当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

モバゲー版『本当にあった怖い話』が面白い!

まぁ嘘なんですけど。 モバゲーといえば、ブームに乗っかって雨後の筍のようにクソゲーを量産し「まーた美麗なカードを強化・合成させて君だけのデッキでライバルと競い合うゲームが生まれてしまったのか」という感動をユーザーに提供するプラットフォームとして知られているところです。 ところが最近は「バトルスピリッツ烈火の炎…美少女競泳メドレーバトル…かつて綺羅星のごとく輝いたクソは没して今はなく、小粒なクソばかりとなってしまった…」と諸葛孔明も嘆いたように、淘汰の名のもとに次々とサービス終了が続いてしまう始末。ソシャゲバブルが天井を見せつつある今、「強化」「合成」「君だけのデッキ」のソシャゲ三種の神器をもって金太郎飴のように量産されたコンパチクソゲーも、心なしか一時に比べれば新規リリースを目にしなくなった気もします。 「我々は死んだ魚の眼でボタンを押し続ける楽しみが体験できなくなるのか…」「相互招待特典でユーザー数を水増しする職人の技術はこの先失われてしまうのか…」と、まるでクソゲー・オブ・ザ・イヤーのテンプレイントロみたいな文章で不安になるモバゲー住民の元に新たなクソゲーが届けられました。 上記のタイトル画面からは、一見普通のクソソシャゲのような印象を受ける『本当にあった怖い話』ですが、ゲームを進めればその奥深さが理解できるのかもしれません。早速進めてみましょう。ちなみに、このゲームの通貨は「ほん怖ポイント」とかいうなんのひねりもない名称なのでやる気がなくて好きです。 モゲマスで例えるとわかりやすいと思うのですが、モゲマスでCute、Cool、Passionの3すくみ属性があるように、「呪属性」「怖属性」「怨属性」の3つの属性があります。「呪」とか「怨」とか字面的にも怖いので、とりあえず「怖属性」で初めてみるようにします。モゲマスで言うところのCool属性ですね。 ソシャゲの伝統、開幕レアカード配布!というわけで早速レアカードをゲットしました。モゲマスでいうところの千早ですね。よく見ると「くっ…」とか言ってそうな表情です。 ちなみにこの「呪属性」「怖属性」「怨属性」の優劣については謎です。ちょっと遊んだ今でも完全に謎です。「呪属性」は「怖属性」に強いとかそんな説明もないですし、バトルで効果も発動しないですし…。これ一体選ぶ意味あるんでしょうか…?他にもギフト(贈りもの)の一括回収ができなかったり、デッキのも他に1つデッキを作ってそれをコピーするという方法でしか変更できなかったりして、今時のソシャゲの最低限の機能すら備えていなかったりします。 なんかね、これは少し嫌な感じがするなー、おかしいなーってあたしこの辺りでちょっとずつ気がつき始めてきたんですね。 メニュー画面なんですけどね、SPってやつがいわゆるスタミナ、BPってやつが攻コストにあたると考えてください。でもね、スタミナが10しかないということは、何回かボタンを押して少しお話を進めただけでスタミナが切れてしまうんですよ。ゲーム時間わずか20秒から30秒。たったそれだけなんです。まるで「行くな…」「進むな…」という誰かの意思が働いているかのように感じられましたね。ここであたしピーンときたんですよ。これは霊の仕業なんじゃないか…って。 これがゲームのミッション画面なんですけどね。これをボタンを押してダーっと進めていくわけなんですよ。でも驚いたんですけどね。ミッションを進めていくと次の話を読めるんですよ。これってソシャゲのお仕事システムを上手く使った仕組みだなーって、あたし感心したんですよ。 あとから考えてみればね、もうここでね、霊の忠告に耳を傾けてね、やめておくべきだったんですよ。でもその時はそう思わなかった。やっぱりね、気になって眠れないんですよ。ソシャゲといえばガチャじゃないですか。ガチャ。それでね、ガチャ、回しちゃった。ほん怖ポイントつかってねー、ドゥワーっと。一体何が出てくるのかなーって。 そしたら家電製品ばかりズラーーっと出てくるんです。私ね、それ見た時ね「うわー、嫌なもの見ちゃったなぁ…やだなー怖いなー」って思ったんです。だってこれ怖い話がテーマのゲームでしょ?ひょっとして霊がこのゲームをどうぶつの森と勘違いして家電を集めているんじゃないかって。あたしはなんだか怖くなっちゃって。でもここで妙だなー、何か足りないんじゃないかなーって思ったんだけど、その時はあまり気にしなかったんですね。 それから月日が流れて7日後、ひょんなことからログインボーナスでレアガチャチケットをもらったんですよ。 あ、これはラッキーだなーって思うでしょ。さすがにレアガチャなら大丈夫じゃないか。ここでドワ~っと怖いカードが出てくるだろうなー、そう思っていたんですね。ガチャをね、引いたらね、ザーッと画面が乱れたり人形の髪が伸びたり家族が亡くなったり起こっちゃいけないことが起こるんじゃないかって。そうやって思いながら恐る恐るそーっとレアガチャを引いたんですよ。 そしたらね…。 家が出てきたんです。原因はわからないけど、やっぱりこのゲームはどうぶつの森だったんだねーすれ違い通信できそうだねーって思ってブラウザを閉じたの。 それから1ヶ月して、あたしもそんな怖いことがあったなんてすっかり忘れてプロデューサーとしての日常に戻っていたんですよ。でも風の便りで霊が呼んだんですかねぇ。たまにはプレイするゲームを変えてみるかと思って、アクセスしてしまったんですよ。 こんなことって、あるんですねぇ…。 さっきまで生きていたはずのサービスが……。 死んでいたんです…。