当たり判定ゼロ

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この惑星を守るのはいつだってアメリカだ

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よう、俺だ。前大統領だ。テキサスの片田舎に引っ込んで数年になるが、ジャップのみんなは元気にしてたか? 震災や原子力問題などの困難も承知しているが、アメリカの偉大なる同盟国はこんなことで挫けはしないと信じている。俺の国であるアメリカも、海が石油塗れになったり失業率が10%近くまであがったりと色々あった。オバマの温いやり方については気に食わねぇが、それは奴が嫌いだからってわけじゃない。ただ俺は差別と黒人が大嫌いなんだ。

さて、このたび地球防衛軍シリーズの新作『EDF: Insect Armageddon』が俺たちのアメリカから発売された。同シリーズは俺も大ファンであるのだが、EDF北米支部が毎度のように壊滅するので頭に来ていたのだ。だってそうだろう? なぜ世界最強の軍事力を保有する俺たちがジャップより先に壊滅するんだ? 常識的に考えておかしいだろうが。俺たちは世界最強なんだ。最後まで侵略者と戦うのは俺たちアメリカでなければならない。最近は「E・D・F!E・D・F!」ではなくて「U・S・A!U・S・A!」の方が適切だとさえ考えている。そんなわけで、地球防衛軍の新作がアメリカから発売されるという判断を俺は評価したい。

本作は(アメリカで開発されたので当然だが)アメリカらしさが増して、より俺好みになったと言える。
まず、タイトルメニュー画面の背景が燃えるガソリンスタンドなわけだ。ジャップのみんなもハリウッドの映画で覚えてくれたとは思うが、ガソリンスタンドが炎上するのはアメリカ的様式美の一つだ。
ゲームを起動するたびに目にするタイトルメニューにこのモチーフをあてがったことは、このゲームがアメリカンスピリッツの元に作られていることを象徴している。

蟻の巣穴の破壊方法も変更された。『地球防衛軍3』までは遠くからロケットランチャーでも当てて破壊していれば良かったが、今作では巣穴まで接近し、爆薬を設置・爆破しなければならず非常にエキサイティングな仕様となっている。
この破壊方法について、どこかで見覚えがないか? そう、FPSだ。有名どころでは『Call of Duty』シリーズで、しばしば戦車をスティッキーボムで破壊するシーンがあったから、思い当たるジャップもいるんじゃないかな。映画でも『プライベート・ライアン』で同様のシーンを見ることができる。
そしてこれらはアメリカのゲームであり、映画であるわけだ。このように、蟻塚の破壊方法の一つをとってもアメリカンスピリッツが浸透していることが見て取れるだろう。

また、今回は武器のみならずアーマーもそれぞれ独特の機能を持った4種類の防具から選択することが可能となった。
前作までと同じ性能の「トルーパー」、設置兵器を使える「タクティカル」、重装備の「バトル」、空中飛行が可能な「ジェット」の4つだ。俺自身、空軍に所属していたこともあって「ジェット」を愛用しているが、ことアメリカ的という観点からは「バトル」が望ましいだろう。ジャップのみんなも「バトル」を使ってこれまでと一味違う地球防衛軍シリーズを体感してみてほしい。

ストーリーについては今のところ賛否両論あるようだが、終わり方が気に食わない奴には、わが国の映画『インディペンデンス・デイ』を見て欲しい。どうせ結論としては似たようなものだから、十分に代用可能と思う。

ここまで一人のアメリカ人として今回のEDFについて話してきたが、俺としても一つだけ不満に思っている点がある。既に述べたとおり俺はEDFシリーズの大ファンで、これまで大いに楽しませてもらってきた。その際に俺は、人気のあるジャパニーズ・アーティストである「JAM PROJECT」の音楽を流しながら遊んでいたのだ。
JAMの音楽はEDFシリーズに非常にマッチする。当初、俺は今作のEDFも同じようにxbox360の機能で「JAM PROJECT」の音楽を流してプレイしていたのだ。しかしどうにも合わない。原因はわからない。俺は和の心を理解するのでこの微妙なニュアンスの違いを感じることができたが、さすがにウチの国の連中にそこまで求めるのは酷というものだろう。
十分に遊べるEDFアメリカから発信された。ひとまずはそれで良しとしてほしい。