ゲーム業界各社決算まとめ - 2014年秋
ゲームのコントローラーはかつて単純でした。Aボタン、Bボタン、十字キー、セレクト、スタート。ゴリラでも遊べる入力系はユーザーの心理的な障壁を下げ、老若男女を問わず多くの人々に親しまれました。しかし、ゲーム機の進化とともにコントローラーも進化を遂げ、今や10を軽く超える入力方法が存在するのが当たり前となっています。
我々ゴリラにとって、それは死活問題でした。ようやくLボタンを覚えたと思ったら、LBとLT…? L3ボタン……どこにそんなボタンが? えっ、アナログスティック押しこむ? このしいたけの頭みたいなボタンは何ぞや? ウホ……。
ゴリラは、ゲームを遊ぶ以前に、コントローラーを理解することができませんでした。
なぜ人間はゴリラに対してそのような意地悪をするのか。ゲームの歴史はゴリラの歴史。類人猿に理解のあるパナソニックがゴリラファンへ向けたカーナビ「ゴリラ」をリリースして商売敵としていたソニーはまだしも、任天堂はゴリラのゲームで成功することで今の地位を築いたのではないか。ゴリラに対する裏切りではないのか。これにはさすがのゴリラも怒りのメガトンパンチ。
そんな傷心のゴリラに温かい手を差し伸べたのが、ソーシャルゲームでした。ガチャのボタンを押せば強くなれる、ボタンひとつで相手を倒せる。画面と入力系が一体化したインターフェイスはゴリラの好みをすべて知り尽くしたかのよう。新時代のコントローラーに対応することができなかった多くのゴリラが、難民のようにソーシャルゲームに押し寄せたのです。
しかし、それはまたしてもゴリラを陥れようとする人間たちの卑怯な罠でした。ゴリラがモノを知らないのをいいことに、ゴリラの財産を搾取しようと企んでいたのです。「バナナを食べるためのお金がなくなった」「仕事中にゲームしてたら動物園をクビになった」と言い残し、同志たちはひとり、またひとり森へと帰って行きました。
人間に、利用され、弄ばれ、そして捨てられたゴリラたち。彼らは去って行きましたが、決してゲームへの情熱を失ったわけではありません。もし森や動物園で彼らを見ることがあれば、大きな声でこう呼びかけてください(念のため補足すると、ゴリラは耳が遠いので聞こえるまで呼びかけてください)。
「おい、そこのゴリラ!今からくにおくんの時代劇一緒にやろうぜ!」
ゴリラはすぐにファミコンの本体を手に、あなたの元へ馳せ参じるでしょう。ゴリラはゲームを愛しているのです。
ここまで話して大変申し訳ないのですが、実は、これはすべてウソの話です。というのも、ゴリラはゲームを遊ばないからです。読み飛ばしていただけましたでしょうか。
ここからいつもの決算の話です。それぞれ企業ごとに決算期が違い、半期経過している先が多いので、半期以上経過している先はそこまで記載し、1/四までしか経過していない先は、前の決算と、参考に第1四半期の数字を掲載しています。
決算? うるせぇ、こちとら復刻ワンダフルマジックガチャに飛びついた含み損で首が回らねぇんだ!という状況ですが、スタドリトレーダーの皆様は元気でお過ごしでしょうか? とほほ~もう反発狙いはこりごりだよ~(画面端の丸枠で消えながら
ついに短信から「アイドルマスター」の文字列がなくなりました。パソコンが壊れているのかと思ったよちひろさん。代わって飛び出したのがレベルファイブのビッグサクセス妖怪ウォッチ。当初計画の売上70億を400億に上方修正するなど当社予想の遥か上を行くヒットで上方修正は完全に妖怪の仕業。何でも子どもたちは妖怪のせいにするとか言いますけど、かたや大人たちは妖怪のおかげとありがたがっているのだから、人間成長してもあまり変わらないですね。
ところで元々借入の少ない会社でしたが、いつの間にか無借金経営に。装置産業の箱モノやってる企業でこれはすごい。逆に言えば、最近箱モノ投資が少ないということの裏返しでもあります。そう、全般的に好調なバンナムの決算ですが、内訳を見ると不調なのがゲーセン。ゲーセン産業は、全体のトレンドとして売上の減少という市場規模の縮小にあわせて、不採算店舗の閉鎖によるコスト削減が行われて結果的に収支改善の傾向にあり、バンナムも立ち直りつつありましたが直近ではまたしても赤字に陥っています。さらに消費税の再増税というワンツーパンチの二発目も控えており、値上げの難しいゲーセン産業はこの数年まさに正念場といったところ。バンナムに限らずセガ、スクエニのゲーセン事業の収支も軒並み悪化しており、またゲーセンの店舗数減が加速しそうで日本人の生活水準が下がらないか心配です。
セガサミーが儲かっているときはサミーが儲かっているときで、セガサミーが儲かっていないときはサミーが儲かっていないときで、業績が悪いのはつまりサミーが悪いというわかりやすい構造です。パチスロもゲーセンと似たようなもので、ここ数年市場規模が右肩下がりの業界ですから、その煽りをモロに受けている形。ゲームもダメ、パチスロもダメ、ならばカジノで……となるのは自然の摂理ですが、法案全く進みませんね。gdgdしてないでやるのかやらんのかどっちでもええからはよせーやと思ってる関係者は多いのではないでしょうか。これだけ法案遅いと、結果的にオリンピック直前で法案が通ったものの箱モノの建設が間に合わず、そこにはヤクザから日本家屋借りて丁半博打が行われるジャパニーズカジノの姿が……!とかなりかねませんけど……考えてみればそれはそれで外人が喜びそうで良いかと思います。
あとやっぱりジャパニーズカジノには麻雀ですよ麻雀。日本には西京麻雀というすばらしい博打が存在することを世界の人々に知ってもらう良い機会かと。数百億単位のカネかけて「ぐにゃ~」していく世界の大富豪。2020年。ここは東京。資本主義の成功者たちの終わりの地。
しかし最近の全自動卓は「リーチ☆」みたいな間の抜けたボイス出てくるから億のカネをベットする雰囲気なくてダメですね。やっぱ、ツモった時はパンと牌を軽く叩きつけて「ヨンセンハッセ」とかボソッと言うようにしないと「あぁ400億払わないといけないな」と相手を納得させることはできないでしょう。
しかしセガの短信のコンシュマー事業で代表的なゲームが真っ先にペルソナとか書かれるあたり時代を感じますね。おそらく来年であろうペルソナ5も楽しみですが、世界樹の新作まだですかね。リメイクでローコストに資金回収してるの悲しみしか生み出さない感あれど、それでも名作の3がリメイクされたら買ってしまいそうな自分が憎い……!あ、あと今必要なのはライドウなのではないかという電波が、頭を……。
んでねー、最近セハガール見てるんですけどねー。あのアニメの老人ホーム臭すごいっすね。ゲーム的老人ホームの具現化ですよ、セハガール。セハガールみたいなアニメが流れてる老人ホームであの手のゲーム文脈持った人たちと昔話をしてゲラゲラ笑って過ごすのが最高の余生みたいな人生観を示してくれるアニメって感じです。最近、早く老人ホームに入ってそんな余生を過ごすことばかり考えて生きています。
前年比で足元では好転しており、通期でも前期にちょいのせ程度の着地で落ち着きそうで底打ち感を見せた感じ。ソーシャルのヒットがなくなって安定感のあるいつものコナミさんが帰ってきた。毎年リリースできるスポーツゲームがゲームソフトの主力で、スポーツクラブも定期収入の商売なので、傾向として本来ブレが少ない会社のはずなんですよね。たまにメタルギアがリリースされる年だけ売上がポンと乗ってくる形。なので、コナミの決算説明資料にあるゲームジャンルの分類は「野球」「サッカー」「メタルギア」「その他」となっていて、非常に潔いというか身も蓋もない感じがあります。何も知らないおじいちゃんの株主とかがメタルギアを新種のサイバースポーツか何かと勘違いしていると良いですね。
課金の導入で何かと話題になったパワプロ2013ですが、結果的にサクセスで9校を無料で追加配信してくれて非常にボリューミーな作品に仕上がりました。野球部分もよくできており、決勝戦で負けた後「時間を戻す」という選択肢が出現さえしなければ全体的に良いゲームだったと思います。あまりにもサクセスの追加配信が長く続いたものだから2014が出るのか心配でしたが、杞憂でした。さすがに開発期間の問題もあり、ペナント・マイライフは前作のマイナーアップデートですし、サクセスもボリュームは小さいですが、久々に栄冠ナイン搭載ですよ!栄冠ナイン!おかげさまでパワプロ2014リリース後は睡眠時間ガッツリ減って、仕事中は目を開けて寝ています。ボーっとしている時に動画が流れてきたら「すべての育成好き族に……」とか「すべての野球族に……」とか無意識に書いてしまうレベルであり、最近正常な判断が全くできていませんし、今犯罪を犯したら心神喪失で無罪になりそうで安心しています。
スマホゲーもネトゲもバランス良く伸長して上方修正。夏前はドラクエSLの打球の勢いがなくなってたんでフェンス前の外野フライかと思いましたが、ジワジワと滞空して結果ホームランですね。スクエニのド本命は国内のSLではなく、中国のFF14だと思っていましたが、この辺はさすがドラクエの破壊力。一方、スクエニ両輪の片割れFFはスマホで感動が蘇りすぎてて一体何回蘇ってきたのかよく覚えていませんが、モバゲーのレコードキーパーがヒットしているようで、あれ、一体ブリゲイドさんはどうなったのだろうと記憶の中の何かが囁きます。そもそも私、ブリゲイドやるためにモバゲー始めたんですけどね…。
期初の売上予想が低かったのでFF15が今期リリースしないのは既定路線でしたが、動物園をオープンカーで走り回るイケメンのPVがファイナルファンタジーとして公開されることは既定路線ではありませんでした。公式でコラ画像推奨ですし、完全に芸風が地下鉄から降りたつライトニングさんのそれ。いっそのこと画面の右下に芸人のワイプ付けといて、プレイヤーの一挙手一投足に芸人がゲラゲラ笑って反応してくれるゲームにしたらかなり面白いと思うのですがどうでしょうか。王子が面白いこと言うとイチイチ画面下に説明テロップ入って、クリアしたらエンディングロールに「おちまさと」とか流れてくると雰囲気出てすげえクールジャパン。今や全世界にリリースされるFFで、ぜひメリケンたちにも本場の空気をご堪能いただきたい。
前年比で大きく落ち込んでいるように見えますが、モンハン4Gが10月発売なので売上に計上されていないことによるものです。少し会計的な話をしますと、一般的に売上が大きく下落した時は人件費等の固定費を支えきれなくなって赤字となりますが、今期のカプコンは赤字となっていません。というのも制作中のソフトにかかった費用については、仕掛品勘定として一旦資産計上されているためです。ゲームが発売となると、資産に計上した金額を費用に振り替えます。同時に売上が経つので収支両建てとなり、処理の時期が一致するわけです。こういう会計処理をしないと開発時期の長いソフトなどは、前期は費用だけかかって大赤字なのに、今期は売上が立って黒字というバランスの悪い処理になって実態が把握できなくなってしまいます。したがって、資産の仕掛勘定を見ると足の長いソフト開発をやっているかどうかわかるわけですね。今期の仕掛勘定が多いのはモンハン4Gにかかるものも多いと思われます。
仕掛勘定の話で余談ですけど、クソゲー作ってることにうっかり気がついちゃって、開発中に「やべぇよ……これ売れねぇよ……」というヤバイ事実が判明した場合は、資産に計上した開発費について、発売を待つことなく費用処理してしまうこともあります。ザクッと言うと、100の費用かけて開発したソフトは、100の資産計上処理をしていまうが、60しか売れないという見込が立てば理屈上60の資産価値しかないわけですから、40を事前に損失で落とすという会計処理なわけです。ゲームにかぎらず、ソフトウェア開発業ではしばしば見られる処理ですね。
それにしても、モンハン、バイオ、ストリートファイター、ロックマン、デビルメイクライ、デッドライジングと偉大な作品を生み出したカプコンの開発力は誰もが認めるところですが、どれも末尾の数字が大きくなってきていて老朽化してるのが寂しいところ。箱360でデッドラ・ロスプラを立て続けにリリースした頃のカプコン健在感をまた味わいたいんじゃ~。とりあえず、ゴッドハンドの新作つくろう、な? まずは主題歌作るところから始めようか。
カプコンはやたら外国人から愛されており、外国人持ち株比率の高い会社としても有名ですが、3期前22.17%、2期前27.05%、前期32.37%、直近期37.29%とここ3年でもモリモリ比率を増やしています。決算後、筆頭株主も辻本一族の資産運用会社から米国の投資会社ハリス・アソシエイツに変わっています。買収対策として、今年の株主総会でポイズンピル条項を発議しましたが否決されてしまいました。どれだけ勝算があったのかわかりませんが、カードを切って失敗したからには何度も同じ手は打てませんので、今一番アメリカ大陸に近い会社と言えるかもしれません。
最近好調のコーエーが過去最高の上半期利益を達成しています。配当収入も加えた経常利益は、相変わらずのソシャゲ専業レベルの高水準。資産を活用した財テクで営業利益から経常利益までひと押しあるのがデカイですね。ランナップを見ても、お得意のシミュレーションから、無双シリーズ、アトリエシリーズ、零シリーズと打線が組めそうなくらい選手層が厚くなってきた感があり、利益も伴ってガストやテクモを買収した甲斐もあったというもの。「これが投資というものだ」みたいなシブサワ・コウの会社運営シミュレーションゲーム。余った現金は有価証券へ。バランスシートを見ても資産のほとんどが固定資産に投入されており、上場企業らしい資産効率の高さが実現されています。
余談ですけど、基本的に資産というのは長期で運用したほうがリスクを伴う代わりに利益が出る構造になっていて、たとえば銀行なんかは、いつでも解約される可能性のある預金として調達した短期資金を長期資金として企業に融資する形の「流動負債で調達して固定資産で運用して利ザヤを取る」というのが根本的なビジネスモデルです。貸し倒れのリスクを抱えてもも、資金量が大きいため総量としてそのリスクが取ることができるという構造こそが銀行の利益の源泉です。ただ、固定資産というのはすぐに回収できない資産、流動負債というのはすぐに支払う必要のある負債ですので、利益を追ってリスクを取りすぎるのもキャッシュに詰まる恐れもあります。
前に話しましたが、ソニーは銀行で利益を得ている代わりにこの構造を内在させているため、信用を失うと一気に資金流出して飛ぶよ、というのが一方で抱えるリスクでもあります。その点コーエーは、株式発行や利益で蓄積した自己資本で固定資産を賄っていますから資金的に問題のない、安定した資金運用ができていますね。
バランスシートというもののは、「左側が資産。右側が負債」と覚えるよりも、「右側は資金の調達方法。左は資金の運用先」と繋げて覚えておくようにすると、その企業が少しわかった気になれて良いかと思います。まぁだいたい気のせいですけど。
そうそう、WiiUの零の新作ですけど、手記を拾って少しずつ世界設定がわかる探索も良いですし、ゲームパッド使った戦闘も独特ですし、テクモの培った3D美少女技術は神の域に達してますし、「ディ・モールトベネ!(とても良い)」「ディ・モールトベネ!(とても良い)」ってテレビの前でメローネみたいに言ってました。「こうあって欲しかったバイオハザード」の未来な感じでした。
コーエーが資産の運用にかけての人中の呂布とするならば、ファルコムは資産を運用しないことに関しては誰にも引けを取らぬ馬中の赤兎。何を言っているかわかりませんが、とにかく今期もたくさん現金が余りました。ファルコムは毎期決算前に大物をリリースするので、今期も決算期時点だと閃の軌跡2のリリースで売掛・買掛ともに膨らんでいますが、今ごろは売掛も無事回収されて現金化されていることでしょう。有価証券に変えていれば今ごろアベノミクスの恩恵でシブサワ・コウみたいにウッハウッハやったのに…。ただ、逆のケースもあるわけで、固定資産に変えるということはリスクを抱えると同義。この資産配分から見えてくるのは、とにかく手堅い経営方針。これだけ売上を伸ばしても販管費の給与がほとんど現状維持という水準で、事業拡大に向けた増員を行っていないことが伺われます。利益の拡大を使命とする上場企業でそれやっていいのかという議論はありますが、とにかく手堅い。営業利益率50%超とかもはやピーク時のソシャゲのレベルですし。ひょっとすると本人たちはPCゲーム作ってるのと何も変わらないレベル感でやってて、変わったのは売上数だけなのかもしれません。
今はPS4向けイースの新作を作っているようですが、来期の業績予想は固め。錬金術じゃないですが何事も等価交換で、ファルコムは手堅さと引き換えに事業規模の拡大を犠牲にしているので、この人数だとこれくらいの売上規模が上限なのかもしれません。
それにしても戦場をPCからPSに移してからのファルコムはまさに無双。ゲームメーカーとしての実力は昔から変わらず屈指だっただけに、市場の大きい場所で戦うということがいかに重要かということを思い知らされる事例です。
EVAC社。軍産複合体やる傍ら、元々ソーシャル分野には先立って参入していて青い海の利益をさんざん享受してきた側なのに、どうしてこうなった…。STGとソーシャルが悪魔合体して生まれたドンパッチンも短信説明資料に「ゲーム性や世界観が独特なため継続率とLTVが低い」と自虐とも言えないコメントが書かれるファクトにこう突っ込む人は多いことでしょう。「今更そんなこと言われても……」
だいたい、戦車から男の首を生やしながら「ウェーハッハッハ」と大笑いしながら弾幕張ってくるボス作ってしまったり、ラスボス戦でダンスエナジーが最高潮に達して自機がなぜか無敵になるバグ……じゃなかった最高に燃える演出があったり、「光翼型近接支援残酷戦闘機」みたいなよくわからん日本語を意気揚々と考えちゃうタイプの会社なのだから、ドンパッチンなんて1分もプレイして1回ガチャでも回してみれば「あ、これイカれてますわ」って魂から伝わってきますって。もういっその事、この閉塞した世の中に活を入れるために「オッケーィ!!」「イェス!!」「フィーバー!!!!」とか終始男性オペレーターが叫びまくるアツいぜアツいぜアツくて死ぬぜ~~!みたいなゲーム作ってフロムみたいな方向性で生き残ってくれないかなと願うファンは多いと思います。
まぁそんなわけでかなりの高水準の赤字で非常に苦しい局面が続いていますが、バランスシートは健全で、手元現預金は豊富に保有していることからすぐにどうこうなる話はないのですが、ここ2年以内程度を目処に立て直しが完了しないと、人類をより高みに到達させる使命を果たす道が遠のきますのでなんとか踏ん張っていただければ。
あと、最近スマホで虫姫さま配信されましたけど、ライセンス貸与の形なのでリスクを取らない収益になって良いですね。スマホ虫姫さまは、リアルタイムでどちらがスコアを稼げるか競うネット対戦がウリですが、NHNが配信してるので対戦相手に韓国人がモリモリ出てきて、STGに不慣れな韓国人を狩る無慈悲な戦場となっているのでネトウヨの方にオススメ。ただ課金ゲーでもあるので、上位陣は韓国人が独占していますが。負けると「こいよベネット!課金なんて捨ててかかってこい!怖いのか?」と負け惜しみを言いたくなるのが日本人の悪い癖です。てへっ。
パッケージソフトはどうしてもディスガイア一点頼みなので、それに続くタイトルを作らんと新規IPポンポン出してくる姿勢は本当にイカします。ただディスガイアのない年はモロに業績崩れますので、年刊誌ディスガイアの発行とその他チャレンジングなソフト数本という基本構造が続いています。
足元では昨対比で利益が落ちているのですが、それでもソシャゲのディスガイアを抱えるオンライン事業が売上3.6億、営業利益2.1億とよくわかんない水準。そんな流行ってましたっけ。その他ダウンロードコンテンツもここに含まれるので利益率が高めに出るのかもしれませんが、日本一は決算説明資料ラフなんで外から見えづらいんですよね。3月決算の説明資料ですらまだアップされてないですし……。もしかして忘れてるのかな……。
ところでちょっと楽しみにしてるのが大江戸Blacksmithなんですが、あのゲームの特定の顧客層狙い撃ちっぷりと収集&育成RPGっぷりから漂うのは、圧倒的アリスソフト臭……!公式ページもエロゲの作りと何ら変わりないですし、ホント一部の大きなお友だちしか遊べないニッチゲー出してきましたね。手を出してみたくもあるんですが、ケータイ機のくせに外で遊べないという矛盾を抱えてて困ると思ったらそもそもVita外で遊べないゲームばっかりだったので安心しました。
お前らデビッド・ワイズの時間ですよ。ドンキーコング新作の音楽ほんと良かったので聞いとけ。ちょっとステージ始まるまでにローディング長いのが玉に瑕だけど、相応に歯ごたえのある難易度も昔のアクションゲーの延長線上っぽくて、古き良きシステムが、ガワだけ最新技術を導入してそのまま未来に進んできたみたいな感が。WiiUゲームパッドの活用?君は突然一体何を……?
ここ数年は、いわば夷陵の戦いでいうところのWiiの成功で伸びきった戦線に朱然が火を放ったみたいな状態でしたが、売上は減らしつつも経費節減努力もあり、ようやく出血を止め、利益を残せそうな耐性を築きつつあります。
しかし、まさかクオリティ・オブ・ライフとかいうコナミの後追いみたいな方向に舵を切るとは思いませんでした。マイクロソフトもKinectの開発はゲームだけじゃなくて副次的に他のジャンルにも技術転用していくから価値があるのだみたいな話をしていましたが、発想のネタとしては任天堂も同じでしょうか。睡眠時間削ってゲームさせてた任天堂が、睡眠の品質を計るツールを開発するようになるとは。そのうち睡眠警告ロボとか作りだして「睡眠ノ品質ガ低下シテイマス。寝ル前ノスマブラヲ中止シテクダサイ」みたいな共食いアプローチみたいなのしてほしいです。未来感あふれる。最後は「NO FUTURE」とかディスプレイに表示して人類に抗っていく方向で。
しかし、Wii以降の任天堂は現世を楽しんでいる人向けのサービスという感ありますね。Wiiで家族の団欒を肯定し、3DSで外にでることを肯定し、正のカルマ的なものをこれでもかと前に押し出してくるのは、昔お茶の間で敵視され、叩かれたアレルギーみたいなものでしょうか。
そうそう、毎回任天堂の短信は「当社グループは、「ゲーム人口の拡大」という基本戦略に基づき~」という文言から始まるのがお約束だったのですが、今期からこの文言が外されています。この手のお題目は、適当に書かれているように見えて実際のところ経営者が相当重視する部分ですので、わざわざ外したからには今後の経営方針が表象されている意味合いは小さからんことかと思われます。
赤字でした。PS4が売れてゲーム事業が黒転してもなお赤字でしたが、見た目より悪くない決算です。
というのもモバイルを除く全事業が前年同期比で収支改善しており、ローカストホールみたいにデカい穴空けて毎年赤字垂れ流し続けたテレビも良く売れたらしく、よほど嬉しかったのか「売上高は前年同期比14.7%増加の1,997 億円となりました」と個別に特記されている始末。長年の懸案事項だったからね。仕方ないね。
PS4もテレビも売れて金融も相変わらず好調。ではなぜ赤字なのか、という話になるのですが、一言で言うと赤字の原因はスマホです。しかしながら、この事業も通年の収支だけで見ると黒字なのです。さらに、ではなぜスマホが赤字なのかという話に突っ込んでいく必要があるのですが、今期は「営業権」の償却を1,760億円行っているのです。営業損失が157億円ですから、営業権の償却がなければ十分に黒字だったことがわかります。じゃあこの「営業権」って何やねん、というのがここの話。
一般的に、100の価値のある会社は、100のお金を出して買えるものではありません。売る側に利益がないからです。買う側も、買収することによる自社とのシナジー効果を織り込んで買収しますから、ある程度の糊代を持って買うことになるわけです。
簡単な例を出すと、たとえば100の価値の会社を150のお金を出して買ったとき、会計処理として150のうち100については処理が簡単ですが、残る50については処理ができません。相手方となる資産がないからです。とはいえ、150のお金が出て行っているわけですので、150分の会計処理をしなければなりません。そのため、この50については「営業権」という見えない資産を買ったのだと解釈して、バランスシートに資産計上処理します。ソニーの場合は、ソニー・エリクソン買収のときに資産額より多く支払った金額を営業権として資産計上していたわけです。
更に言うと、この「営業権」については、日本と米国で処理が異なりまして、日本の場合は一律5年で減価償却していきます。買収したからには5年で元を取れという考え方ですね。一方米国では、原則営業権は償却処理しません。考え方としては、減価償却の期間について合理的な算定ができないことから、価値がないと判断された時に一括償却することとなっています。個人的には、日本の会計制度のほうがわかりやすいので好きなのですが、ともかくもソニーは米国会計基準を採用しているので、今次決算で営業権を一括償却して損失で落としました。買収に伴う利益が想定よりも出なかったため、営業権として計上していた資産には価値がないという理屈ですね。これが赤字の原因です。
ともあれ、このような事情で結果赤字となったソニーですが、言いかえれば資産の中に隠れていた膿を出してしまったとも言えます。資産計上していた営業権は損失処理してしまったのだからもう存在しないわけで、一時的な損失です。一方で商売にかかる恒常的な収支についてはすべて好転しているという構造から次回以降の決算を考えた時どうか、というのがこの決算が見た目より悪くないという話に繋がってくるわけです。ここ数年クソみたいな営業損失を、不動産の売却や保険金収入のような一時的な収入で見た目だけ取り繕ってきたのと逆のパターンですね。
決算とは、あくまで過去の時点の状態を切り取って表したものです。だからまたテレビが売れなくなるのかもしれませんし、PS4もこのまま好調を維持できるとも限りません。とはいえ、これまでのソニーで見れなかった基調が決算の中に隠れていたのも事実だと思います。
それにしてもPlayStationPlusってあれだけ安くてゲーム遊び放題なのに儲かるって、あの仕組み考えた人えらすぎないですか。逆に言えばやりたくないゲームに対しても強制的にカネ出させる仕組みですよね。しかもその商売道具が過去の資産というあたり、前向きのカネがかからないのでなんともやりくり上手な発想。昔、いわゆるカイゼン関係のお仕事をする人から言われたことがあります。「例えばシステムなんかに新しい投資をして業務が改善するのは当たり前の発想。二流や。カネをかけないで今あるものを工夫して使う方法を考えることこそ改善。一流よ」
正直、誰もが投手力を課題に上げている中、セ界三大魔境の一つ横浜スタジアムを本拠地としながら得点リーグ最下位という結末が待っているとは。しかも、ついに大器筒香が覚醒しOPSは.902を記録、グリエルもOPS.884と高水準、梶谷もOPS.793と初のフルシーズンで相応の結果を出しつつ盗塁は39と躍動。ブランコも怪我がちでしたが、OPSは.822と、期待以下ではあれどそれなりの数字。こう見ていくとやはり課題はセンターラインなんですよね。
リーグ優勝した巨人は2012年にチーム力がピークアウトして力量的にはそこから落ち目が続いていると思いますが、未だに勝てているのは本来打撃に目を瞑りがちなセンターラインに攻撃力があって、そこが他のチームとの差になっているからですよね。翻ってベイスのセンターラインを見ていくと、セカンドで使うときのグリエルを除けば、黒羽根、白崎、山崎、そしてキャプテン・タケヒロと、目を覆わんばかりの貧打ぶり。特に、年々改善傾向にあるといえど、キャップのフリースインガーぶりが直って出塁率が高まれば、クリーンナップ打てる長打力のある打者が揃ってるだけに、得点力が相当違うと思うんですけどね。さすがに出塁率3割前後の打者に500打席与えるハンデは結構重たいですよ。野球というのはアウトを27個取られるまでに何点取れるかを競うスポーツです。言い換えれば、アウトを取られなければ無限に攻撃できるスポーツですので、いかにアウトを取られないかということが重要なファクターでありまして、だからバントというものは(省略されました。続きを読むには捕手の石原が砂をつかむのを見破ってください
一応会社の話もすると、さらに野球の話になるんですけど、今期からついに野球単体の利益が開示されたんですよ。前年度の2Q以降からの数字が開示されていますが、そこから1年の数字を取ると売上が67億円、営業損失が19億円となっています。考えてみると当たり前ですが、四半期ごとに見るとシーズン中はトントンで、オフシーズンになると赤字垂れ流しになるんですね。DeNAがベイスターズを買ってからの平均観客動員数は、2012年16,194人、2013年19,802人、2014年21,730年と右肩上がりになっていて、チケットの売り方とか見ても色々考えていることがわかりますし、最初に「ウォーオーオオ、ディー・エヌ・エーベイスターズ♪」を聞いた時はどうなることかと思いましたが、本当にいい会社が球団を買ってくれたものだと思います。
モバコインの消費で見ると、直近の四半期で底打ちを見せつつあり、第3四半期では増収予想となっているなど久々に強気の姿勢。落ちたとはいえ、未だにコーエーレベルの営業利益率を維持しているわけで、パチスロの歴史を見ても搾取ビジネスは強いという事実を改めて再現している形。ただ気になるのが、モバコインの有効期限は1年で切れるといえど、ユーザーが今も死蔵しているコインって結構あると思うんですよね。DeNA側の売上はモバコインが売れた時点で処理するわけですから、ユーザーが戻ってきても、手元のモバコインを消費されただけでは売上が立ちません。いわば売上の先食いをしてる形になっているので、モバコイン消費量が回復しても売上としては一瞬の立ち上げ遅れみたいなのがあるのかもしれません。
(追記)DeNAの売上計上はモバコイン消費基準なので立ち上げの遅れは発生しないようです(@garmyさんにご指摘頂きました。サンクスです
どうして恋するソシャゲプレイヤーは聖戦ケルベロスのことを想うと「沙羅双樹の花の色~盛者必衰の理をあらわす~」と突然琵琶法師みたいな口調で語りだしちゃうの? 一時期新宿駅とかでアホみたいに広告貼ってたのは一体なんだったんでしょうね。
DeNAと同じく売上の減少が続いていますが、コストカットで利益率の減少にストップがかかりつつあります。カットしたのは、主に人件費、手数料、広告宣伝費。ボーナスという制度は、こういう時に弾力的に人件費の削減ができるから便利な仕組みですね。手数料は変動費ですから、売上の減少とともに自然減しますし、広告宣伝費は恣意的に落とせますし、わりとコントロールしやすいところを落としていった形です。しかしDeNAの野球を除いた事業の営業利益率が直近の2Qで22%ですから、全盛期でもそうでしたがGREEの方が利益率が依然高い形。絵に謎の付加価値を付けて高値で売りつける商売は、突き詰めるとGREEの方が上手かったのかもしれません。
しかし、そんな時代も終わりを告げ、GREEもネイティブにシフトする方向で開発人員をシフトしています。ブラウザのデータにバカみたいにカネを払う狂想曲は一体何だったのか。昔、信長がただの湯飲み茶碗にブランドという無形の価値を付けて武将たちの褒章にして財力を蓄えたように、絵に本来以上の価値をつけてカネを払わせたやり方は確かにソシャゲ戦国時代の天下を取ったはずでした。
しかし信長のやり方は賞賛されるのに、GREEがやるとケチョンケチョンにされてしまいます。信長とGREE、どうして差がついたのか、慢心、環境の違い……。このことから我々が学ぶところがあるとすれば、やはり搾取するなら農民からではなくて武将からが良いということですね。まずはソシャゲやってくれる武将を探すところが重要ということです。
この前久々にプロンテラの音楽聞いてたんですが、ほんと「人生が終わっていく音」という感じで良い音楽でした。
ゲームとは本来多かれ少なかれ人生を終わらせる要素を含有したものであるので、役に立つとか立たないとかの物差しで考えるのが間違いなのかもしれません。いつか「ゲームって何の役に立つの?」みたいなスレが立ってたのですが「そんなこと考えてるならはじめからゲームなんてやってねーよ」というレスがついてて、これに尽きるであるなぁと思うなどしました。振り返っても、後先考えないで遊んでた頃が一番楽しかったですよ。出世、成功、義務、努力。ポジティブもネガティブも振り払い、何も考えないで遊ぶゲームがベストです。打算なんてゴミ箱がいいところです。
前期からオンライン事業が赤字になってしまっているようです。今期はセグメント別の記載をやめてしまったので、内数がわからないのですが、前期末の時点で右肩下がりだったのできっとダメでしょう。当時ですら「ゲーム付きチャットソフト」呼ばわりされてたゲームですし、ネトゲって人が人を呼ぶところがありますので、一度過疎ったゲームが蘇る確率は極めて低いと思われます。今、プロンテラ噴水広場には何人の人間がいるんでしょうね。いや、あのゲーム人間じゃない生物も多いから……。いっそのことラグナロクバトルオフラインを公式でオンライン化して最後の花火を上げてくれると泣いて喜ぶ人たくさんいますのでぜひ。あのゲーム定期的にやりたくなるところありますよね。
パズドラは完全に頭打ちになっているのですが、なかなか落ちはしませんね。どれだけユーザーが入れ替わっているのかわかりませんが、遊んでいる人はお母さんがやってたドクターマリオみたいにずっと遊んでいる気がしますし、これだけ長い間多くの人に楽しんでもらえたゲームって歴史の中でもなかなか無いんじゃないかと思います。
財務を見ると、歩く現金磁石みたいな感じで毎期現預金と自己資本を積み増し続けていって、形としてはファルコムと似たような状態に。買収したスーパーセルの持ち分も親会社ソフトバンクに売却して現金のあるところにまた現金加算してたりして、せいけんづきする前に力をためたハッサンみたいな状態になっていますが、あのソフトバンクグループがファルコムみたいに貯めこんだまま終わることはないでしょうし、あっと驚くようなカネの使い方をしてほしいところですね。灯りを点けるために札を焼くとか。
【総括】
- DeNA、GREEのソシャゲ組が勢いを落としているほか、コンシュマー組は概ね底堅い動き。セガサミーも実質的にサミーがコケてるだけですし。ハード組もソニー、任天堂が回復基調。省いていますがコロプラ、Mixi、Klabあたりのネイティブ組も勘案すれば、業界全体として見ても堅調と言えるのではないでしょうか。
- 一方で消費税増税の影響もあって、ゲーセン関連が軒並み悪化しています。ただでさえ市場縮小産業なのに、売上からお上の取り分増えちゃって、あまりの政府の酷な仕振りに神尾春央も減税を訴えるレベル。百二十円玉さえあればこんなことにはならなかったのに…。小渕さんは二千円札なんて作ってる場合じゃなかった。
- 改めてバランスシートを見るとどこもカネ余りの状態で、カネはあっても企業の投資が伸びないというのを表した一面ではあろうかと思います。おまえらまとめてシブサワ・コウにお金預けて増やしてもらえと言いたくなります。
- しかしケイブがSTG出さなくなったら本当にSTG出ないですね。ほら皆さん、ここのスペース空いてますよ!みんなの大好きなブルーオーシャン!ブルーオーシャン!
- 1万5千字くらいでした。まとめというよりは、もはやひとり雑談スレみたいな状態になってて、壁に向かってブツブツ言ってるみたいで大変気持ち悪い感じにキマってきたのではないでしょうか。このままでは病院から出れなくなってしまうので、次で最後です。ただゲーセン産業だけ抜粋して数字取るのだけは当面続ける予定です。ゲーセンは外部環境の悪化著しく、隕石が降ってきて大津波が来るディープインパクト状態ですが、結果どう着地するにせよいつか歴史を語れるようちゃんと数字は残しておきたいところです。