友ヶ島にクリムゾンを追って
モテるには旅行ネタか動物ネタが鉄板という話を聞いてなるほどと思い、せっかくなのでデスクリムゾンのロケ地として有名な和歌山県の友ヶ島に行ってきました。
友ヶ島といえば、旧日本軍の砲台跡が適度にくたびれつつ残されていて「ラピュタっぽい景色が見れる場所」として旅行誌とかで取り上げられることの多い無人島ですね。なぜ日本人は廃墟の建築物が植物に侵食されてる景色を見るとすぐラピュタとか言ってしまいますか。ラピュタ認定委員会は絶対に次のラピュタ候補として甲子園を狙ってるよな。甲子園は野球が法規制されれば真っ先にラピュタ化しそうな案件。
停泊してる船が「らぴゅた」号とか名付けられてたり、島にある海の家から「あのち~へい~せ~ん~」って音楽が流れてくるし、便乗感が最高にクールだと思いました。
友ヶ島までの交通手段は、和歌山県の加太港からの船(友ヶ島汽船)になります。往復2000円で、所要時間は20分。便の間隔は1時間に1本弱程度ですかね。
和歌山の加太までは、大阪方面からの電車だと、南海でなんばから約2時間ほどで行けます。
車だと電車の乗り換えがないので若干それより短い時間で行ける感じ。ちなみに加太港の駐車場料金が1日700円でした。(最近値上げしたっぽい)
加太駅から加太港まで少し歩かないといけないので、車で行ける距離なら車で行った方が良いかも。
乗船する船は「ともがしま」号。「らぴゅた」号とは何だったのか。定員は110名と結構収容人数は多い。早めに乗ると席に座れます。速度が速く、船が小さいのでかなり揺れます。
乗客のうち外国人が2割程度いたんですけど、どこでどう知ったんでしょ。
友ヶ島は無人島ですが、歩いて一周しようと思うと4時間くらい必要で、適度にハイキングの楽しいアイランドです。デスクリムゾンのOPの景色はだいたい第三砲台跡に集中してるので、砲台跡のある東側を不審に徘徊するだけなら2時間あれば十分です。
第三砲台跡はこの写真で有名ですね。旅行誌なんかに掲載されてる写真はだいたいこの角度。実際見ると結構情緒ある風景なのですが、殆ど人がいないので無人になるタイミングを待つ必要もなく、きれいに写真が撮れます。
デスクリムゾンのOPに登場する景色は、ほぼこの第三砲台跡の半径50Mで揃います。
「ドバァーン…」という爆弾っぽい音がして、建物の中に入っていくシーンの場所。第三砲台跡の入口。
「上からくるぞ! 気をつけろぉ!」の階段。上記の有名な角度の写真にチラッと写ってる右側の階段がそうです。
現在では危険のため立入禁止に。一体何が上から来て気をつけないといけないのか当時はさっぱりわかりませんでしたが、ここの上からだと第三砲台跡全体が見渡せるのですごい有利なポジション。確かにこれは気をつけないといけない。
なんだこの階段はぁ!?
有名な角度の写真の場所からまっすぐ少し歩くと、なんだこの階段が見つかります。ここは普通に階段を降りて中に入ることができます。角度がかなり急なので転ばないように注意。
とにかく入ってみようぜぇ…。
中は真っ暗なので、懐中電灯を持っていかないと何も見えません。スマホのライトでもなんでもいいので、光源だけは確保していってください。ただ、光源はむやみに振り回さない方が良いですね。人間、見ないで済むなら見ないほうが良い物もあるのじゃ。
中を進むと右側に人間ひとりがやっと通れるくらいの細い通路があります。OPだと「とにかく入ってみようぜぇ…」の少し後に出てくるカットと思われます。
ここで顔の右側に何か黒いものがよぎったので、右を向いてライトを当てると大量のカマドウマが顔の目前の壁に張り付いてて「ホビャボボバババ!」みたいな悲鳴を上げて逃げるハメになりました。こういう背筋ゾワゾワ案件、当分ごはんが美味しく食べられなくなるので、狭くて冷たいところで周りキョロキョロするのはダメ絶対。あの光景のフラッシュバックに一生苦しめられる感じあるので早く死んで忘れたい。人は生きれば生きるほど抱えるトラウマが増えていくよね。
最後に赤の扉を選択する前のシーン。「せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ」
例の有名な角度の写真の建物を入った中の場所です。あのOPだと画面をぼかすことで奥にある窓を扉っぽく見せて、その中の一つが赤い扉だったという解釈と思ってたんだけど、そういう理解で良いんだよね?
こうして越前康介はクリムゾンを手に入れた…。
それはそうとして、友ヶ島はお散歩コースとしても景色が良いし、小さい島ながら起伏も激しくいい運動にもなったりするので、キャンプやハイキング目的で来ている人が多くいます。自然がそのまま残ってる分だけ、カマドウマに限らず虫も多いので虫よけは必須。
夕方16時くらいには島からの最終便が出てしまうので、どれだけ遅くとも往路は11~12時くらいの船に乗って行ったほうが良い感じ。
第二砲塔跡は終戦時に爆破されてるので味わいのある絵になってたり。
海沿いの崖道を風を受けながら歩けたり。
海が見渡せる高台から淡路島が見えたり。
旅館の廃墟があったりします。観光客で賑わっていた時期もあったんでしょうか。
ポイントポイントで、緑の芝生が広がっている場所があるので、シートを広げておにぎり食べてる人や、ゴロゴロ転がってる人がいたりしてみんな楽しそうにしています。
行くのに高速艇に乗れてちょっとテンション上がるし、無人島で良い景色のお散歩を楽しめるし、廃墟もあり、それでいて費用もそんなにかからないので、クリムゾンを探す目的じゃなくとも関西圏のお手軽に行ける無人島ハイキングとして見て普通に良い場所なのではないかと思いました。