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部屋の片付けはゲーム性が高い

半年ぶりのリリースが決定した期待作『部屋の片付け2』。既にファンの間では大いに話題になっているところだが、今日はシリーズ最新作となる本作の魅力を余すことなくお伝えしたい。
 
『部屋の片付け2』において、プレイヤーは雑然と散らかれた部屋を整理し、世界に調和を取り戻すのが目的となる。
前作『部屋の片付け』でフィーチャーされた、片付ければ片付けるほどプレイヤーの快適度が高まるという報酬体系はそのままに、新たにレイアウトの変更を行うことができるなど自由度が大きく高まっているのが特徴だ。セリアで販売されているDLC「収納箱」などを追加購入することで効率的に片付けを進めることもできる。
 
さて、ゲームを語るとき一般的に気になるのが敵の存在だが、本作に敵は存在するのだろうか?
結論から言うと敵は存在する。『部屋の片付け2』では、戦うべき敵は「過去の自分」だ。地面に投げ捨てられたコート、何に使ったかわからないケーブル、ガチャガチャ回して出てきたものの扱いに困って置いてる雑貨、本作と敵となるのはすべて過去の自分により設置されたオブジェクトだ。
 
「あれ〜、どこやったっけな〜」「なんでこれがこんなところに」など、プレイヤーは過去の自分がその時どう思って振る舞ったかを推測しながら戦うことになる。
 
この点において『マリオカート』のタイムアタックにおける対ゴースト戦との類似性も多く指摘されているが、過去の自分の振る舞いは再現性がなく予測不可能であることから、『部屋の片付け2』のゲーム性により深みを持たせている要素と言えるだろう。
 
一方で前作で見られた不満点が残されているのも事実だ。
多くのユーザーから「面倒くさい」と言う声が上がったが、それは続編である『部屋の片付け2』においても解消されていない。
 
だが、考えてみてほしい。そもそもゲームの楽しさは「抑圧と解消」によるカタルシスに由来する。覚えていないだろうか、倒せなかったボスを100回リトライして倒したときのガッツポーズを、更新できなかったタイムを遂に破ったときの快感を。ストレス行為こそがゲームなのだ。
 
『部屋の片付け2』には確かに面倒くささは依然として存在するが、それは部屋を片付けたときの達成感を得るための重要なファクターだ。努力はそれ自体に効果があるものではないが、達成したときの快感を増幅させる最高のスパイスとなりうる。この快感を味わうために頑張ろうともいう気持ちにもなるものだ。
 
筆者もまだまだプレイ時間が足りないが、本作は「1万回遊べるアクションゲーム」と銘打たれているだけあって、毎回ステージの形や攻略方法が異なる仕様となっており、プレイヤーを飽きさせることがない。ボリュームはかなりのものとなり、比較的リーズナブルに遊べるゲームと言えるだろう。
 
『部屋の片付け2』は、総じて自由度が高く、繰り返し遊べる作品であり、なおかつ奥が深い。極めた先に見えてくるものもあるだろうが、その先はぜひ自分自身の目で確かめてみてほしい。