雀はFF14ゲーム内において、知らない人の個別識別を最も行いやすいコンテンツなんじゃなかろうか。いや、だからといって「一緒に冒険でも行きますか」ってなったことないですね。はい。
 

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全体的に麻雀ゲームと見ると苦しいところのあるFF14ですが、それら欠点を補ってあまりあるのが「自分のキャラで打てる」という点。
基本的にMMOの自キャラに対するプレイヤーの気持ちは、犬の飼い主の心理状態と同じで「うちの子が一番かわいい」というやつですよね。自分が打ってるんじゃないんですよ。うちの子が打ってるんです。そういう付加価値があるんですよ。そういう意味で言うとこれはもうQMAなわけですよ。雑学オタククイズ大会に美少女のガワを被せただけで大ヒットになるんだから、ガワってのは大事なんだなという教訓がある。要するに人間なんて自分の好きな画像が表示されていればそれでいいと言ってしまえば身も蓋もないけれど、だいたいそれで合ってる場合が多い。
 
麻雀はロボットバトルに似ていて、お互いが事前に組んできたプログラムを本番環境で競わせてどちらが効率的かを競う遊びみたいなもんですね。人間の手はプログラムを実行しているだけで、勝負は卓を囲む前から決まっているようなもんです。センゴク武田信玄も「戦う前に勝負を決めよ」と言ってた気がするし、やはり甲陽軍鑑はいつだって正しい。
その観点では卓に着く前に自分の麻雀プログラムをいかに磨き上げられるかが麻雀に強くなるポイントだと思うのですが、その場合の今でも鉄板の回答は「とつげき東北の『科学する麻雀』読んどけ」になろうかと思います。あの本は発売から15年が経ってるけど、未だに内容は現役。これ一冊読んでればだいたい大丈夫だと思うし、『科学する麻雀』に書いてることを徹底すればMahjongMasterくらいなら届くと思います。
 
それでも麻雀は4人で遊ぶゲームなので単純計算で4回に3回は勝てないことになるし、そういう目で見るとプレイ時間の75%は我慢を続けて脇役に徹するプレイングが必須というゲームに位置付けられるでしょう。「おりる技術」は「あがる技術」の3倍重要。麻雀は主演俳優ではなく名脇役が勝つゲーム。なので前に出ずに心を殺し続けることがわりと重要になるのだけど、その4回に1回だけのはずの快感が気持ちよすぎて、結論としてほとんどの人に「俺は麻雀が強い」と錯覚させるのは麻雀が優れたゲームであることの証明の一つにはなるのでしょう。
 
以上、最近のFF14でした。