当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

プリンセスは金の亡者にならないために適切な資産運用とは

資本主義を憎んでやまないみなさんこんにちは。 「お金なんてあっても幸せになれない」なんて言いますが、この資本主義社会においてはお金がないともっと幸せから遠ざかってしまいます。「親の医療費がない! けど私は幸せ!」なんて人はいませんし、いたとすればそれは親を殺したい人かもしれません。 お金は幸せの十分条件ではありませんが、必要条件ですよねという話ではあるでしょう。 ところで、日本一ソフトウェアは去年『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』というクッソすばらしいダンジョン探索ゲーをリリースしてまして、あまりの内容の良さに10億円くらい株を買って「しばらく株価の心配などせんで良いから、作りたいゲームを作ることに専念したまえ、ホッホッホ」とでもやろうと考えたところ、10億円が手元になくて断念したのですが、それから株価2倍くらいに暴騰しました。10億買ってたら20億になってたと思うと夜も眠れません。クソッ、手元に10億円さえあれば…。 そんな日本一ソフトウェアが昨年末リリースした『プリンセスは金の亡者』に、次のようなやりとりが出てきます。   株の信用取引とFXで全財産を解かして人生終了した世紀末覇王の父親の仇を取るため、信用取引とFXを父親に唆したドラゴローンにプリンセスが復讐するというストーリーなのですが、素人に信用取引とFXを勧めてハメこむなんてさすがドラゴローンさんやでぇ…。エグい。 では、世紀末覇王のお父はんはどのような資産運用を行うのがベストだったのでしょうか? 投資を行う際によく出てくる指標として「S&P500」というものがあります。「S&P500」とは、アメリカの代表的な株価指数で、代表的な上場企業500社の時価総額を基に算出されます。製造業・金融・情報・生活・素材など様々なジャンルに自然と分散投資となるので、「アメリカ経済全体の成長」に対して投資を行うことのできるメリットがあります。 「S&P500」のこの5年間の推移は次のグラフのとおり。(Bloombergより) かのウォーレン・バフェットも自分の死後の資産運用にあたり「S&P500の投信買って寝とけ(意訳」と言うくらいですし、世紀末覇王のお父ちゃんもS&P500を買って寝てさえいれば娘を露頭に迷わせることはなかったのです。基本的に株式なんてものは経済成長率に従って推移するものですし、大雑把に言えば中長期的にはその国の名目GDP成長率程度の利回りは期待できると見て良いでしょう。ならば、経済成長率は一人あたりの生産性と人口の増加率から生み出されるのだから、生産性が高くて人口が増える国に投資してけば、利回りはプラスに収束していくのではないかと考えられるのです。 したがって、もし世紀末覇王になって莫大な資産運用を行うことになった場合は、アメリカへインデックス投資を行うことで大切な娘と国民を守っていくのが良いのではないかと思います。ご参考ください。 そんな導入だと、『プリンセスは金の亡者』 は、強欲な資本主義に復讐するようなストーリーに見えますが、プリンセスは現実主義者。敵であろうが、罠であろうが、すべて買収して自分の味方として運用します。ボスも再登場時は買収可能ですし、ほぼ全てのギミックが買収可能という金が全ての資本主義アクション。では、その買収資金はどこから持ってくるのかというと。 カツアゲします。さすがお嬢はんやでぇ…。 敵を数発殴ると「BREAK!」という状態になってピヨるので、そのタイミングでVitaの右スティックをグリグリ回すとジャラジャラお金が出てきます。これってまさか大阪府民に伝わる伝説の「ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしたるぞ」ってヤツなのでは…。ホント、スティックグリグリやってるだけで「あぁ、今ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしてるんだな」と思わされる感は不思議だし、過去最高に奥歯ガタガタ言わせてるゲーム。 この「人を殴って金を落とさせる」感覚は、くにおくんシリーズを彷彿とさせるところありますが、お嬢はんの容赦ないジャラジャラっぷりを見ていると、くにおくんもやはり関東育ちのボンやなという感じに。ちなみに登場人物は例外なく全員関西弁なので、ミナミの帝王見る手間が省けて便利です。 基本的には見下ろし型アクションゲームなのですが、アクションしながら買収もしなきゃならんのでめっちゃ忙しい。ただ先ほど考えた古来より伝わる格言にあるとおり「忙しいゲームは良いゲーム」なのです。仕事は忙しいと良くないのにね、不思議だね。 20億さえあれば、会社辞めて配当金や不動産賃貸収入生活でノーストレスに暮らしたいなと思うのだけど、そのような暮らしをしている人はわりと実際に結構いたりするので、やっぱ資本主義ってクソだわと思いました。