当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

野球賭博2019 反省会

今年のシーズンの振り返りをしていく落ち穂拾いです。シーズン開始前の予想はこちら。データは基本的にDeltaから拾ってます。

パ・リーグ

1位 埼玉西武ライオンズ(予想順位:4位)
菊池が抜け、浅村が抜けた。それは確かに痛かった。総得点は減って、総失点は増えた。それでも優勝したのはライオンズだった。野球というスポーツは「どの守備位置を守る選手も均一に攻撃に参加しなければならない」点に特徴があって、守備的要素が重視されがちなセンターラインの選手の攻撃力が強いことはストロングポイント。森・外崎・源田・秋山とオールスター級がセンターラインを固める西武は浅村が抜けても強かった。衰えの兆しがあったおかわりがスタイルチェンジして3割近く打つの予想外すぎるのと、途中加入のニールが上積み要因。ニールは指標が悪いのでさほど良い投手ではないと思うけど、西武では普通にイニング食ってくれるだけで十分。オフシーズンは秋山の流出が確定と早速のマイナス要素で来季の天気は曇り予報。とにかく選手の流出の多いチーム。西武ドームの労働環境悪すぎるのでは。冬は寒くて夏は暑い職場は誰だって嫌ですよ。
 
2位 福岡ソフトバンクホークス(予想順位:1位)
ソフトバンクがこけるとしたら代えの効かない柳田の故障くらいだろうと思ってたら、本当にシーズン開幕直後に柳田が故障した。総得点がリーグ4位の582点、総失点はリーグ1位の564点で、優勝が最後の最後までもつれたことを考えると、故障した柳田とシーズン途中で帰国したグラシアルが規定打席立っていれば余裕で優勝していたのではと思わされる。現にポストシーズン入って完全体になってからは日本のどの球団と比べても頭一つ抜けて強かった。思うんだけど、DHの有無もさることながら、こういう絶対的なチームがあるとリーグのレベルは上がるんじゃないか。松坂がいた頃の横浜高校は強かったけど、その横浜高校を倒すために全国の高校が練習して屈指のハイレベルな甲子園になったし、この手の倒すべきターゲットとなるチームがあると、マラソンのペースメーカーみたいなもので、引っ張られて全体のレベルが上がる現象が起きるんじゃないか説。
 
3位 東北楽天ゴールデンイーグルス(予想順位:2位)
新加入の浅村とブラッシュは一流選手としての働きを見せてくれた。ホームラン30本打てる選手が2人増えたという戦力の上積みは大きく、得失点差はリーグ2位。もう一息で優勝に手が届く戦力はあったはず。それが届かなかったのは、ダブルエースの岸と則本が両方離脱してともにシーズン半分ちょいしか出れなかったことが大きい。則本も丈夫な投手だけど、2018年に3000球投げた則本と菅野が両方離脱したのはやはり球数の負担の重さなんですかね。選手の給料にも関わってくるから難しいのだろうけど、優勝に望みのないシーズンはエースの酷使を控えて来シーズンに備えたほうがいいんじゃないかとすら思わされる。とはいえ、総じて戦力は整っているので全員が健康であれば強いチーム。あとの課題は捕手か。ところで和田恋と古川侑利のトレードは今シーズン最大のサプライズ。古川侑利は二軍の指標が圧倒的な投手なのでトッププロスペクトかと思ったんだけどな。
 
4位  千葉ロッテマリーンズ(予想順位:6位)
西武に8勝しかしないのにソフトバンクに17勝キメた西武優勝の立役者。さすがに偏りが続くことはないだろうし、来季はある程度揺り戻しがあることを考えると、今季はロッテが開けた一筋の穴を西武が通ってみせたシーズンだったと言えるのかもしれない。新外国人のバルガスは穴の多い選手でOP戦見てもハズレ臭凄かったけど、あまりに悪すぎて100打席で切れたのは良かった。一方で、ハムが見切ったことで賞味期限切れてた疑惑のあったレアードが開幕から大爆発。終盤ガス欠して、結局打率.248HR32本という例年レアードに収まったけど。それと、故障しない荻野というのがここまで凄い選手だったとは。三振率も10%程度でBB/Kも0.71と高く、指標を見ても文句なし。ただ通年計算していいのか悩ましいのが荻野やね。投手では、種市とか去年のイースタンの成績もわりと普通なのに一体どこから生えてきたんだ。先発で奪三振率10超えはかなりのモンでしょ。
 
5位 北海道日本ハムファイターズ(予想順位:3位)
西川遥輝と近藤健介という鬼出塁マシーンがいるのにクリーナー側の選手がどうもパッとせず、攻撃力を発揮できなかった。翔さんが打率2割4分程度なのはまぁそんな選手だともうわかっている話なのでいいとしても、最大の計算外は王柏融なのでは。正直私も王柏融は本物で3割打つバッターだと思ってた。王柏融のミート技術の高さは台湾で毎年のように4割を打っていたことで証明されているし、高いレベルのリーグでも実力は発揮できるだろうと思ったけど、その考えは逆で、ミート力こそがリーグの違いに最も影響される要素だった。野球は投手と打者の相対的なスポーツやかんね。思えば松井がヤンキースに行って成績を落とした原因も投手のレベルの高さのせいに他ならなかった。あと投手の計算外はマルティネスで文句なしでしょう。まさか1球たりとも投げてくれないとは。レアードを切る余裕はなかったが、清宮に与えた278打席が未来に繋がると信じるしかない。
 
6位 オリックスバファローズ(予想順位:5位)
やっぱ山本由伸は凄かったね。ウェスタンで防御率0点台は伊達じゃない。単純に球が速くてコントロールが良いという基礎的なところがあるだけで投手は強い。加えてカットボールやフォークの変化度も大きく、画面で見てても速いボールが大きく曲がってるし、ピンポン玉でも投げてんのかとすら思うくらい。ただ、投げるときにカクッとなるフォーム見てるとめっちゃ壊れそうでそれだけが不安。一方で打者は吉田正尚が抜きん出ている。シーズン序盤で成績悪かったけど、三振多いわけでもなかったしアンラッキーが続いていて指標的にはそのうち揺り戻しが来る感じだった。こちらも技術的には抜群ながら腰の故障だけが怖い選手。それにしても山本由伸と吉田正尚という日本トップクラスの選手を抱えながら、トップ層とレギュラー層の格差が激しすぎないですかね。見方を変えれば、補強で手に入らないレベルの選手を抱えているから強くなりやすいチームとも言えるかも。
  

セ・リーグ

1位 読売ジャイアンツ(予想順位:1位)
セはダントツの野手戦力を誇るカープから丸が抜けたので、戦力均衡に近くなって面白くなると思ってたけど、案の定ペナントは最後までもつれた。ただし、巨人が強いというよりカープが弱くなったことによる均衡なんすよね。田中俊太や若林がレギュラー張って小林や投手が打席に立つ打線はどう見てもパリーグより何枚か落ちる。一方、投手は桜井や今村でローテが回り、防御率4点台の田口が毎日のように投げ、クビ寸前だった大竹がリリーフで大車輪の様相は、どこかジャイアンツ球場を感じさせる味わいがある。カープが弱くなった?それだけでは言葉が足りなかった。セリーグが弱くなった。だから巨人が優勝した。ところで日本シリーズの第2戦と第4戦で山本がエラーしてともに決勝点となったセカンドとサードは、シーズン当初の目論見が外れた吉川尚輝とビヤヌエバのポジションだったのは象徴的で、塞ぐべき穴はここにある。積み残した宿題はわかりやすい。
 
2位 横浜DeNAベイスターズ(予想順位:3位)
フルシーズンではないにせよソトをセカンドで使うことによって長年の懸案事項だったセンターラインの弱さに一応の応急措置ができた。宮崎が骨折するという非常事態も筒香が無難にサードをこなすことで解決。そうするとレフトで佐野が使えるしと、野手陣のウィークポイントには一応の整いがあったけど、ロペスが想像以上に衰えていた。30本以上ホームランを打つ打者であっても、さすがに出塁率が大和以下では得点への貢献度は高くない。筒香MLBに行く来季は、これまでと違い攻撃力不足に悩まされそう。投手陣も東が恒例のベイス左腕2年目のジンクスでほぼフルシーズン使い物にならない等、先発の駒不足が顕著。防御率5点台の大貫や京山が一軍の先発で出てくるのを見てるとよくこれで2位に入れたなと思うほど。実際得失点差はマイナスなのにこの順位はエスコバーをフル回転させて接戦取りまくって来た結果であり、最後は完全にガス欠になるまで戦った。
 
3位 阪神タイガース(予想順位:4位)
シーズン最終盤で6連勝キメて3位に滑り込んだのはお見事。ベイスターズとのCSも接戦ばかりで熱かった。ファーストで全ての力を使い果たしていたので、ファイナルはオマケみたいなもん。西・ガルシアと補強して甲子園をバックにリーグ屈指の投手陣を作り上げたけど、打たせて取るタイプのガルシアに阪神の守備をバックにするのは向いてなかった。ところで2019年の阪神といえばリリーフの強力さでしょう。50イニング投げた投手だけ限定しても、藤川1.77、ピアースジョンソン1.38、岩崎1.01、島本1.67、ドリス2.11と超低防御率がズラリと並ぶ。枚数の厚さも検討材料に加えるなら、近年どころか史上最強のリリーフ陣の一角に数えられる。特にPJは奪三振率13.96とクッソ高いのに四球も出さないのでK/BBも7.0あるし、Whipも0.80とランナーも出さない鉄壁っぷり。あのパワーカーブは日本で投げる投手がいないので一種の魔球のようになってしまった。
 
4位 広島東洋カープ(予想順位:2位)
2位までわずか1ゲーム差だったわけだし、ほんの僅かな何かがあればひっくり返っていた差だった。バティスタが普通にシーズン出場していたならば。明らかにぶっ壊れてストライク投げられなくなってた岡田明丈や薮田を登板させて2人で4敗しなければ。フランスアが僅差で失点して効率よく負けなければ。というかバティスタの出場停止とか、あれだけ安定してた田中広輔が2割も打てないとか、野手陣には不測の事態が起こりすぎた。一方で投手陣は勤続疲労の選手が多く、前年までも右肩下がりで来ていたので成績の悪化はある程度予想されていた。一岡・今村・中崎と3連覇を支えたリリーフ陣が見事に壊滅。前述の岡田や薮田はイニング数と与四球数が変わらないレベルのノーコンまで落ちてるし、往年の投手陣はもういない。田中広輔が復調して、一塁を守れる強打の外国人でも獲ればストロングポイントの野手陣は復活するので、投手陣の再整備が急務か。
 
5位 中日ドラゴンズ (予想順位:6位)
チームとしての強みは明確に野手陣の守備力にあるんだけど、このあたりの可視化がされたのがセイバーが普及した効果やね。ちょっと前だと京田はともかく平田や高橋周平の守備力の高さとか気が付かれなさそう。とくに平田は体型からするとスラッガーに見えて守備が良さそうに思えないし。けど毎年守備指標が安定して高い不思議な選手。投手陣では口から生まれたサウスポーこと大野雄大が復活して、前年の防御率8.56から突如最優秀防御率に。犬猿の仲の朝倉コーチが抜けた効果がここまで大きいとは。人間は「士は己を知る者の為に死す」という言葉にあるとおりの生き物だけど、その逆の自分を邪険にする上司がいる職場で十分に力を発揮することはできないわけですよ。あと、ドラフトで石川昂弥が獲れたの今後のチームにとってかなり大きい。ボールへのコンタクト能力だけじゃなくて選球眼も高校生としては群を抜いてる。すごい打者になるはず。
 
6位 東京ヤクルトスワローズ(予想順位:5位)
山田哲人という稀代の名選手をセカンドに抱え、上位打線の青木は.385という高出塁率を記録し、バレンティンは相変わらずの強打で、19歳の村上までもが36本打って、最下位というのは何かの間違いか。セ・リーグ三大魔境の一つ神宮球場でフライボーラーの高梨を獲ったあたりからも怪しかったけど、案の定投手陣の整備に失敗。リーグ唯一のチーム防御率4点台、それも4.78というダントツの最下位に終わった。特に去年一皮むけたと思った原樹理がバッピと化して3勝止まりで終わったのは痛かった。本来は石川雅規ではなくこれくらいの世代の選手がローテの中核を担わないといけないはず。先発がどうしようもなさすぎて、毎日のようにハフマクガフを見てた気がする。悪い話はこれくらいにして良い話をすると村上ですよ。ウイポで「超大物」のコメント出てるタイプだとは前にも言ったけど、ずっとNPBにいたら彼は一体何本のホームランを打つのだろうか。
 
 
いやー、今年も全然当たりませんでしたね。ただ、セ・リーグの優勝は広島の三連覇から巨人の復権まで4年連続で当てているので来年当てればWIN5です。ただヤクルトとか当てたわけではないので低倍率だ。
 
2019年、心にダメージを受けたオブザイヤーといえば、阿部慎之助の引退でした。
あの阿部が引退ですよ。それは確かに現実なんだけど、なんというかリアリティがないよね。というのも、パワプロのオートペナントを回してて阿部が引退する頃って、徐々に架空選手がスタメンで出始めるくらいの時代なんですよ。彼ら架空選手が出てくる時代に、実際の時間が追いついてしまった。そうなると、事実がどうにも嘘っぽく感じられてしまう。我々は今、架空選手が出てくる時代を生きてるのだとパワプロ脳が現実をオーバーレイしてしまう。ホントの現実はどこにある。
 
それ考えると年寄りってすごいよな。年上どころか同世代の有名人がバタバタと死んでいって知らない若い人でこの世が埋め尽くされていったら、現実が認められなくて精神を安定的に保てる気がしないですよ。