当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

気がつけばここは世界樹の永久

人間、一生のうちに覚えられる量というのは限りがあって、その器が上限に近づいてくると新しい情報を拒否する最終防衛ライン的な機構が働いて侵入者を排除してしまうのが、年取ってくると新しいゲームが辛くなってくるメカニズムじゃないかなと思ったりもするんですけど、FPSってそのへん見事に解決してて素晴らしいですよね。

とにかく何遊んでも左のトリガーを引いて構えて右のトリガー引けば銃弾出るんですもん。そりゃメリケンもゲーム卒業しないでいつまでもFPSばっかやってますわという話ですよ。言葉はいらない。脳にやさしいトリガーハッピー

最近は世界樹と不思議のダンジョンやってるんですけどね。これ日本人、というかこれまでのゲーム文脈を共有する人たちにとっての「いつものアレ」感すげえっすね。

世界樹の迷宮といえば、Wiz、和名でいうところの30年もの歴史的耐性を誇るドラクエ・フォーマットの延長線上ですし、不思議のダンジョンといえば、ローグ、和名でいうところのトルネコ・フォーマットの延長線上ですし、操作しなくても画面を見ただけで遊び方伝わってくるので、アメリカ人が左トリガーで銃を構えて右トリガーで発砲するような安心感があります。よくご飯食べに行くところって、行く前から味が想像できるようになって何だか食べた気にすらなれるんですけど、あんな感じ。

ぶっちゃけ本作、ガワだけ変えたポケモン不思議のダンジョンじゃねーかみたいなところもありますし、D.O.Eとかちょっとヒネったところで、総じて見事なまでに目新しさはナッシングなんですけど、食べ慣れてるのでめっちゃ胃に優しい味です。バファリンの半分の正体がずっと謎でしたが、こういう成分で出来ているのだと思います。

「思えば人間はずっと安心したかったのだ」みたいな話は昔からあって、物語の定番の作り方なんかだと「行って帰ってくる物語」というのがあって、総じて「まず喪失があってそれを回復させるために主人公が非日常な冒険をして最終的に日常に帰ってくる」みたいな作りで、不安な状態を解決して安定に導くことでカタルシスが得られるようになっています。私は読書感想文で職員室に呼び出しを食らったことがある程度には国語には詳しいので、信頼できる情報です。

また、定番の音楽理論でも、安定的な和音であるトニックコードからサブドミナントコード、不安定な和音ドミナントコードへと移行し、聴き手の不安を煽ったところでトニックコードに回帰し、聴き手を安心させ、気持よくさせるというのがあります。この和音遷移を繰り返すことで曲を作っていくのですが、不安・回復・不安・回復という連続がプリミティブな快感要素だとか何とかいう話です。私は演奏するだけでは飽きたらずギターで野球をしていたほど音楽に詳しいので、信頼できる情報です。

世界樹と不思議のダンジョンも、変わったゲームかなと思いきや、視点が上になったいつもの世界樹という感じで安心が得られますし、それだけではなく、ゲーム内でもダンジョンに潜って帰ってくるという「行って帰ってくる物語」で構築されていますし、マトリョーシカのような入れ子構造的に安心が楽しめるゲームかと思います。

よく覚えてないですけど、福本伸行も何かの著作のどこかで言ってたじゃないですか。「お前らが得たいのは安全圏のスリル。助かってから、危なかったね、大変だったねと言いたいだけなのだ…」みたいな趣旨のこと。確か言ってた、よね……? 全然覚えてないけど、そのとおりなんですよ。全く正しいですよ。危ないところに行って、帰ってきたいだけなのです。ただシリアとかは危ないので、世界樹に行くだけなのです。たぶんこれからもずっと。

だからつまり、我々が毎日毎日会社に行って帰ってくるのも不安を煽られた後に安心を獲得するための原初からの欲求に基づいた行動様式だったのだ!と指摘してみると別にそんなこともなくて、実際生活のために嫌々行ってるだけですし、それから考えるとここまでの話もそれっぽいだけで別にアテにならないということですね。インターネットにはウソしかないですね。

んで、クリアした時点の編成。私は友達もいなくて取り込んだ外部パーティの数が未だに0なのでみんなもっとQRコード晒そうな!

 

ソードマン・ダンサー・ルーンマスター・メディックの構成。リンクプラスとチェイスサンバかけて、凍牙の印術で着火するスタイル。凍牙の印術が三連撃で、それぞれ個別に追撃がかかるので連続ヒットがモリモリ入って気持ち良いです。ただちょっと革命の都合上、氷結属性以外からきしダメなので氷属性のダンジョンとか涙しかないです。