当たり判定ゼロ

シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

神奈川県警、オブラディン号の謎を解く

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前々から「Return of the Obra Dinn(以下オブラディン)」がえらい出来である、みたいな話はかねがね聞いてたんですけど、この前SwitchとSteamでセールしてたんで買ってみたんですね。
秒速で話が変わるけど、Steamのセールはセールしてるときに山ほど買うよりも、やりたいゲームをストックしておいてセールに背中を押してもらってそのまま遊ぶのが正しい使い方ですよ。山ほど買ったら絶対遊ばなくなりますよ。電子書籍でもバカ買いするたびにそう思います。はい。
 
で、オブラディンですよ。
これ何のゲームかというとジャンル的にはアドベンチャーになるんでしょうけど、保険調査官であるプレイヤーは5年間消息不明となっていたオブラディン号に乗り込み、60人の乗員あるいは乗客についてどうやって死んだのか(あるいは生きているのか)をすべての人物の真実を突き止めて報告するのがゲームの目的です。
 
保険調査官と言われてもそんな職業に馴染みがないんでピンとこないですね。要は乗員がちゃんと船員としての義務を果たしていたのなら保険金を払ってあげる必要があるだろうし、そうでないなら保険金なんて払う必要はないだろうし、まずはその真実を確かめる必要があるという話ですね。
 

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プレイヤーはオブラディン号内の残留思念(死体があった場所)を見つけて、依頼人からもらった懐中時計を使うと、その人が死んだタイミングをモノクロ写真で切り取ったような情景を見ることができる謎の能力があります。便利な能力ねー。
 
「ならどうやって死んだか判別するのなんて簡単やんけ!」ってとこなんですが、これが案外そうじゃない。死因を当てるだけではなく、その人の氏名まで当てなきゃならんからですね。
 
例えばあなたはヨドバシカメラにいます。そして「これがヨドバシカメラに来店しているお客のリストですよ」って渡されても、目の前にいるヒョロっとした兄ちゃんの氏名が誰かなんてわからんわけです。
一応、国籍や職業なんかのヒントがあってどこかのピースから判断がつくようにはできているらしい(最後には消去法になってしまう人もいるらしい)のですが、さっぱりわからん。マジでわからん。ヨドバシ行ったときに現在来店している全員の顔と氏名を一致させないと帰れま10とかやられたら泣いちゃう。
 
思うにゲームってのは一種のトンデモシミュレーターみたいなところがあって、「~だったらどうする?」という虚構の想定で作られた世界を自分が体験できるところに良さがあるわけですね。
そういう意味ではオブラディンの構築した世界とルールというのは、オブラディンでしか体験できない唯一無二のものであるので、こういうのは一度きりの人生で遊んでおいて損はないものだと思いますね。
 

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で、実際どういうやり方で当てっこをするのかというと例えばこれ。死んでるやつはなんて名前で死因も当てる必要があります。
白黒なのもあるけど、オブラディン号の乗員ほとんどオッサンなので全く区別がつかねぇ。
 
いや、オバちゃんも乗ってるんだけどオバちゃんも全員が子供5人生みましたガハハみたいな肝っ玉母さん顔してて全く区別がつかねぇ。それにオバちゃんは、誰かを殺したりして目立たないので静止シーンの端っこにいるケースが多くて尚更わからねぇ。画面の端っこに立ってるオバちゃん見て何を判断しろと言うんだ。
 
警部、これは迷宮入りの可能性ありですよ……。
真実に基づく保険金支払に定評のある当保険協会において「わからない」なんてことはあってはならんわけです。
 
かくなる上はあの方法しか……。
極東の国日本の神奈川とかいう地域には古くから伝わる捜査の方法があるという。
私は日頃からネットニュースやゴシップを見て勉強するように務めているので詳しいんだ。
下町のハードボイルド・エッグと呼ばれた私に解けない謎など、あまりない……!
 

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早速捜査を進めていきたいところですけど、なんですこの状況??
 
いや、なんかバットみたいなので殴ってるっぽいのはわかるんだけど、殴ってる人と殴られてる人、ほぼ同じ顔してないです?というか誰??
なんか言い争いしてたようなボイスは聞こえてくるんだけど、誰が喋ってんだかよくわからないし、オッサンの顔見ただけで名前当てるとかメンタリストでも無理でしょ……。わかるのは死因は撲殺というくらい……?もはやイタコでも呼んで被害者の霊を降ろすくらいしか思いつかないんだけど、オブラディンのルール上それは無理だし…。かくなる上はあの方法しか…。
 

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う~ん、これは自殺!
被害者は日頃からインターネットで政治に関する論争に明け暮れていたが、ある時ふと我にかえると鏡で見た自分の顔は皮膚が垂れ下がっており、これといった職歴もなく親も年老いて10年もすれば介護も必要となりそうで、思えば自分はこれまで何をしてきていたのだろうもしかしたら死んだらもう一度人生をやり直せるのではないかそうだこれはなにかの間違いだそうだそうだ次こそはうまくやるきっとうまくやるんだこのロープでピョンとするだけで全部なかったことになるんだ、ということがあり自殺。
後ろの人がバットのようなものを持っていますが、これは大きなカッターであり、ロープを切って助けようとしたシーンだったと思われます。うむ解決。
 

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テンポよく事件を解決していくぞ!なにせ被害者はあと59人もいるんだ。
さて、次のシーンですが、なんですこの状況??
 
なんか上からモノが落ちてきて当たって死んだ感じ?で、いいの?というかそれだけで人って死ぬ?豆腐かこのオッサンは。
オッサン!またオッサンですよ。オッサンばかり出てきても全く区別つかないし、一体コイツ誰ですか。
そう、こういうときにはあの方法がある。
 

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う~ん、これは自殺!!
被害者は子供の頃から生真面目でクラスで陽キャがはっちゃけるようなテンションにも馴染めず、かと言って勉強ができないかというとそうでもなくほどほどのポジションでダラダラと生きてきた中年男性。しかしある時思うのだ。一体自分は何のために生まれてきたのだろうこの先何をすればいいのだろう何に向かっていけばいいのだろうしかしそれで何かを成し遂げたとしてそれが何の意味があるというのだろう結局のところ人は死ぬのだし事実上何かに価値を見いだせる可能性はないのではないかならば早めに終わらせたほうがいいのではないかそうだそうしようと考え自殺。
 
たぶんこの画像は誰かが自殺を隠蔽するために上から木材を投げつけたんでしょうね。
被害者の自殺が発覚すると都合の悪いやつがこの中にいたというのか…!しかし私の目は誤魔化すことはできないぞ。天網恢恢疎にして漏らさずだ。
 

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そして依頼人に報告書を提出してお仕事完了…っと。
いやー、今回もいい仕事した。ビールが美味い!!どうでもいいですけど、仕事が終わったあとの一杯目のビールの美味さって単純に疲れて喉かわいてるところに量を飲みやすくて冷たいものを流し込んだから美味く感じるだけですよね。どうでもいいですけど。
 
 
ところで、しばらくして依頼人を名乗る人物からお手紙が届きました。
 

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依頼人はあまりに品質の低い報告書を受け取ったのでショックで死にました、と。
いや、お前が死ぬのかよ!!
 
まさか船の乗員の死因を探っていたら依頼人が死んでしまうとは…。真相を解明しないと依頼人は助からないのか…。
 
お察しのとおり、本当のオブラディンはここから始まるんですよね。
これまで通ってきたシーンを丹念に見返し、「あれっ、ひょっとしてこの人○○なんじゃないか」という発見を積み重ねて、60人全てのピースを埋めることこそがオブラディンの本編。そして全ての真相を解き明かすのがあなたの仕事なのだ!!
 
しかし、神奈川県警に匹敵する頭脳を持ち、ハードボイルド・エッグと呼ばれた名探偵である私が案内できるのはここまでとなることを許してほしい。
オブラディン号の真相とは何なのか。ここから先は自分の目で確かめてみよう!!(昔のファミ通みたいな投げやりな紹介文)
 
 

ドナルド・トランプは『内閣総理大臣織田信長』を読んでいた説

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内閣総理大臣織田信長』は1994年から1997年にかけてヤングアニマルに連載された漫画で、いわゆる「信長モノ」の中でも高い人気を誇る屈指の名作です。
 

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作者の志野靖史先生天才かよと思うのが、「どういう経緯でタイムリープしたか」という流れは一切書かないで、1巻の1コマ目で織田内閣を成立させ、連載が終わるまで「なぜ織田信長が現代にいるのか」の説明が一切ないところ。確かに言われてみれば、それはどうでもいい部分だったのかもしれない。このあたりの取捨選択のセンスですよ。
 
大まかなストーリーは、現代になぜか存在する織田信長が400年ぶりに政権を樹立し、信長ならではの奇抜な政策で社会問題の解決に挑むというもの。自分勝手な信長が思いついた政策に秀吉をはじめとした閣僚や社会が振り回される単話完結型のドタバタ劇を基本としつつ、時折差し込まれる社会風刺や心がほっこりするいい話もあり、「こち亀」みたいに読めるところがあります。
 
ところで、現代の政治家や経済学者等の施策のいくつかは『内閣総理大臣織田信長』を基に作られていると聞くと皆さん驚かれるでしょうか。私も今自分で書きながら驚いています。
 
例えばこんなエピソードがあります。
 

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日米首脳会談でアメリカを訪問する際、閣僚よりも一足先に飛行機でアメリカに飛ぶ信長。何をするのかと思えば、端正な自分の顔をグランドキャニオンに彫ってクリリントン大統領にプレゼントしようとする。信長は自分が好き過ぎるので良かれと思ってやったが、秀吉や森蘭丸からこんなことをすると国際問題になると言われて、正直にクリリントン大統領に謝る話。
 
これ、最近どこかで見た記憶が…。
 

www.cnn.co.jp

これだ!!
常識的に考えて2020年にもなって自分の顔を山肌に彫ろうなんて発想は出てこないはず。
となると、辿り着く結論は一つ。
 
 
内閣総理大臣織田信長』が連載されていた約25年前、トランプは50歳前後。今では忘れてしまったかもしれませんが、当時は日本語を読めたのかも。あるいは金に任せて英語への訳本を作らせたのか…。いずれにせよ、トランプが『内閣総理大臣織田信長』を参考に政策を考えていることがこれで明らかになりました。
 
 ほかにもこんなエピソードが。
 

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山手線視察をした信長は、あまりの社内混雑にキレて途中で電車を止めさせて降りる(新宿で乗り込み隣駅の新大久保まで持たなかった)。同乗していたサラリーマンが「私達は毎日こうだ!新聞くらい読めるようにさせてください!」と総理に直訴。その場で信長はわしに任せよと公約し、官邸に戻って5階建ての電車を考案する。
結局は信長の5階建てはカーブを曲がれないので廃案、秀吉の改良案も間に合わないので廃案、最後に残った家康の「新聞を小型化すればいいのでは?」という案が採用されて、なんとか公約を守れるという話。
 
これもなんか耳に覚えのある話だ。なんだっけ…。
 
これだ!!
小池百合子知事が2016年に東京都知事選に出馬して掲げた「満員電車ゼロ」。その方策として2階建ての車両が挙げられました。
信長案の5階建て車両は無理にせよ、秀吉案は1階部分を半地下にすることで3階建ての車両を作ろうというものでした。これは小池案に近い…。
となると、辿り着く結論は一つ。
 
小池百合子は『内閣総理大臣織田信長』を読んでいた!!
 
1995年、小池知事は新進党の結党直後で、政策の勉強意欲に燃えていたに違いありません。そのとき、政策の参考になるような漫画がたまたま手元にあったらどうでしょうか。そりゃ読むでしょう。読むでしょうよ。いずれにせよ、書かれて20年後の東京都知事選を左右する影響力を織田総理が持っていたことに我々は驚きを隠すことができません。
 
 さらにはこんな話も。
 

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 一千万円札を新設し自分を紙幣の肖像に使った信長であったが、一千万円札など誰も使わず、頭を悩ませていた。そこに全国知事会から地方分権の請願があり、そこで地方ごとに郷土の有名人のお札を出し、肖像に登場する人物は投票で決定してはどうかと提案する。その心は、東京では「信長に手をふる徳川家康」、大阪では「信長にお辞儀をする秀吉」を肖像に登場させ、愛知では自分を登場させることで、主要都市で流通する一万円札を自分の顔で独占しようとする目論見だが…という話。
 
地域貨幣……どこかで聞いたような……
 

kakakumag.com

これだ!!
仮想通貨が盛り上がった2年ほど前、地域通貨みたいな話があちこちから出てきたのを覚えておられるでしょうか。地域通貨も文脈的には地方創生の一環で、要は地域内で消費される通貨量を増やす(一方で地域外に流出させない)政策として語られます。「さるぼぼコイン」のような、その地方をイメージさせる名前がつけられることが一般的ですが、そのルーツは1999年の地域振興券にあるようです。
 
このアイディアの流れ、当時の地域振興券を担当していた官僚が『内閣総理大臣織田信長』を読んでいたと考えるとしっくりこないでしょうか。つまり、地域通貨の考え方の期限は織田総理に由来すると言っても過言ではないのです。
 
そして、極めつけはこれ。
 

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来年度予算を編成するに当たり、秀吉は公共事業、勝家は中小企業への助成、家康はいっそ予算をそっくり貯金してみてはと主張する中、信長は面倒くさくなり「天下一のバラマキ」を行うと宣言し、年度予算72兆円をすべて720億枚の千円札に替え、航空機から日本全国にバラまいてしまう。秀吉はその光景を見て、「でも、それも面白いかもな。だってそもそもは国民の金なのだから…」と呟いた。

信長のバラマキにより住宅着工件数、新車販売台数等の個人消費は大きく回復したが、徳川家康のように拾ったお金を貯金していた人もまた存在した…という話。

 
しかし、上空から紙幣をばら撒く……どこかで聞いたような……
 

www.nikkei.com

これだ!!
ベン・バーナンキは学者時代の2002年、ミルトン・フリードマン教授の90歳の誕生パーティーにおいて「デフレ克服のためにはヘリコプターからお札をばらまけばよい」と発言。それ以来「ヘリコプター・ベン」の異名を取り、ついにはFRBの議長まで上り詰める人物ですが、信長が72兆円をバラまいたのはそれより7年前の1995年……!
となると辿り着く結論は一つ!
 
 
まさか世界の金融に最も影響を与える人物が経済政策の参考にしていたとは…。ああ、なんと偉大な織田総理。
時系列で追って考えると、バーナンキは1995年に『内閣総理大臣織田信長』を何らかの方法で読み、7年間の熟考を経た後、2002年にヘリコプター・マネーという理論で披露することになったと考えるのが自然です。バーナンキFRBの議長時代にインフレターゲットの考え方を導入しましたが、それが時間を経て日本にも渡り、黒田日銀総裁のもとで黒田バズーカと呼ばれる異次元の金融超緩和政策に繋がったのです。25年前に考えられた織田総理の政策は今の日本にも息づいているのです。
 
 
冷静に考えてみれば、今現在の先進国を代表する政治家・経済学者の施策が、いずれも1995年頃に書かれた『内閣総理大臣織田信長』に描写されている。こんな都合のいい偶然があるのでしょうか。
 
となると、今後出てくる政策も『内閣総理大臣織田信長』に描かれている可能性が高いということです。
この法則を知ったあなたは、これで未来を予測することができる。愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ。賢者は歴史から未来を知り、他者に対してアドバンテージを得ることができるでしょう。
 
具体的には、このような政策がまだ実現されていないので今後の社会情勢を見る参考にしてください。
 

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自分の本来の年齢の上下10%の範囲を限度として自由に年齢を設定できる法案。働き方において、早く辞めたい人が早めに定年の年齢を選択でき、長く働きたい人が定年を回避できるようになります。また、就活時の年齢差別がなくなるので既卒や留年に有利になるでしょう。
 

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24時間のうち、婚姻時間と非婚姻時間を契約で振り分けられるようにできる法案。非婚姻時間用の単身住宅の需要が伸びるでしょう。また、お互いの契約時間や付帯契約の認識齟齬等による裁判が増え弁護士業務が忙しくなるでしょう。
 

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国会中継に注目してもらうために国会中継をエンターテイメント化する政策。NHKの視聴率が伸びる一方、民放は新たな敵の登場でますます収益が厳しくなるでしょう。演出関連の業種は国会関連の仕事が増えるかもしれません。
 
 
なお、冗談抜きで『内閣総理大臣織田信長』は名作なので、古本でも電子書籍でも良いので見かけたら買うといいと思います。
個人的には5巻の「永遠平和のために」というエピソードがメチャメチャ好きなので是非。
  
ちなみに、作者の志野靖史さんは後に歴史小説家に転身されていて『信長の肖像』という戦国時代の絵師狩野小次郎を主人公とした話を書いています。こちらもちょっぴり切なさのある話でいいですよ。
 

野球賭博2020

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こんな時期にプロ野球が開幕とか自分が生きてる間二度となさそうだけど、ともかく開幕なので野球の雑談をするぞ!
 
順位を置いてるのは12連単当てたときにドヤ顔でtwitterに貼りたいからです。
毎年全然当たらないけど、セ・リーグの首位だけは4連続で当ててるので今年的中するとWin5で配当が付くはずなんだよなぁ。
あと若月さんご結婚おめでとうございます。画像はスラッガーの選手名鑑より。選手名鑑はスラッガーのやつがデータも揃ってるし見やすいのでオススメ。
 

パ・リーグ

1位 東北楽天ゴールデンイーグルス(昨年順位:3位)

今年の楽天は強い。鈴木大地とロメロを獲得したことでウィーラーが余るほどの層の厚さ。他にも茂木・浅村・ブラッシュと、野手陣は捕手以外オールスター級が並ぶ。投手陣では則本が帰ってきたし、涌井が加入して、松井が先発に回ってイニングを食う。少し遅れて岸が復帰すれば先発陣もリーグ屈指。リリーフにはアメリカ帰りの牧田もいる。今年の楽天は本気でソフトバンクに勝ちにきてるぞ。孫さんも毎年日本一だとつまらないだろう。
 

2位 埼玉西武ライオンズ(昨年順位:1位)

「打線は水モノ」とは言うけど、水モノをウリにしてるチームは全く読めないよね。去年も菊池雄星が抜けてさすがにもう持たないだろうと思ったら森がアホみたいに打って補った。ただ、去年はやはりチーム力としては2018年に劣っていて、柳田悠岐が故障してキューバ勢が代表で一時抜けたソフトバンクが勝手に転んだと見たほうがいい。今季は秋山が抜けてさらに難易度は上がる。ただ、投手陣では今井がそろそろエース張れるんじゃないかと期待がある。
 

3位 福岡ソフトバンクホークス(昨年順位:2位)

コロナ禍で最もマイナスの影響を受けたのは間違いなくホークス。楽天とのガチ一騎打ち楽しみだったけど、グラシアルとデスパイネ不在の中でのシーズン開幕となってしまった。キューバは入国禁止措置の対象で、仮に入国禁止が解除されても入国後に2週間待機があるだろうし、少なくともシーズンの半分はいないと見たほうがいいのでは。両主砲が不在の中で、結果的にバレンティン獲ってて良かったねという話にはなるけれども、総じて火力不足は否めない。
 

4位 千葉ロッテマリーンズ(昨年順位:4位)

昨シーズンは種市が凄かった。先発で奪三振率10超えとか千賀かよってレベル。加えて石川・美馬・二木と先発陣は揃う。元広島のジャクソンを補強して後ろが揃ったのも大きく、Aクラスにも届きそう。野手陣では安田がイースタンで19HR打っており、出てくる準備万全。あと、佐々木朗希の入団は大谷のときのようなワクワク感があるよね。あの足を大きく上げるクラシックな投球フォームを早く幕張で見たいという感じしかない。
 

5位 北海道日本ハムファイターズ(昨年順位:5位)

チームの主軸を張る翔さんが年々守備も悪くなって低WARに留まっているのはチームとしてつらい。インハイなどの弱点の明確なビヤヌエバ獲った意味もよくわからなかった。新外国人ではバーヘイゲンが面白いと思う。こういう長身で150km/hのスピードボール投げれる先発は日本に来ると急に化けるパターンある。投球フォームもクセがあって好き。野球の多様性で素晴らしいのはフォームよね。謎の外国人の謎のフォーム見れるから国際戦好きなんだよな。
 

6位 オリックスバファローズ(昨年順位:6位)

というわけで山本由伸が出てきたわけですが、1シーズン投げた結果は別格の成績でいきなりの最優秀防御率。2軍の成績ってK/BB見るとわりとあてになるよね。2017年ウェスタンの防御率0.27もすごいけど、K/BBも9.3だったもんなぁ。そして楽天のワクワク路線を彷彿とさせるメジャーの大物アダム・ジョーンズを補強したわけですが、さすがに35歳でピーク過ぎてるよね。こういう大物は楽天のAJみたいにリーダーシップでチームを作れるタイプじゃないとキツイ気がする。
 
 

セ・リーグ

1位 横浜DeNAベイスターズ(昨年順位:2位)

今季導入された外国人枠5人制度の恩恵を最も受けるチーム。ソト・オースティン・ロペス・パットン・エスコバーと力のある外国人が枠の数以上に所属しており、やりくりに悩んでいたが、今季の制度の特例で解消。エスコバーやパットンが疲れたらピープルズもいるという盤石さ。心配なのは山崎康晃の勤続疲労で、昨シーズンは奪三振率が減少するなど明確に球威が落ちていた。とはいえ、石田や国吉もいいボールを投げており総じてチーム状態は悪くない。
 

2位 読売ジャイアンツ(昨年順位:1位)

最多勝の山口俊が抜け、阿部慎之助が千賀からHR打てる能力を持ちながら引退した影響は大きい。坂本への依存度の高いチームで、坂本が怪我でもすれば大きく順位を落とすこともあり得る。外国人はデラロサメルセデスを除き微妙では。パーラはピークを過ぎてるし、飛ばないボールが導入されて打低になったKBOで実績を上げただけのサンチェスは指標的に外れ濃厚。外国人枠が5人になろうが、巨人が5人も当たり外国人を引くはずはないので関係なかった。
 

3位 中日ドラゴンズ(昨年順位:5位)

坂本や山田哲人のようにリーグ屈指の選手がいるわけではないが、ビシエドアルモンテ・平田・高橋周平・大島と相応のメンツが並び、平均的にソツのない打線が構築できている。打線は点ではなく線ですよ。OPS0.9と0.7ではなく、0.8が並ぶ感じね。投手陣では昨シーズン後半に出てきた梅津の投球はレベルが高かった。シーズン通してローテに加われば相当の上積みになるのでは。それにしてもドラ1の石川昂弥はすごい素材。将来が楽しみ。
 

4位 広島東洋カープ(昨年順位:4位)

會澤の残留が一番の補強。カープの捕手は坂倉や中村奨成など次世代の有望株が揃うけれど、一軍の一線級を張るにはまだ早い。それに會澤の打力は打てる捕手不在の時代には明らかなアドバンテージ。それにしても三連覇のときは薮田と岡田明丈がローテの主軸になってたけど、突然二人ともイップスみたいになってストライク入らなくなったのなんだろうね。彼らの分割り引かないといけないので復権は厳しい。中継ぎ陣も一岡をはじめとして疲労が見られて心配。
 

5位 阪神タイガース(昨年順位:3位)

いやー、昨シーズンのピアースジョンソンのパワーカーブ凄かったですね。58イニングで91奪三振。野球先進国の最新の技術を見せてもらった感じ。1シーズンでアメリカに帰っちゃったけど。偉大なPJの穴をいかにして埋めるかが今シーズンのテーマ。ならば外国人のマイナスを埋めるのは新外国人だ。いよいよ来ましたバースの再来、ボーア。バースの再来って外国人なら誰でもいいわけじゃないんですよ。クラシック性をもった左の鈍足パワーヒッターでこそですよ。
 

6位 東京ヤクルトスワローズ(昨年順位:6位)

投手~、イニング食える投手はいませんか~。40歳の石川が表ローテ回ってる時点で孔明が死んだ後の蜀みたいな人材不足感すごい。エースの小川は昨シーズン指標が悪化しててOP戦もかなり打たれてたし衰えの兆しを見せつつある。新外国人のエスコバーは元メジャーリーガーだけど34歳と明らかにピークは過ぎてるし、元々打力のある選手ではない。村上の成長を見るのが一番楽しみなシーズンになりそう。しかし村上、どれほどの打者になるんだろうね。
 
 
パは、強いソフトバンクをどう倒すかみたいな時代が続いたけど、楽天の大型補強で潮目が変わるときが来た。こういう本気で勝ちに来てるチームいいと思いますよ。選手が本気になるのは当たり前だけど、フロントが腹をくくって本気にならないと本当の意味でチーム全体が本気で戦ってるとは言えない。もしソフトバンク楽天にやられるようなことがあれば、ソフトバンクも黙ってないだろうし、ここ数年でパ・リーグIT企業決戦やってほしい。
 
セは、全球団見事に戦力流出して弱くなってる。DeNAは4番の筒香アメリカに行ったし、同じく巨人も最多勝の山口俊がメジャーに。中日は中継ぎエースのロドリゲスがメジャーに。カープはレグナルトの解雇がちょっと勿体なかったかな。阪神はピアースジョンソンがメジャーに。ヤクルトは長年チームの顔として活躍したバレンティンが福岡へ。どの球団が出たとしても、日本シリーズやったら10回に8回は負けそう。
 
それにしても楽天ソフトバンクDeNAとIT企業が両リーグで上位に入ってくる現状見ると、やはり新しい血を入れるのは大事ですわね。16球団論というのもあるけど、新しい球団経営手法を生み出す可能性のある球団が4つも増えるという意味では素晴らしいことではありますよ。
 

FF14は『人付き合いが苦手な人向けのMMO』だった

意外、意外でした。
 
FF14と言えば、「大縄跳びでミスったやつが放課後の学級会で吊し上げにあう」「パーティーを集めるのに誰かに声をかけなければならず胃に穴が開く」みたいなイメージで、人間と仲良くなるのが苦手という森のゴリラである自分にとって畏怖の象徴みたいなところがあったんですよね。ファミ通に書いてた攻略情報とか読むと、動作が細かく書かれてて怖すぎるんよー。
昔やってたUOでも声をかけてもらってギルドに入ったことはあるけれど、どういう距離感で色んな人と付き合っていいのかわからないし、どういう顔でギルドハウスに顔を出していいのかもわからず瞬間で幽霊社員になるなど、MMOに対しては、狼に育てられた野生児が都会に馴染めなかったような思い出しかない…。
 
ところがですよ!
こんな人間でも、FF14を半年前から始めたところ、今週ついに『紅蓮のリベレーター』までクリアできました。
FF14ってのは『基本パッケージ』+『拡張シナリオ1:蒼天のイシュガルド』『拡張シナリオ2:紅蓮のリベレーター』『拡張シナリオ3:漆黒のヴィランズ』という構成になっていて、そのうち拡張シナリオ2までクリアできた状態です。全体の3/4クリアということですね。感慨深い。
 
まぁしかし、それは森で狼に育てられた少年が都会に馴染めた話なのかというとそうでもなくて、結果から言うとFF14というのは「人付き合いしなくていいMMO」だったので何とかなった感じ。自分自身「ゲームで人付き合いしないといけないの面倒そうだなー」と思ってたところがあったので、これは同じように思ってる人向けに書いてます。
 
FF14では、基本的なメインシナリオを1人で進めていくことになります。協力プレイが必要となるのは、シナリオの要所要所で出てくる「○○(ダンジョン名)を攻略しろ!」みたいなところだけ。
そういう意味では「一人用ゲームをみんなで遊んでいる感覚」が近いかも知れない。全員に精緻な動きが要求されるいわゆる『大縄跳び』は廃人向けのエンドコンテンツに行かないと発生しないです。
 

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ダンジョンを攻略する場合も、町中で「○○に行く人いますか~?」という声を掛ける必要もなし。
FF14はコンテンツファインダーといって、ダンジョンに行く権利を開放したら、そのダンジョンを選択してしばらく待っていれば同じダンジョンに行きたい人(あるいはランダム選択した人)を自動でマッチングして探索スタートという流れであり、対人的には実にノーストレス設定。
 
ダンジョンに入っても、最初に「よろしくお願いしますー」、ボスを倒したら「おつかれさまでしたー」以外のコミュニケーションは存在しないです。少なくとも自分はこれ以外の発言をしたことないですし、それでも『紅蓮のリベレーター』までクリアするのに一切困ることはありませんでした。序盤はキーボードすら接続していなかったので、定型文貼り付けてるだけでしたし、もはや機械。
いや、そこまでコミュニケーションを機械化すると、ダンジョン内で一緒に攻略してる他の人もNPCとあんまり変わらなくなるんですよね。他のプレイヤーってのは動きの個性的なNPCみたいなもんですよ。
 
わ! ネットゲームのようでネットゲームでない!
FF14は、この辺の「知らない人とのコミュニケーションが嫌」という心理をめちゃくちゃケアしてるMMOという印象がありますね、FF14。過去のMMOがコケてきた理由をかなり研究したんじゃないでしょうか。
今一番人間嫌いに優しいMMOですよ。従来のMMOの継続ユーザーはどこかのギルドに居着いて付き合いで続けている人というのがポピュラーでしょうし、FF14もまぁそういうのもあるでしょうが、どこかのFC(FF14で言うところのギルド)に所属していなくとも、一つのアクションRPGとして続けうるに足る。つまりユーザーの裾野が広い。そりゃあスクエニの決算がウハウハという話にもなるわけです。
 
時間にも優しい。コンテンツファインダーは町中でも申請できるので、わざわざダンジョン行く必要もないですし、町中で申請してダンジョン攻略し終わったらログアウトすればいい。そのあたりの流れはモンハンに似てるかもですね。
FF14ネトゲにしてはユーザーの年齢層が高いらしいのですが、時間がない人や面倒くさがりの行動動態を意識してるところは感じます。一般的にマーケティングをやる際は、想定顧客の典型的な姿である「ペルソナ」を設定してサービスを作り上げていきますが、FF14のペルソナは時間のない社会人男女あたりを前提に作り上げられてても驚きはない感じ。
 
ちなみに初めて行くダンジョンであれば、念のため挨拶に「初見です」とつけておけば周りの人がやたら優しくしてくれるのでオススメ。
いや、この話、似たような例があって、格ゲーやSTG界隈がそうなんですよね。
 
格ゲーやSTGって「怖そうな人が素人のプレイを笑ってる」みたいなイメージを持たれていることがありますが、実際は全く違って、彼らは新規参入者を見ると「新参だ!お茶とオシボリをお渡ししろ!」と肩を揉みながら困っていることがないか聞いてくれます。
FF14も似たようなところがあって、こちらから何も言わなくとも、ダンジョンクリアしたときに「初クリアおめでとうございます~」と祝ってくれる人がやたらと多い。世の中いい人多いよねホント。もっとも私はゴリラなので定型文を返しているだけなのですが…。
 
 
というわけで、本日は「一人で遊べるエオルゼア」のご紹介です。一人焼肉とか一人カラオケみたいなもんですね。一人で積極的にお出かけしていけ。
 

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まず景色と音楽!
わりと偏見だったなと思うところしきりで、FF14ってわりとリリース自体は昔のゲームだったのでグラフィック面ではちょっと劣るところかなと想像してたのですけど、むしろ景色のきれいなゲーム10選とかに挙げると名前が出てきそうなタイプの景色ゲー。このギャップに最初驚いた。
 
MMOって構築された世界を複数の人間で共有するものなので、世界自体に魅力があるかが重要なファクター。要するに音楽聴きながら世界ぶらついてるだけで楽しいかどうかってことですよ。これが苦痛だとMMOにありがちな移動辛すぎて死ぬ病にかかって吐血するわけですが、FF14は景色もいいし、和ゲーっぽいメイン旋律のキレイなBGMがあるのが良いですね。拙者、BGMがオケ調でメイン旋律が弱いと記憶に残らない侍と申す者…。
 
クガネの街中の音楽も和風で旋律の強い曲で印象に残るし、紅蓮のボス曲の『鬨の声』を初めて聞いたときの興奮とかもう一度味わいたい。
ボス戦で曲がサビまで流れてきて一番盛り上がるところで、あれだけ聞かされてインパクトに残ってる街のBGMのメインメロディーのアレンジだと気づいたら震えません? こういうのズルいよ~、コロッといっちゃうよ~。
 
他にも『Dragonsong』は、黒い背景に適当な外人の名前をスタッフロールっぽく下から上に流すだけで泣けるレベルのキングオブエンディング音楽。中盤以降はダンジョンごとにBGM違うし、そういうアピールしてるの見たことないけど、やたら音楽に力入れてるゲームだと思います。
 
 
そして演奏ですよ。
 
昔、マビノギでも音楽演奏にハマっててプレイ時間の半分くらいキーボード触ってたけど、音楽演奏のあるMMOは最高。一気に遊び方の世界が拡張される。そうだよ、MMOの運営は遊び方の幅を作ってくれればいいんだよ。あとはユーザーが勝手に色々やりだすよ。
 
演奏に興味がある人は、まず弓術士のレベルを上げてみよう。レベル30まで上げると吟遊詩人にジョブチェンジできるので演奏が可能になります。
演奏はパッドでもできるし、文字キーボードでもできて、「ドをキーボードのZに割り当てる」とかを設定していく感じです。
ただ、文字キーボードって横の幅に限りがあるので、高いドが低いドの真上にあるとかになったりして、演奏に超絶技巧を要求しがちですね。あと、和音が出せないのでアルペジオとかで工夫して表現することなります。アルペジオとかマジでムリィ…としか言いようがないのに、ジャラーンって鳴らしてる演奏者の人マヂ尊敬…。
 
上記の演奏は、演奏スキル解放して初日に練習したものなので、メインメロディーくらいならわりと簡単に演奏できるようになると思います。たまに街中で演奏してるとギャラリーつくけど、そんなときに限って間違えてメチャメチャ恥ずかしい思いするんだよな。
 
 
で、この演奏を極めてる人たちがいて、演奏会とか開催してたりするんですよね。
PCでプレイしてるならMIDIキーボードも繋げるからおそらくそれで演奏してると思うんですけど(たまにパッドや文字キーボードでやれる超人もいるらしい)、やはり生で人の演奏を聴くと感動します。生演奏ってその場で作り出してる感があるから、それだけでとても良く聞こえるのだけど、それはゲームの中でも同じ。いや、普通に遊ぶならアクションRPGというゲームの中だからこそ、さらに独特の空気感がある。
 
既にFF14やってる人でもライブを聴きに行ったことがない人いれば、ぜひ聴きに行ってほしいですね。
有名なところではPOPという演奏チームがあるし、イミプリというガールズバンドもあります。
 

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釣りもできます。しかし、これまで良いところばかり言ってきましたがこれは常人にはかなり継続の厳しいコンテンツ。
ゲーム内に実装される釣りのミニゲームの例に漏れず、FF14の釣りも魚がかかったら(時にはスキルを使って)ボタンを押して、ただそれを繰り返していくだけであり虚無性が高い。しかし、考えてみれば釣りの本質とはそんなものかもしれない。
太公望だって返しのない釣り針を使って考え事をしてましたし、釣りの本質は釣ることそのものではなく、魚に向かい合う自分の有り様のことよ!
虚無。釣りはそれでいいんだよ。釣り針を垂らしている間に自分とはなにか、世界とは何かでも考えておけ。
 
ちなみに「オーシャン・フィッシング」という24人で自動マッチングのパーティー組んで、船で沖釣りに出るコンテンツが先般実装されまして、面白いかなと思って出港直後に「マグロ!ご期待ください!」と言ってみましたが、特に反応がなくとてもつらい思いをしました。
 

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そして、FF14を語るならば、避けては通れぬ麻雀!
 
りくぜんさん自身麻雀が好きすぎるマンなので麻雀のことを悪く書きたくないんですが、やっぱり麻雀って本質的にイラつくところはあるわけです。
裏ドラは相手ばかり乗るし、クソみたいな単騎待ちをよりによって赤5ソーでツモられたりするし、どれだけ多面張でリーチしても相手のカンチャン待ちには勝てないわけです。大体麻雀って4人で打つわけなんで、普通に考えれば2回に1回はマイナスで終わるんですよ。どれだけ聖人君子でも麻雀やっててイライラしなかった人はいないですよ。うまくいかないのが麻雀なのだから。
 
麻雀からもたらされるものは、怒りです。
明らかにすべて正しい選択肢を選んでいるのに雑魚に負ける。5回連続4位とか1/4の5乗の確率でしか起きないはずなのに平気で起きる。こっちは1つもメンツができてないのにリーチが入る。
マジでイライラするわ……一体この怒りをどこにぶつければ……
 
そんな貴方に、『ファイナルファンタジーXIVフリートライアル』というものが存在する。ファイナルファンタジーであれば、クソ配牌でイラついてもダンジョンに行ってモンスターに暴力を振るえば解決!
 
暴力装置を備えた麻雀」というのは従来存在しなかった画期的なソリューションですよ。そうか、麻雀ゲームに足りなかったのは暴力だったんだ…。近代麻雀のキャラなら平気で暴力ふるえるけど、我々はそうもいかないもんな。
 
イラついたら遠慮せずに殴ってスッキリしろ!
麻雀ウィズ暴力! ファイナルファンタジー
 

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ちなみに私はFF14を始めてレベル15でゴールドソーサーに入ってから1ヶ月帰ってこなかったので、ジョナサスレポートでプレイレポ出力したらこんなことになります。このあとR2000に達して、無事『Mahjong Master』の称号を取れたのがこのゲームで成し遂げた唯一の実績です。
 
 
以上、一人で遊べるエオルゼア観光案内でした。
 
メインストーリーを進めてもいいし、音楽聴きながら世界ぶらついてもいいし、演奏してもいいし、ライブを聴きに行ってもいいし、釣りで自分と対話してもいいし、雀荘から戻ってこなくてもいい。最近、落語やってる人も見たし、外人と遊んで英語の勉強してる人も見た。もしかしたら漫才やってる人だっているのかもしれない。
 
MMOなのに一人で何でも楽しめるように作られてると思いますよ、FF14
 

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むしろ何でも一人でできすぎて一人も友達が作れないレベル。

2045年のファイナルファンタジー7

(CM)
神羅カンパニーからミッドガル市民の皆様へお知らせです。
この先には『FINAL FANTASY Ⅶ  REMAKE』のシナリオへの言及があります。
物語を新鮮に楽しみたい皆様は、このままテレビの電源をお切りください。
神羅カンパニーは、市民の皆様の明るい生活と未来を応援しています。
(CM終わり)
 
(CM)
君は、クラウドを覚えているか? 
君にとって、今でもバレットは頼れる仲間か? 
君の選択は、星を救うことか? エアリスを救うことか?
ーー ファイナルファンタジー7 2045年12月 再始動...
(CM終わり)
 
2045年の今、3度目のFF7がリリースされようとしている。往年のファンを中心にネットスフィアは大盛りあがりだ。ゲームシステムはどうなるのか? どういう演出でミッドガルが描かれるのか? 今度はエアリスを助けられるのか?
 
不思議なことに、リメイク作というものは、それを遊んだことがなく全ての要素を新鮮に楽しむことのできるはずの新規ファンよりも、既に結末を知っているはずの既往プレイヤーの方に人気がある。
大河ドラマと似ているかもしれない。明智光秀山崎の戦いで破れ、落ち武者狩りにあって殺される結末を知っているにも関わらず、人々は光秀の物語に興味があるし、光秀は家康の側近「天海」となって江戸時代まで活躍したというifまでも楽しんでいる。なぜだろうか。
 
それを語るには、少し昔話をさせてほしい。
 

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前作である2度目のFF7がリリースされたのは、ちょうど今から25年前にあたる2020年だった。
 
FINAL FANTASY Ⅶ  REMAKE』(以下「FF7R」)と銘打たれた同作は、初めてFF7をプレイする層を取り込みつつも、特に原作をプレイしたファンを中心に盛り上がりを見せた。人が生きる限り歳をとるならば、ファイナルファンタジーというブランドも少しずつ歳をとるということだ。
 
FF7Rのシナリオは、オリジナルのFF7の存在を前提として書かれている。
オリジナルのFF7には存在しない「フィーラー」という存在が登場し、FF7Rの歴史が原作の「正史」から外れることのないように導いていく。当然FF7Rに登場するクラウドたちは正史などという存在を知っているわけがないから、フィーラーたちの行動のワケがわからない。
では、なぜそもそもシナリオで「正史」を匂わせる必要があるのか。それは「正史」を知っている人間がここにいるからだ。クラウドではない。正史を知っているのは、画面の前のプレイヤー、そう、あなたのことだ。
 
ミッドガルからの脱出シーン、一本道の高速道路でエアリスは「ここ、分かれ道だから。運命の分かれ道」と言う。ここがなぜ分岐点になるのか、知っているのはクラウドではない。プレイヤーだ。ここで分岐を選ばなければ、エアリスはセフィロスに殺され、ホーリーはメテオを防ぎ、星の未来は守られることをプレイヤーは知っている。
しかし、エアリスはクラウドを通じて、ここから「正史」と異なる未来を選択できることを画面の向こうのプレイヤーに提示している。
 
そしてセフィロスだ。FF7Rの最終決戦において、セフィロスクラウドと剣を結びながら「覚えているか?」「懐かしくはないか?」と呼びかける。当然背景に流れるのは「片翼の天使」だ。しかも、序盤の強めのアレンジから徐々にオリジナルの曲調に寄せてくる遷移は聞き手の心情を読み尽くしているとしか思えないほどで、曲を聞きながら必ずこう思うはずだ。「覚えていないわけがないだろうが…」
セフィロスもまた、クラウドを通じてプレイヤーに対して話しかけている。
 

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2020年から更に遡ること23年。1997年に発売されたオリジナルの『FINAL FANTASY Ⅶ』は日本では約400万本もの販売本数を記録し、多くの若者、子どもたちに遊ばれた。それから23年が経っても、その体験は彼らの人生の一部であり、中盤でエアリスが離脱して驚いた思い出であり、セフィロスがカウンターのマテリア一撃で死んで笑った経験であり、早く先のシナリオを見たくてダッシュで家に帰った記憶なのだ。
 
「懐かしくはないか?」という言葉は、セフィロスの声を借りて発された1997年からの声だ。
23年の歳月の有無によって、この言葉の重みは全く違う。クラウドがフィーラーを打ち破る文脈も「正史」の知識がシナリオの前提となっており、FF7Rは明らかに1997年を通過してきたプレイヤーの方が楽しめるように作られている。
 
さて、このまま2023年にPS5で発売されたFF7Rの完結作についても語りたいところだが、長くなってしまったので昔話はここまでにしよう。
 
 
話を2045年に戻す。
 
わざわざ25年前の話をした理由は、「リメイク作は、当初の顧客に接着し続けていく」ということを伝えたかったからだ。
今作『FINAL FANTASY 7』は、前作のFF7Rとは全く違う演出・シナリオを展開することを伝えるために、あえてオリジナルの『FINAL FANTASY 7』と同名のタイトルとして発売される予定だ。以下、オリジナルと混同するので本作を『FFⅦ 2045』と記載する。
 
FFⅦ 2045』の発売元であるスクエニカプコン(SEC)の広報担当はこう語る。
「もちろん若い方々に新たに『FFⅦ2045』の世界を体験してもらうことも期待していますが、今作のメインターゲットはオリジナルのFF7やFF7Rを遊んだ40代以上の層を想定しています。オリジナル、FF7Rと遊んできた方々に、昔の良かったところはそのままに、新たな解釈での神羅アバランチ、ミッドガル、そしてクラウドたちの物語を体験してもらおうと考えています」
 
ゲームを遊んでいた子どもたちが大人になり、中年になり、ゲームの顧客層の年齢層が上にシフトしたことで、「中高年層」という新たな市場が誕生した。そして、彼らをターゲットとしたゲーム群が生まれ、それらは(若者からは揶揄する意味も込めて)「時代劇もの」と呼ばれた。
「時代劇もの」とは、リピーター層を支持基盤とするリメイク作のことだ。
 
リメイク作が「時代劇もの」と呼ばれたのには理由がある。
 
ゲームとは言え、過去に描写され、存在した世界設定やキャラクターである。それら過去の舞台装置を現代に再びフィクション化することは、ちょうど時代劇をやることに似ていたからだ。しかし、「時代劇もの」といえど、単純に過去作をそのまま再現しただけでは面白くない。今のテクノロジーでの映像技術や違う切り口でのシナリオ解釈によって味付けすることで、新たな作品として昇華して、はじめてプレイヤーに満足を提供することができる。映像作品の「関ヶ原」が作られるたびに、シナリオや演出を変えて提供されるのと同じことだ。
関ヶ原」は、歴史としての関ヶ原の戦いを知らなくとも楽しむことができるが、東軍が西軍を打ち負かすという大筋と、その中の小早川秀秋の裏切りや大谷吉継の奮闘を知っていればより楽しさが増す。時代劇とは、過去に得た知識の文脈の延長線上にあるエンターテイメントだ。
 
同様の楽しみはゲームにも生まれた。ファイナルファンタジーのみならず、2030年にはクロノ・トリガーのリメイク、2032年ゼノギアスのリメイクが作られ、新時代の演出が付け加えられて大ヒットしたことを覚えておられる方もいるのではないだろうか。それらの主要購入顧客層は40~50代の中年世代だった。
もちろん原作を大幅に改変したシナリオにより物議を醸したこともあった。だが、織田信長が本能寺で逃げ延びた歴史のifを描いてもいいように、原作のシナリオに従うだけがリメイクではない。時代劇に大事なのは皆が同じ文脈で共有している舞台装置を使うことであって、ゼノギアスのリメイクに不満であれば、同じ舞台装置を使って別のリメイクを作ってもよいのだ。
そして、脈々と続いたゲームの時代劇化の流れの中に『FFⅦ 2045』のリリースは位置づけられるだろう。
 
日本初の職業映画監督であり、日本映画の父と呼ばれた牧野省三は、映画製作の三要素として「1.スジ(シナリオ) 2.ヌケ(映像技術)、3.ドウサ(演技)」を掲げた。これはゲームにおいてもリメイクの観点としても使うことができる。シナリオを変えるか、新しい映像技術により演出を変えるか、キャラクターの描き方を変えるか、そこに演出における工夫の余地がある。
 
FFⅦ 2045』を、牧野省三の映画製作三要素を借りて順番にチェックしていこう。詳細は明らかにされていないものの、シナリオ面では神羅カンパニーの特殊工作員タークスにスポットを当てるストーリーが考えられているという。また、技術面ではVisionEyeに対応しており、より強いミッドガルへの没入感を体験できるということだ。キャラクターも、他人への目線の向け方が人によって違うなど、「無意識のレベルでのリアリティ」に力を入れているとのことだ。
 
FFⅦ 2045』は、FF7Rよりもオリジナルに似ていると考えられているが、シナリオ上で起きる出来事が同じだったとしても、その間はミッシングリンクであり、出来事と出来事を繋ぐイベントを描くことは演出の自由だ。
特に、タークスの出番が多そうだと示唆されていることで、過去作よりもイリーナの描写に掘り下げがされるのではないかと期待されている。「美人でおっちょこちょい」なイリーナは、第4のヒロインとなれるポテンシャルを秘めていると一部のファンは大盛りあがりだ。
しかし、昔には考えられないことだったが、彼らファンの主要な年齢層は40代を超えている。
 
かつて、中高年層向けには、ゲームはボケ防止や健康維持などのヘルスケアとして機能することになるだろうと考えられていた。
 
それも間違いではない。が、それ以上に彼らは「物語」を求めたのである。
彼らはクラウドのこともエアリスのこともセフィロスのことも知っているし、原作で彼らがどんな運命を辿ったのかも知っている。
それでも新たに作られる『FFⅦ 2045』でのティファやエアリスのデザインがどうなるのか彼らは楽しみにしているし、イリーナの掘り下げた描写にも期待している。そして、ゴールドソーサーではどんな遊びが提供されるのかワクワクしているし、セフィロスと再び戦えることを待ち望んでいる。
 
そして『FFⅦ 2045』で初めてFF7に触れたプレイヤーは、『FFⅦ 2070』のリリースを楽しみに待つ日が来るかもしれない。
 
時代劇は死なず。ただデジタルに形を変えるだけだ。