当たり判定ゼロ

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反資本主義のシャドウバース

「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」とはマルクスとかいうヒゲもじゃもじゃおじさんの言葉ですが、現代においては、ことゲームにおいても階級闘争が始まろうとしています。

SSRはレアより強く、レアはノーマルより強く、ノーマルはSSRに…強くない。

三すくみなんてものは存在せず、よりレア度の高い方が一方的に勝利するブルジョワ優位のピラミッド。暴力的で面白みのない構造は、けれども絶対的な枠組みとしてゲームのルールに降臨する。

けれどそれで良いのだろうか。ゲームの世界でまで金を出したものが勝つ。

金持ちがどこの世界でも勝ち続ける現実は認容されるべきものなのか?

金持ちが、憎いか?

不動産賃貸収入の不労所得で暮らしてる奴が、憎いか?

1ヶ月くらい休み取ってクルーズ旅行に出かける社長が憎いか?

ーーよろしい。ならば闘争だ。

では、手始めにお手元のシャドウバースを起動ください。

シャドウバースには、レジェンド、ゴールドレア、シルバーレア、ブロンズレアの4種類のカードがありますが、シルバーレア以上は出る確率が低いことからブルジョワジーの使うカードなのではないかという疑惑があります。

したがって、我々プロレタリアートに許されるのはブロンズレア、これだけです。これにより、レア度の高いカードを贅沢に使うブルジョワジーたちに鉄槌を下しめん。貴重カードを市民に渡さず、独占的に使う金持ちには、革命の刃を突きつけなければなりません。

貧民を率いるにあたって、まず、どのリーダーを選ぶかを検討します。

基本的には資源がものをいう長期戦は不利となるため、短期決戦を基本原則とします。「短期間で完了すること」は革命の必要条件であり、長期化するとリソースを豊富に有する政権側が優位に立つのは過去の事例を見ても明らかです。したがって、長期戦向きのドラゴン、ビショップ、ウイッチは選択から排除するのが適切でしょう。

次に重要なのがフィニッシャーを有することです。貧民は資源がなく、盤面を制する力に乏しいことから、唯一の勝ちパターンは「前半のうちにいくらかリードを作り、徐々に相手に優位を奪われながら、相手が十分な力を発揮する前にドサクサにまぎれてライフを削りきる」この全盛期の柴田善臣みたいな方法しかありません。

そういう意味では、まず盤面を相手が制している状態から勝つことが前提になるため、フィニッシャーは相手のライフに直接ダメージを与えられるフォロワーやスペルが好ましいでしょう。したがって、フェイス打撃力の低いエルフ、守護に盤面を抑えられると弱いロイヤルは選択肢から外されます。

そうなるとヴァンパイアかネクロマンサーが残りますが、ヴァンパイアは、ヴァンピィちゃんや夜の群れなど意外と序盤にゴールド・シルバーのブルジョワカードが必要になる一方で、ネクロマンサーのブロンズレアには「後半に直接ライフを削って勝つ」というコンセプトにピッタリのカースドソルジャーがいるため、ここはネクロマンサーを選ぶのが好ましいでしょう。

フォロワーに「リッチ」とかいう名前の奴が紛れ込んでいるのが気になりますが、見渡すとワイトとかスパルトイとか貧乏くさい顔した連中ばかりで、貧者のクーデターとしての舞台を整えるにピッタリのような気がしてきます。

そんなわけで今回構築したデッキはこちら(クリックで拡大)。

全部ブロンズなので、再構築コストはエーテル2000個と非常にお得な感じがあります。

想定する勝ちパターンとしては、序盤で直接フェイスを殴れるタイミングで、進化または「研磨の魔法」を使ってライフを削り、カースドソルジャーでフィニッシュという形になります。というかそれしか勝ち筋が見えないため、カースドソルジャーを出す際にファンファーレを使えないことがないよう墓場の数を逆算して動いていきましょう。

ポイントはダークコンジュラーの使い方。気軽に出せるゴーストは打点1兼ソウルコンバージョンの宛先と見ても、敵フォロワーの処理役と見ても使い勝手が良く、序盤の柱となってくれることでしょう。

では早速ランクマッチに持っていき、世界を革命する力を見せつけていきます。

「フォロワーたくさん出す形になるから使うシーン出てくるかなぁ」とスケベ心で1枚だけ入れといた運命の泉いらない説渦巻く中、緒戦はいわゆるテンポエルフに敗戦。シンシアやエンシェントエルフを贅沢に使ってくるブルジョワジー感あふれるデッキでした。我々プロレタリアートはこのような資本主義の暴力を決して許す訳にはいかない。今回は敗戦という形で一旦決着となったが、いつの日か第二第三の反資本主義セクトが現れ、貴様を討ち滅ぼすであろう。

戦には破れましたが、あらん限りの負け惜しみをぶつけ精神的に勝利したところで次戦へと進みます。

か、勝った…。

いわゆる疾走ビショップとエイラビショップの中間みたいなデッキでしたが、先行押切のスタンスで進化を連打してたらいい感じの交換ができることが多く、相手に余力を残させて勝つことができました。大体そもそも8ターン目までに戦力使い切って勝つしか勝ち筋がないのだから、運命の泉とかソウルコンバージョンみたいな「次に繋げる系」のカードは不要でした。考えてみれば、革命の失敗に二度目はないのです。

しかし2戦目でいきなり勝てても逆に振り上げた腕の落としどころがなくなって困るというか…。何かもうちょっと理不尽な圧政に対して労働者の怒りが爆発みたいなのがあってカタルシスになるというか、広島カープも25年ぶりに優勝したというバックグラウンドがあるからこそ盛り上がるのであって、前段階なしにいきなり勝っちゃっても特に何もなくなっちゃうというか…。とにかく困ります。ちょっと男子~、しっかり圧政やってよね~。

物質的にも精神的にも勝利を収めたことで次戦へと進みます。

その後も、カード引きまくって死神で自爆するナイスガイに助けられたりしましたが

横に広げられても、単体で強いフォロワー並べられても、全体的に除去する力がなく苦しみます。

メアリーの次のターンにソウルディーラー投げたら強いねとか理論上の話かと思ってたけど、メアリー除去できなくてマジに食らっちゃったよ!

中盤以降の支配力を高めたい同志諸君はインペリアルマンモスなどの採用を検討してください。

   

そんなわけで10戦回してみた結果3勝7敗でした(Shadowverse Logを利用)

ぶっちゃけAクラスなんで何とかなっちゃう部分があったのですが、真に反資本主義の精神を浸透させるためにはやはりAAクラスやMasterクラスでの革命を実現する必要があると思います。ブロンズに「死の舞踏」などの強カードがさりげなく入っている今はブルジョワを打倒するチャンスとさえ言えます。同志諸君の活躍を期待します。

実のところブロンズ縛りやってても相手全然気がついてくれることもないし、対戦で会話できるわけでもないので、やってみるとわりと虚しいなコレ感すごいのですが、資本主義の恥ずべき誘惑に負けない強い魂を育てることができるので、あ、ひょっとすると教育にもいいのではないかなという思いを持ちました。対戦をして遊べるだけでなく、遊ぶだけで心まで磨かれていく…。なんてお得なゲームなんだ…。

資本主義を憎み、シャドウバースを清く正しく遊んでいきましょう。